16−10−22 ルール
我が社では来客があると受付のLSさんが人数に合わせて飲み物などの準備をします。準備とは食堂のオバさんに連絡をして会議室まで運ぶように連絡をするだけですケド。

我が社の受付嬢は一人しか配置しておりませんのでLSさんの休憩の時は、セキュリティー(守衛)の兵隊みたいな獰猛そうなお兄さんが受付の席に座ります。
この日の来客はちょうどLSさんの休憩の時にありました。

私はいつものとおり会議室で来客の対応をしました。ところがしばらく経ってもコーヒーも何も出てきません。
そうか、、、セキュリティーの連中は飲み物の手配を知らないのか、、、。
そこで私は来客に断って会議室を出て総務の隅に座っている営業のRNさんに、「コーヒーが水を5人分持ってくるように」、指示をしました。

しかししばらく経っても何も出てきません。これでは来客に失礼です。
私は再度席を立って今度は副社長のRAさんの席まで行って、「来客です。飲み物の手配をして下さい。」、と言いました。

後で、「営業のRNさんに指示をしたのですが、手配をしてくれなかった。もし私の指示の意味が理解できなかったのなら、聞き直すように指導して下さい。」、と私は副社長のRAさんに指示を出しました。
その数日後の夕方、私は取引先のF社のNMさんに会うために外出をしようとドライバーのSMさんを探すように総務の担当に言うと、「今、RNさんの用事でXXに行っています。あと10分で戻ります」、という返事です。
SMさんは私専属のドライバーですが、普段の空いた時間は様々な雑用をやってもらっています。

そういう場合は、「今から何時までSMさんを借りていいですか」、と私への確認・許可をとるルールになっています。

私はアポでの外出以外に、緊急で外出する事もよくあるのでSMさんは直ぐに対応できるようにしてもらっておく必要があります。

私は副社長のRAさんを呼んで、「私の運転手がいないのですが、営業のRNさんが勝手に使っているようです。注意するように。」、と言いました。

ルールは全て、「守る」、違反が見つかったら、「ワーニングを出す」、というのが私の方針です。

ドライバーのSMさんはLSさんが言ったとおり、10分ほどで戻ってきたのでF社には予定通り行くことができました。
昨日の午後、昼食から戻ると机の上にレターがありました。
営業のRNさんからです。ルール違反に関する彼女の反省文でした。

そしてその反省文の下にはRNさんの上司であるKRさん、人事担当のMKさん、そして副社長のRAさんのコメントがびっしりと書かれていました。

私はこの会社に来て5ヶ月、「この会社の人事管理機能はうまく回っているな、、、」、これを見て思いました。こういう些細な事に対し、これだけ素早く、こういう形で対応する会社が多くないことは私はよく知っています。
私は早速営業のRさんを会議室に呼んで面談をしました。

「この内容はよく理解をしました。私はこれをもらって非常に嬉しい。これからも大いに仕事に頑張って下さい。期待しています。ありがとう。」

RNさんは突然ボロボロと涙を流しました。
RNさんは学校を出て2年目、まだ24才のかわいいお嬢さんです。私は笑って会議室を出ました。

「営業のRNさんには面談をやっておきました。指導、ありがとう。」、席に戻って隣りにいるRAさんに言いました。
私の会社の社員は全部で100人ちょっとです。私と全社員が何とか直接会話ができる規模です。

しかし私の指示に対する副社長のRAさんの素早い指導・行動、たいしたものです。
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