15−12−15 おとこ一人旅
仕事を辞めて2年が経ちました。もう2年も経ったのかという気持と、まだ2年なのかという気分が入り交じった微妙な心境です。

退職してからは時間の制約が実質的にんなくなったのでカミさんと2人で旅を楽しんでいます。
今年は沖縄・久米島に2回、京都、神島、ベトナムに1週間、アメリカ西部・西海岸に3週間などの旅に行ってきました。
それぞれ想い出に残る旅行でした。

実は私が45才までは泊まり掛けの旅行に行ったというのは、家族4人で会社の保養所に1回行っただけ、という程度でした。
旅行というのは私達家族にとっては関係のない世界でしたから、それと比べると今は大きな変化です。

旅行は殆どの場合、カミさんと一緒に行っています。
しかし私は以前から自分ひとりでブラリと自由勝手気ままに行動をする旅に憧れていました。

多分男であれば誰でもそういう旅をしてみたい、と心のどこかに持っていると思います。

私はカミさんにこういう旅をしてみたいと以前から言っておりました。

カミさんの反応は、「行ってらっしゃい」、という事で反対とかはありませんでしたが、ナゼかなかなか実行に移せませんでした。

カミさんと一緒に行く旅の方が忙しくて(?)適当な時期を見つけられなかったのかも知れません。

しかしとうとう10月頃より”ひとり旅”の計画をスタート、 実行に移す事になりました。
行き先は山口・南九州です。

ブラリ旅ではありますが、学生時代のような行き当たりばったりの旅とは違い、基本的な行程・交通機関・宿はきちんと決めておきました。
全行程11泊12日、出発は12月15日、「山口・南九州おとこ一人旅」のスタートです。
行き先は萩、下関、種子島、鹿児島市、鹿屋市、宮崎市、阿蘇市、熊本市の8カ所、それぞれ1泊〜2泊という旅です。

荷物は小型のスーツケースとリュックサック、スーツケースはぎっしりと詰め込んでいるので結構重く15Kgくらいは軽くあります。

これを持って駅の階段をよいしょ、よいしょはキツいので、ホテル間の移動は可能な限り宅急便を使います。宅急便をこういう使い方をすると実に便利です。

世界中にこのようなシステムがあるのは日本だけです。

グローバルスタンダードで考えると受け取り時間指定ができ、しかも荷物が傷んだり破損したりして送られる可能性は殆どないときていますからもう殆どSFの世界です。

新幹線の予約もEX会員とかになっていると安く予約できるし、チケットを窓口で受け取る必要もありません。
ICカードで改札で発行されるのですから。

1日目の萩までは新幹線で新山口まで行き、そこからバスに揺られて2時間弱で東萩駅に到着です。
結局バスの乗客は常時6〜8人でゆったりです。

天気はイマイチでしたが2時間弱、山村の風景を堪能しました。ホテルはバスを降りて徒歩1分のところにある"萩ロイヤルインテリジェントホテル"という名前は何となく高級ホテル。
実はうんとエコにミーナホテル。

14:50にフロントに行ったら"キッ"と言う感じで睨まれ、「あんた、何しに来たの?」、ってオーラ漂うネエチャンが立っています。

私: 「チェックイン御願いできますか?」

ネエチャン: 「16:00までチェックインはできません」
(確かに予約ではそうなっていました)

私: 「ちょっとゆっくりしたいので、もし部屋の掃除が終わっているのなら使いたいのですが」

ネエチャン: 「当ホテルはチェックインは16:00から承っています」
(ピシャ、という感じ)

私: 「そこを何とか、、、」(かなり下手の私、この剣幕にもう殆どオドオドしている)

ネエチャン: 「イエ、申し訳ございません!!!」


アーア、このホテルに2泊かよ、まあ最初にこういうホテルに当たったら後が楽だな、、、と自分を慰めながら萩の街中を散歩してみる事にします。
駅の周り、そしてホテルの周りは人はおろかネコも犬もおりません。
萩ってこんなうら寂しいところだっけ、と思いながらバスで通ってきた中心街の方に行ってみます。

東萩駅から中心地まで約1km、とにかく人がいません。
ショッピングモールでこれからの旅に必要なスニーカーを買って、更にブラブラ歩いて街の構造(観光名所と道路の関係など)を頭の中に入れます。

後でタクシーの運ちゃんに聞いたところ、12月の中旬は完璧な観光シーズン・オフ、飲食店も閉めているところが多いとのことでした。

そういう街中でははありますがそれはそれとして、ひとり旅の私としては知らない街中をブラブラというのはそれなりに楽しいものです。

分かったのは萩の街は一部を除いて主要なところは全部歩いて廻れる事でした。
萩は日本海で獲れた海の幸が揚がるところ、今晩の一杯をやるよさそうな店も見つけました。

ホテルに戻ると先程のネエチャン、ちょっとだけ態度を軟化させており、ピシャッと言われるような雰囲気が消えており、私もほっとしました。
宅急便で送ったスーツケースを受け取り部屋に入ります。

このホテルは部屋にはシャワーしかなく、湯に浸かるには大浴場を使えとあります。早速大浴場へ。

下手すると風邪をひっきそうなくらい緩いお湯の大浴場に入ってさっさと部屋に戻ります。

19:00になったので先程見つけてあった小綺麗な居酒屋へ。熱燗を一杯、やっと「遠くへ来たな〜」、という気分になりました。

予め集めてあった観光地図などを見ながら明日1日の行動スケジュールを検討します。

注文した刺身も天ぷらも上等、これを肴にチビチビやりながらテーブルの上に広げたパンフレット・地図を眺める、あれこれ明日の予定を立てる、、、これもなかなかいいものです。

という訳で"山口・南九州おとこひとり旅"はマズマズのスタートを切りました。
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