16−09−02 萎む製造業
夜は寝室のエアコンを軽く入れて寝ます.設定温度は26℃くらい、ファンはローです。
ここ数日夜中に足下を冷たい風が少し流れる感じがしておりました。無意識のうちに薄い掛け毛布を腹と足の上に置いて寝ていましたが水曜の午後から急にだるくなり、熱っぽくなってしまいました。

アリャ、風邪をひいてしまった、、、。
原因は寝るときのエアコンによるものだというのは大体わかったのですが、何で急に寒く感じるようになったのか、設定温度をよく調べてみると何と23℃になっています。
寝室のエアコンの温度設定は変えた記憶はないのですが、変わっているという事はそういう事なのでしょう。

医者に行くほどの事もないと木曜日は出社せずに日本から持って来た薬と水を飲んで1日中寝ていました。

幸い買い物に行かなくとも冷蔵庫の中には飲み物、少々の食べ物のストックがありましたので気分はすぐれないものの口に入れるものがあったので助かりました。

夕方、夜になっても熱とだるさ、気分の悪さは回復しません。

副社長のRさんが米国製の強烈な解熱鎮痛剤を差し入れしてくれましたが、これはちょっと飲む気がしません。

オハイオにいた時にオハイオ人からもらって飲んだ事があるのと全く同じ薬で、薄水色の細長い大きな薬です。アメリカにいた人なら一度は目にした事があある薬です。
飲みたくないのは効きすぎるからです。そして副作用があるからです。私の場合頭がボーッとなってフラフラした感じになります。

それはともかく木曜日は1日ベッドの中、金曜の朝になりました。
少しは気分はよくなっている感じです。今日は午前中だけでも出勤しないとな〜、、、。
この日はある会社の社長さんと部長さんが来社する事になっており、ドタキャンというのもマズイ、という訳で会社に行ってみました。
1日いないと数十通のメールが溜まっています。メールは開いてみてよく読まないと大切なものか、参考程度の情報なのか表題だけで判断するのは危険です。
メールは90%以上は英語なので、慣れたとは言え日本語のようにすらすらと処理はできません。

幾つかのメールに返信をしていると受付のLさんから電話が掛かってきました。
「AK様がお見えになっております。お飲み物は何がよろしいでしょうか?」
私は大抵飲み物は"水"なのですが、今日はナゼかコーヒーが飲みたくなり、"コーヒ"。

1Fに行くとお二人は商談室で既にお待ちでした。K部長はフィリピンに駐在されていますがS社長は本社の役員でもあり、普段は日本にいて2月に1回くらいの割合でフィリピンの会社に出張してくる、という方です。
AKという会社はメッキ関係の会社で、S社長は雑談の中でいろいろと興味深い話をしてくれました。

・業界は40年前には5000社あったが今は1200社ちょっとになってしまった。そして毎年30社ずつ減っている。減っている、というのは廃業している、ということ。間もなく1000社を切る。

・廃業の理由はいくつかあるが1番目は後継者問題。後を継ぐ人がいない。
2番目は仕事量が激減している。自動車、家電、全部日本から出て行って海外で生産している。日本の仕事量なんて知れている。

・海外へ出て行った会社も難しい、タイは既に過当競争、仕事の取り合い、人の取り合い、エンドレスの価格競争。中国は共産国家、永続的にまっとうなビジネスが継続できるとは到底思えない。

・インドネシアも難しい国である、労働組合が強く、やりにくい。(フィリピンも最近は組合に要注意)

これらの話はどの業種も殆ど同じで、車で言えば完成者組み立てメーカーが海外に出れば1次メーカー、2次メーカーも海外に出て、そして日本の製造業は空洞化していった、という理屈としては単純(?)です。
この結果日本は今どうなっているか、これからどうなるか、答えは単純です。
S社長も東南アジアでのビジネスが長く、そのお話の内容は私の社外の先輩であるSTさん(東南アジアのビジネス25年)から聞いているものと全くと言っていいほど相似していました。

例えばフィリピン人もそうですが東南アジアの人に日本人が何かモノをあげてもお礼の心はないのが普通、むしろもらってやる、くらいの感じになるのはナゼか。

次に社員に会社に長くいてもらうには何をすればいいのか。
答えは"居心地をよくする"、です。全くの当たりまえの事です。
では居心地がいいとはどういう事なのか、S社長とは具体的な中身まで話をする時間はありませんでしたが、STさんによるとある程度の給料を払うのは当然であるが、それ以上に大事なのが会社の中での自分の位置・立場をはっきりさせる事だ、と言います。

自分の上司が誰で、自分はその人だけを見て仕事をすればいい、これが居心地の良さの大きな条件だそうです。
一生懸命やれば給料が上がるかも知れない、自分のポジションが上がるかも知れない、、、これは一般的には会社に長くいる大きな理由にはならないそうです。(例外はありますが)

その後、S社長とK部長とは具体的なビジネスの話をして1時間程で帰っていかれました。
昼食を食べた私は再びグロッキー状態。朝よりずっと悪い感じになってしまいました。

という事でRさんとNさんに事情を言って午後からは再びコンドミアムに帰って薬飲んで爆睡をしました。
フィリピンの風邪はしつこい、、、。
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