４日目

１４－１０－１２　４日目

グランドサークルの旅も４日目を迎えました。
朝はレストランの橫にあるデッキからモニュメントバレーに昇ってくる朝日を見て部屋で朝食を摂り、０８：００にバスは出発しました。

昨夜はコウルディングス・ロッジのレストランででっかいステーキを頂きました。ここはタコスが有名で素朴な味という事で観光案内書にも出ており、私達は前に来た時に食べました。

まあ何と言いますか、もう一度食べたいな～、という気にさせるほどのものではなかった、というのが正直な感想です。
周りを見ると皆さんこのタコスを食べてみえましたけど。

モニュメントバレーを出て本日最初の目的地はパウエル湖のホースシュー・ベントとの観光です。
パウエル湖というのはダムを作るためにできた湖で、巨大な人造湖です。

この南端にページという町があってここは今はリゾートの町になっていますが、かつてはダム工事の労働者が集まった町です。

労働者は様々な宗派の人がいたため、それぞれの宗派の教会が２０以上建っているチャーチ・ストリートというのがありました。

バスを降りて、かなり足場の悪い中を１ｋｍ以上歩きます。するともの凄い崖っぷちの下にU字型に曲がった川が見ます。これはコロラド川の一部だそうです。

ここも当然ですが柵も何もありません。
崖に近づきすぎてちょっとでも足を滑らせばそれで一巻の終わりです。
落ちたら死ぬしかありません。

パウエル湖は私が最も好きなSF映画のひとつである"猿の惑星"の第一作で、宇宙船が不時着をするシーンの撮影に使われた湖でもあります。

ところでここに来るまでにかなり大きな風力発電のファームを見掛けました。
アメリカもこういう再生可能エネルギーによる発電にかなり取り組んでいるようです。

しかもその規模は私が見たものは全てド肝を抜かれる規模のものばかりでした。

カルフォルニアのＳＦからヨセミテに行く途中の峠で見たファーム、恐らく５００基以上はあったと思います。

インディアナポリスからシカゴに行く途中のＩ－６５の東側にあるファーム、これも一体何期あるのか見当もつきませんでした。

それに今回の旅行でカナダ・オンタリオの４０１号線沿いで見たファーム、これは凄かった。時速１２０ｋｍで走っていて２０～２５分間くらいあの巨大な風車が途切れることなく続いていました。

原発を停めて、ボロボロになっている火力発電所の電気に頼っている日本、風力発電等は遅々として進まない日本、本当に大丈夫なんですかね～。

パウエル湖の観光を終えて、ページの街に入ります。
ここからアンティロップ・キャニオンの観光に向かいます。

アンティロップ・キャニオンは７年前の旅行の時も強烈な印象が残っている場所です。その理由は２つあります。
一つはもちろんあのキャニオンの中の様子です。キャニオンの中に入って来る光によって照らし出される内部は、息を呑むとはこの事だと思いました。

もうひとつはキャニオン行くのは必ず案内人が必要で、個人で行くことはできません。

ページの街から２０分くらいトラックに乗せられてキャニオンに行くのですが、この時の運転が信じられないくらいに荒っぽかった事です。

はっきり言って命の危険を感じた程でした。私は旅行が終わってからこの件は旅行会社にクレームをつけておいたくらいでした。

今回は拍子抜けするくらいにスムーズに行けました。

理由はこの付近は１～２週に雨が降って砂漠の凸凹が少しなくなったからだと、堀ちえみ嬢が後で言っていました。間

ここはキャニオンの中が非常に狭いにもかかわらず超人気のため、人数を押し込めるのでじっくり観光できないという不満が出ていました。

そこで来年からは１回で入れる人数制限をやる事になって、今でも予約が３ヶ月とか６ヶ月前しかとれないのが、もっと難しくなるという話しでした。

確かに今回も白人の大グループが中でいつまでもウロウロして非常に邪魔でした。

ここの観光はキャニオンに差し込む光の加減から、季節は６月を中心に±２ヶ月間、時刻は正午を中心とした±１時間が最も適しています。

しかし１０月でもまた正午付近はベストに近い状態で観光できるので、まだまだ超人気の季節になっているそうです。

今回の観光で参ったのはキャニオンの上からさらさらと雨のように降り注ぐ大量の砂でした。
この日はかなりの風が吹いており、その風が巻き上げた砂がキャニオンの上の隙間から入ってくるために起きているのでした。

この大粒の砂のお陰で服も何もかも砂だらけ、そして一番困ったのはカメラの故障で、相当数の人がスイッチを入れてもレンズが出てこない、あるいはスイッチを切ってもレンズが格納しない、という症状に見舞われました。

今回のアンティロップキャニオンの観光も前と同じく強烈な印象を２つ残してくれました。
一つはもちろん、キャニオンの中の幻想的とも言える光景、もう一つはこの砂の雨です。

でもサンノゼから見えていたご夫婦はちゃんとマスクを準備しており、これを私達にもプレゼントしてくれましたので大いに助かりました。ありがとうございました。

アンティロップ・キャニオンの観光を終えてページの街に戻り、スーパーで昼食を買い込みバスは出発、ここから２時間半をかけてグランドキャニオンに向かいます。

途中で大きな土産物屋に立ち寄ったので、ここで私もお土産をふたつ買いました。
一つは先住民の砂絵、これはモニュメント・バレーでも一つ買ったのですが、良いデザインのものを見つけたからです。

そしてもう一つのお土産はカルロス・ナカイのネイティブ・アメリカン・フルートのCDです。
ナカイというのは日本語の中井ではなく、れっきとしたネイティブ・アメリカンの名字です。

堀ちえみ嬢は私がCDを買うのを見て、「このフルート、本当にいいのよね～、、、」、と言っていましたから彼女も私と同じイメージを持っているのでしょうか。

私はこのフルートを聞いて目を閉じると、このアメリカ西部の広大な風景が蘇り、そしてそこを吹く風のようなものを感じるのです。

砂絵とカルロス・ナカイのＣＤ、これでグランド－サークルの土産は決まりです♪
もしもう一度グランドサークルを観光する事があったら、やはり砂絵とCDを買うと思います。

さてグランドキャニオンには少し太陽が西に傾き始めた夕方に到着しました。
ここはあまりにも有名で、この雄大な風景は今回のグランドサークルのツアーの最後を飾るクライマックスに最もふさわしい場所かも知れません。

グランドキャニオン観光ははラスベガスから日帰りのコースとかもありますが、ここは夕日に映える渓谷、そして朝日に映える渓谷を見なくては来た意味がないと言われます。

昼間に見る渓谷は単色が強調されるので、極端に言うとのっぺりとした壁に見えてしまうからです。

そんな訳で宿泊するロッジに行く前に我々は日没に映えるグランドキャニオンを見るべくじっと崖の橫で待ちました。

そして３０分後、真っ赤に染まってそして静かに暗くなっていく壮大なグランドキャニオンを見る事ができました。

この時にツアー参加の女性１人参加組の中の２人と一緒にいたのですが、このうちの一人が何と鈴鹿出身である事がわかりました。
そして妹さん夫婦が私達の住まいから恐らく２ｋｍくらいしか離れていないところにいる事もわかり、その偶然にびっくりしました。

日中は１７～８℃あった気温も太陽が沈むとグングンと下がります。半袖の上に薄いジャンバー１枚では段々寒くなってきました。
７時前、殆ど真っ暗になってロッジに到着、４日目の観光は終わりました。

頭の上には何年ぶりかで見る天の川が見事に流れていました。