16−06−09 やっと1ヶ月
フィリピンに来て1ヶ月が経過しました。こんなに目まぐるしい1ヶ月を過ごしたのは自分の人生の中でも数える程しかありません。
前任者のMTさんから毎日引き継ぎを受けていますがなかなか頭に入っていきません。明らかに記憶力が低下しています。

会社の様子は少しずつですがわかってきました。まず社員ですが非常に優秀です。大きな方針・やり方の指示を与えるとそれを自分なりに考え、さっと実行の提案を持ってきます。
オハイオではこのスピード感はありませんでした。

それと幹部社員の考え方は日本とは全く違う、というより非常にアメリカナイズされています。
例えばVP(副社長)のRAさんの話は非常に論理的で、これでもか、という程ネチっこい。
「私の言う事は黙って聞きなさい」、という雰囲気を感じさせません。

ややこしい事でフィリピン人に指示を出す場合などは、RTさんを通じてやるのがいいという場合が出てきそうです。

私の会社はカメルレーイ(U)という工業団地内にあり、これはPEZA(経済特区)になっています。着任早々にこの地区のPEZAの責任者との面談がありました。

責任者は50才くらいの女性で、まずPEZA内の会社の責任者はこの人の承認がないと業務遂行ができない、というような事をRAさんから言われました。
実際の面談は提出したドキュメントを見ながら2〜3の質問で簡単に終わりました。

私の後にもひとり同じような面談を受けに来ている日本人がおり、その様子を見ることができましたが(オフィスはガラスの仕切りだけなので外から見えるようになっている)、そのオジさんは足を組んで腕を組み、正面を向かないで斜め横を向いて半ば天井を見るような目線でやっていました。
非常に無礼な印象の人で、私はナゼか不愉快な気分になってしまいました。
6月の初旬に会社の会長(日本の親会社の社長)がやってきてその誕生会、それに新工場建設の地鎮祭を行いました。
誕生会は会長が70才になってから行われるようになったようで、全社員参加で同時に前任社長の送別会、それに新任の私の歓迎会も兼ねてやってくれました。

司会は受付のDEさん、会場は工場2階の大会議室、きれいにテーブルを並べて料理を準備し、社員のバンドまで出演という凝りようです。びっくりしました。
実は司会のDEさん、前任者のMTさんに日本語で送別の歌を歌ってくれました。(日本で何度も聞いた事がある曲ですが曲名を知りません)
日本から来た会長は女性社員達に囲まれて終始嬉しそうにしていました。

それと地鎮祭は私にとっては初めての経験でした。建設会社の社長、現場責任者、工業団地の管理会社の役員、PEZEの責任者等を招待、更に社内の主要メンバーも入れてのセレモニーでした。

フィリピンだから神主さんはいないよな、、、でもちゃんといました。但し”神主さん”ではなく、”キリスト教会の神父さん”、でした。

やり方はまず神父さんの先導で工事予定の土地の周りを歩きます。40mX50mくらいの大きさの工場なので歩き甲斐(?)がありました。
炎天下の下ぞろぞろと回ります。神父さん他の主要メンバーには大きな日傘を持った現場作業員がひとりずつ付き添いました。

参加者はテントに戻ってきて座り、ここで神父さんが聖書の一節を読みます。意味は全く分かりませんがかなり長く読みました。
次にスコップで盛り土を穴に入れました。穴には細長い80cm程の密閉できる筒が入っており、これにその日の新聞などを入れました。つまり地鎮祭の日を地面に埋め込む、という意味があるのでしょう。
これが終わってワインによる乾杯、ここまででセレモニーのメインの部分は終わりとなりました。

その後のスピーチは私、この工業団地の地主(管理会社の役員)、それに工事会社の社長の3人によって行われました。
私はこういう公式な場所で英語でスピーチするのは初めてなのでかなり緊張をしました。

そして場所を移して軽く食事。何だかんだで1時間半ほどのセレモニーでした。
社員130名の我が社にも社員食堂があります。オカズは大体2種類、社員はこれとご飯で食事をします。質素に見えますが、社員食堂としては普通のようです。調理をしたり準備をするのにオバちゃんが2人います。

前任のMTさんに言ってみました。
「一度みんなとおなじモノを食べてみたい」
「エッ、ほんとですか?」

12:00になったので食堂に行ってみんなの列に並んでみました。
そした食堂のオバちゃんがすっ飛んできて大騒ぎ。
そのうちVPのRAさんが来て、何か指示をしています。(タガログ語なので意味不明)

食堂のオバちゃんは白い皿の準備を始めたりしています。
「皆と同じプレートで結構です。これで食べたい。」
皆が食べているのは、窪みのついた軍隊で兵隊が使うようなステンレスのプレートです。

ところがRAさん曰く、
「Nさん、あのプレートは止めて下さい、準備したこのお皿で食べて下さい」
RAさんの方を見るとRAさんは自分専用の絵柄の入ったマイ・プレートで食べようとしています。
マイ・プレートを食堂に置いてそれを準備させているようです。

私はRAさんの言われるまま皆とは違う白いお皿で食事をしました。味はマズマズ、ご飯は少ないので今度から2カップかな、、、とか考えていると、
「Nさん、私はここで食べるのは4年間で今回を含めて3回くらいです」、と前任のMTさんが言ってきました。
忙しい時はここで昼食を食べてもいいかな、と思いました。
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