15−10−19 越南の風(3)
ベトナムの人口は約9000万人、一昔前の日本よりちょっと少ない程度です。
ベトナムは国民の1/3が1日2ドル以下(1ヶ月60ドル以下)で生活している人達で、労働人口の75%は1次産業に従事しています。

物価感覚は旅行者の我々にはわかりにくいので、1日ツアーのガイドさんに聞いたところ日本の20分の1くらいで考えればいいのでは、という返事が返ってきました。

市内をブラブラしている時、暑かったので大きなビルの1階にあるコーヒーショップに入りました。

アメリカンタイプのアイスコーヒーが55000VDN(約2.5ドル)でした。
つまり300円弱、ということでこれは6000円と考えればいいという事でしょうか。

店内を見るとこざっぱりとした若い連中、それにオジサン達がダベっていました。

ホーチミン市内のど真ん中のマンションの値段を聞いてみました。5万USDくらいという返事でした。という事は日本の物価換算で1億2千万円。

もう少し皆が日常的に買うものでペットボトルの水が5000VDN(25円)、ご飯の上に総菜を載せた食事が12000VDN(60円)、バスは市内どこでも5000VDN(25円)でした。
コーヒーだけではなく、いずれも20倍とすると少し高すぎるような気もします。

物価感覚はその国に生活してみないとわからないのですが日本の1/10〜ものによっては1/15くらいという感じです。

しかし一杯2.5ドルのアイスコーヒーは3500万人の国民にとっては全く縁のないものでしょう。

ベトナムの学校出たばかりの社会人(この定義も難しいのですが)の初任給が100ドルくらいだそうですから、この人達にもあまり縁のないものでしょう。

つまりこういう店があちこにあるという事はもっともっと高額所得の人がこの国にはかなりいるという事なのでしょう。

日本では最近貧困問題が言われていますがベトナムと比較すると貧困問題じゃなくなってしまいます。

「ベトナムにとってベトナム戦争の最大の誤りはアメリカに勝ってしまった事である、負けていれば日本のように豊になっていたかも知れない」
という人もいるそうです。勿論公には言えません。言えば即逮捕・監禁・行方不明の国です。

1杯2.5ドルのコーヒーを飲みながらそんな事をぼんやり考えていました。
たった5泊6日の旅行中でしたが多くの外国人旅行者を見掛けました。

何人かには声を掛けてみました。ホーチミン市内の交差点で声を掛けた白人のオバサンはイギリスから来たと言ってました。
非常に私を蔑んだ態度でした。理由は大いにわかります。

クチで声を掛けたオジサンはイスラエルからと言ってました。

ホテルの朝食で隣に座った2人は最初は日本の田舎のオバサンかなと思いましたが、半島人でした。

ウエイトレスにすごいデカい態度をとっており、見ていても非常に気分はよくありませんでした。

あちこちの博物館ではロシア語が聞こえてきました。ベトナム語ではないアジアの言葉も一杯聞こえてきました。

実は、、、ベトナムへの旅行者の大きな特徴は大陸人とアメリカ人が非常に少ないことで私が見掛けた中で、「これはアメリカ人かな、」と思ったグループは1組だけ、大陸の連中はウレシイ事に見掛けませんでした。
中国語を話しているのは台湾人で話し方、服装、行動(大グループではない)でわかりました。

アメリカ人を見掛けなかったのはやはりベトナム戦争のせいで、ベトナムは一般的な人達の旅行先にはなりにくいのではないかと思いました。
旅行に行って報復をされると思っている人もいるくらいですから。
あの博物館にアメリカ人は入れないでしょう、絶対に。

では一般的なベトナム人はアメリカの事を今どう思っているか。

これは間接的に聞いた話ですが国民の2/3以上がベトナム戦争の後に生まれた人で、実はアメリカというのは彼等の憧れの国なのです。

学生にとってアメリカ留学とかはものすごいステータスで、アメリカで生活するのは夢のような事だそうです。

理由はズバリ、"豊かさへの憧れ"です。
この考え方をせざるを得ないのは何となくわかるような気がします。

何百万人もの国民が命を落としアメリカに勝利した結果、今のベトナムはどうなっているか。
ベトナム戦争が終わって丁度40年後の2015年のベトナムと太平洋戦争に負けて40年後の1985年の日本を比べてみて、国民の生活は、、、。

この違いは何から来るのか、少し考えてみました。理由は割と当たり前の10項目くらいに集約されると思っています。
でもこれたのうちの幾つかは今の日本から消えつつありますケド。
一般的な観光の国としてのベトナム・ホーチミン市とその周辺はどうか、という点ですが往復ナイトフライトを利用すれば3泊4日もあれば、「ベトナムに行った」、という事で話が出来る程度の一通りの経験はできると思います。

日本からホーチミンまでは6〜7時間のフライト、快適で安いホテルはいくらでもあるし、衛生的できれいなレストランも一杯あります。ちょっと気の利いたお土産も一杯あります。
費用はフライト、ホテル、観光の方法などで様々です。
ベトナムらしいお土産を買ってきました
今回同時期にホーチミンに行った先輩のSTさんは、4泊5日の"フライト+送迎+ホテル"でひとり4万円程度という格安パックツアーを見つけてこれで行かれました。

ところがSTさん曰く、「ホテルは人間の泊まるところではない」、という事で到着した日だけそこに泊まり、残り3泊を捨てて他のホテルに変りました。

最初から★★★〜★★★★のホテルで予約しても時期にもよりますが7〜8万円程度で行けると思います。

これ以外の費用はそれぞれの過ごし方によって違ってきますので、必要なお金を準備しておく事になります。

この1年間でアメリカに2回、合計50日程度旅行をしましたがこれに比較すると東南アジアは本当に手軽に行けるところだな〜と思いました。
また東南アジアは時差がないに等しいので体が非常に楽なのも私にとっては助かります。

機会を見つけて次はダナン、ハノイ、その他にも行ってみたいな〜、、、。
既に次のベトナム訪問を計画中であります。

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