15−03−10 デビューならず
私は年間に2000〜2500枚、旅行などが多いときは3000枚を越える年もあります。
今まで使っていたカメラは7年ほど前に買ったもので何度も落としたり、雨に濡れたり砂塵の中をくぐり抜けたり、満身創痍になっていました。
まだ使えないことはないのですが思い切って新しいものを買いました。

買ったのはキャノンのパワーショットG7X、購入先はネットショップで注文した翌々日には品物が届くのですから、便利ですね。
使う前にやる事はユーザーガイドをしっかり読むことです。イヤ〜、驚きました。ユーザーガイドは370ページもあるのです。

私はこういうガイドは全部読まないと気が済まない性なので、書いてある事を実際にカメラで操作しながらやったら丸2日かかりました。

分かったのはこれでもか、と言うほどの機能の多さと性能の良さです。とにかく画質がいい。

一番手を焼いたのはWIFI機能の設定で、これは何だかんだで丸半日くらいかかりました。

付属のマニュアルだけではよくわからないのでキャノンに質問を出し、これの回答を参考にしてやってみました。

しかしカメラとアクセス・ポイントは繋がるのにPCとカメラがどうしても繋がりません。
お茶を飲みながらハタと気が付いたのがセキュリティーソフト、ファイアー・ウオールを外してみたところ見事接続成功。

カメラのIPアドレスを調べてこれをセキュリティー・ソフトに登録、ブロックを回避するように設定して一件落着。
PCとカメラが繋がった途端、カメラ内の写真の転送が自動で開始されこれも気にくわないので設定変更です。

買ってから4日目でやっと一応の機能の理解と各種設定が終わりました。
それにしても今のカメラってスゴいのですね。
日本には明治と昭和に挟まれた、たった15年間しかない大正"という時代がありました。
この時代は日本は3度の戦争(日清、日露、第1次大戦)の戦勝国として、国内的にも国際的にも日本が大きく飛躍をした時代だったそうです。

そんな中でも"大正デモクラシー"と呼ばれる思想・文化が発達し、一般民衆・女性の地位向上、西洋の影響を受けた芸術が拡がり、思想も自由と解放など独特の時代だったそうです。
こういう雰囲気を総称して”大正ロマン”というらしいのですが、我々はそれらを書物とか写真でしか垣間見る事ができません。

私の親戚にその時代に青春を過ごした叔父がおり、私が20代の頃にその時代の事をよく話してくれました。

その叔父は昭和に青春を送った世代の他の叔父とか父とは雰囲気が違っていて、私の父が、「兄貴はやっぱり俺達とは違うな」と言っていたのを思い出します。

その大正ロマンの時代を代表する画描きに"竹久夢二"があり、私は昔からこの人の絵が大好きでした。

竹久夢二の絵を最初に見たのはいつだったか、中学生くらいだったか、それとももっと小さい頃だったと思います。

それは父親の古い本の中に描かれていたのだったか、絵が挟んであったのだったかよく覚えていませんが父親の本をこっそりとパラパラとめくっていた時に出会いました。

実際の絵をとかを初めて見たのは今から7年前にオハイオから日本に出張した時、休日に栃木県日光の"竹久夢二美術館"に行った時でした。

その夢二の作品展が何と三重県のある美術館で行われているという事を知り昨日行ってきました。
その美術館は三重県三重郡菰野町という風光明媚な田舎にあり、名前も"パラメタミュージアム"というけったいな名前の美術館でした。
"パラメタミュージアム"までは車で行けば40分くらいで行けるのですが、この日は電車で行くことにしました。というのは帰りが夕方になるので四日市辺りで一杯やってこようかな、と考えていたからです。

お昼前に家を出て四日市に12時ちょっと過ぎに到着、一旦駅を出て昼食をゆっくりと摂って再度近鉄湯の山線というローカル電車に乗って20分、大羽根園という無人駅を降りて5分ほど行くと畑の真ん中にそれらしき大きな建物がありました。

中に入って入場料1000円を払います。日光の"夢二美術館"でも500円くらいだったと記憶していますが、ここはエライ高いな、、、と思いつつ中へ。

1階は常設展示場になており、三重県出身の芸術家の作品があります。

竹久夢二の作品展は2階の2つの部屋を使ってありました。部屋の中は撮影禁止になっており、オバサン2人が中を見張っています。
日光の夢二美術館は撮影は自由だったのに何で?と思いましたが、仕方ありません。

でもこっそりと撮ってみましたら、数枚撮ったところでこのオバサンに見つかってしまい、オバサンがすっ飛んできました。

まるで極悪非道な凶悪犯を見るような目つきで、「ここは撮影はご遠慮願っております!」、と早口で言われました。

作品は極めて限られていましたが、日光の美術館ではあまりなかった夢二が亡くなる2年前にアメリカ・ヨーロッパへ行った時に描いたスケッチなどの作品が割と多く展示してありました。

このスケッチに描かれてる西洋人女性はカールした髪の毛、ぱっちりとした大きな目、スラリとした長い足などがあの独特の"夢二式美人"として表現されており、なかなか素晴らしいものでした。

これらの作品はどこから借りてきたものなのかわかりませんが、肉筆画の約130点の中で50点がこの欧米旅行時の作品なのでかなり目立ちました。
あとは夢二と言えば"婦人グラフ"も有名で、その挿絵・表紙の木版画、それにセノオ楽譜の表紙画等の展示がありました。
約2時間ほどかけて1点ずつ鑑賞をし終え、その後入り口横にあるショップで作品の複製を買おうとしましたがいいものがなく、夢二の生涯と作品について解説された画集を買いました。

ここで解りました、この"パラメタミュージアム"で写真撮影が禁止されている訳が。もし写真撮影を自由に許したらこういう本はあまり売れないのではないか、
事実私も自分で撮影する代わりにこの1700円もする作品集を買ったのですから。

写真撮影を禁止にしておけばこういう作品集の売れ行きがよくなる、、、こりゃ考えすぎかな。

でもこの"パラメタミュージアム"の素性を考えると案外当たっているかも。
では誰がこの美術館を作ったのか。

パラメタミュージアムというのはイオン社長(会長だったかな)の岡田元也の姉が理事をやっている"岡田文化財団"が運営をしているのです。

金儲けの天才、岡田一族。
ですから理事長は今の民主党の岡田某の姉でもあります。

これを知った時は、こういう輩の一族がやっている美術館なんか行きたくないな〜と思ったのですが、夢二の作品を見たさにやむを得ず、、、という信念のない行動になってしまった、という次第でした。

それはともかく、この日は夢二の欧米旅行時に描いた作品を多く見る事ができハッピーな1日でした。
竹久夢二と大正ロマン、本当にどんな時代だったのか益々興味が湧いてきます。
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