15−01−05 正月気分
あっという間に三が日も終わり、そろそろ正月気分を抜いていかなくてはならないと思っていますがなかなかできません。

2日の朝は06:00に起床、2015年のジョギング始めをやりました。会社のOBで先輩のYMさんと元日の午後にSKYPEで話しをしたところYMさんは早朝にウオーキングをやっているとのこと。
それじゃ同じ頃に私もジョギングをやってみるか〜、という事でYMさんに刺激されて休日のみしかやらない早朝ジョギングをやったのでした。

元旦の夜から降り出した雪は5cm程積もりましたが、道路は一部を除き雪は解けていたので殆ど問題なく走ることができました。

さすがに正月2日の朝、人はいないし車は殆ど走っていません。気温は0℃に近いのですが寒さはナゼか全く感じません。

というよりむしろピリッとした空気の気持ち良さが全身から伝わってきて実に爽やかでした。

この日のジョギングには初めてアマチュア無線用の小型トランシーバーを持ってYMさんと交信をしながら私のマンション前にあるファミレス横でYMさんと待ちあわせをしてゴール。

翌日はそのファミレスで朝食を食べようと約束をして"走り初め"のこの日は別れました。

翌3日も同じく06:30に出発07:40頃にゴール、待っていたYMさんとファミレスに入って2人で530円の朝定食を食べながら新年のミーティングをやりました。

YMさんは私の住まいから3km程離れたところに住んでいる多彩な趣味の持ち主の先輩で、アマチュア無線もその中のひとつです。

子どもは私と同じく娘2人、下の娘さんは養子を迎えており同居です。
YMさんは現役時代に家を3軒建てて、今住んでいる家以外の2軒は借家にしています。

更にアパートを2軒・20室くらい持っており、昨年は大きな倉庫を買って市内のあちこちの会社に貸しています。
また今の家の敷地は300坪くらいあるので一部を貸駐車場にしています。元会社員とは思えない才覚の持ち主です。

ま、それはともかく、YMさんに刺激されて休日のみにしていた早朝ジョギングの回数が増えそうです。

暮れの26日に埼玉に住む先輩のSTさんが避寒のためにタイ・バンコックに出発されました。
但しダイレクトで行くのではなく、2週間ほど台湾・台北近郊にある奥さんの親戚の家に滞在してから行くそうです。

STさんからのメールによると暖房がなくて台湾は寒くて寒くて仕方がない、早くバンコックに行きたいとありました。
調べてみると台北の最高温度で20℃ちょっとで最低温度は15℃程度、南方生活数十年のSTさんにとって暖房なしでは耐えられない気温のようです。

奥様は1年振りの親戚付き合いで忙しく、STさんは誰にも邪魔されずにビール片手に読書三昧の毎日を送ってみえるようでした。
今年も私達はバンコックに行ってみようと思っているのですが今年の春節は2月19日と例年より遅いのが気になります。

春節の前後は飛行機代が高くなるので行くとなると3月になります。
そして3月は中旬以降になるとそろそろ気温が上がる時期になるので頃なので、どういうスケジュールにするか思案中です。

ま、それはともかく私もこの年末年始はSTさんと同じく、何冊かの本を読んでみましたのでその中の3冊についての寸評を書いてみました。


1. 海外とは日本人にとって何か: 城山三郎(文藝春秋) ★★★★☆

この本は私の本棚に眠っていた古い1冊で、35年前の出版である。
内容は中近東、ヨーロッパ、北米で大変な苦労をしながら仕事をしているビジネスマン達の生の姿を描いたものである。

取材は1977年〜78年に行われており、内容としては古すぎてピンと来ないいに違いないと思って読み始めたが、予想は見事に外れた。
書かれている海外勤務の日本人の苦労は、昔も今も本質的に何も変わっていないのである。

私は自信を持って言える。
言葉・文化が違えば”あうん”の呼吸なんて有り得ない。どうやって考え方・意志を伝えるか、どうやって人々と信頼関係を築くか、
この苦労は今も昔も同じだと思う。
卓越した観察力・洞察力、そして経済・ビジネスの世界について広くて深い知識をバックにもつ超一流の経済小説家の城山三郎。

この本を読んでいるうちに書いてある事と私が直接的・間接的に経験したことをいつの間にか重ね合わせてしまい、その状況が目の前に現れたような錯覚に陥ってしまった。

取材だけで人の気持ちの内側をここまで正確に書ける小説家はそんなに多くはない。最初から終わりまで一気に読み切ってしまった。
久し振りの★★★★の1冊である。

2. 望郷のとき: 城山三郎(文春文庫) ★★★☆☆

"海外とは日本人にとって何か"、この本の中に紹介されていたので早速取り寄せて読んでみた。
前半は伊達政宗のヨーロッパ使節支倉常長に随行した仙台藩士の運命・末路についての歴史小説である。

慶長遣欧使節団として仙台藩を出た日本人は約150人以上いたが実際に欧州にたどり着いたのは約20名、残りの100名以上はメキシコの土となっている。
これらの仙台藩士達がどのような末路を辿ったか、その部分は小説として書かれている。
祖国に残した家族を思いつつ異国の地に果てた人達の無念さはいかほどのものだったか。

後半はこれらの日本人達の末裔についての城山三郎の調査紀行である。
私はメキシコに何度も行ったが、メキシコの歴史をちょっと探ると実に悲しい。スペインに征服されたインディオ達、知れば知るほど征服者である白人(スペイン人)の残虐さ、狡猾さ、執拗さがわかってくる。

そのような国で仙台藩士達はどうなっていったか、残された少ない資料と明治以降に移住した日系メキシコ人を通じての調査。
そしてこれらのメキシコに同化して生きてきた日本人達の生き様を見て400年前の仙台藩士達の末路を洞察する、、、。
実に興味深い歴史ノンフィクション小説である。

3. 中国、敗れたり: 日高義樹(PHP) ★★★☆☆

12月初旬に出版された日高義樹氏の最新著書である。
中国がなぜここまでがむしゃらに世界の秩序を破って日本を含むアジアの支配を狙っているか、この本を読むとよくわかる。

なぜアメリカが中国の軍事力を背景とした行動ができる隙を作ってしまったのか、理由・原因などについて日本のマスコミは殆ど伝えていないが、この本は実にわかりやすくそれらを教えてくれる。

アメリカの弱体化、中国の台頭によるアジアの緊張、中東における宗教対立・泥沼化、ヨーロッパでの力の均衡の瓦解、、、では日本はどうすればいいのか、著者の結論は一貫して変わっていない。

日本の評論家、学者の国際情勢に関する著書などは半分イデオロギーの主張みたいなものばかりで読むに値しないものが多いが、著者の人脈と取材力によって書かれた本書は読み応えがある。

ただこの人の本は時々数字に大きな間違いがあるのは困ったものである。(例えば”マラッカ海峡の通過船数6万隻/”という記述は”約10万隻程度/”が正しい)

テレビなどに出てくる日本の政治評論家などは日高氏の著書を結構ネタにしており、一読しておくとよくわかって面白い。
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