14−10−11 3日目
旅も3日目になるとメンバー間も親しみが出てきてお互いにいろいろと話しもするようになり、雰囲気はよくなってきます。

昨夜はモアブというちょっとした町の真ん中にあるホテルに泊まりました。モアブはアーチーズ国立公園、その他数十キロの範囲に多くの国立公園があって、多くの観光客が宿泊します。

夕食は前に来た時も入った、ホテルの中華レストランに入りました。
9人でテーブルを囲んでワイワイ、こういうのも楽しいですね。

アメリカ西部はどんな小さな町に行っても中華料理屋があります。
アメリカは19世紀に大陸横断鉄道を敷いたとき中国人苦力を大量に使いました。

その中国人があちこちに住み着いて中華料理屋を始めた、というのが理由の一つだそうです。

私は中華はピリッと辛いのが好きなので、メニューを見て☆印とかが付いている料理を頼みます。

四川、北京、広東、上海の4つが中華料理の代表だそうですが、そんな講釈は気にしません。
要はピリッとすればOKです。
アメリカン・チャイニーズは時々砂糖がどっさり入った甘〜い、甘〜い中華があるので要注意です。

堀ちえみ嬢も一緒に食べたのですが、ちえみ嬢だけ何か特別メニューです。

理由を聞くと彼女、ベジタリアンなのでお店にこういう料理を作ってくれ、と頼んであって黙っていてもそれが出てくるようになっているとか。

夕食の後、スーパーに行って朝食を買いましたので、今朝はそれを食べました。
出発は08:00、でも一組の若い夫婦が10分ほど遅れてきました。

皆の冷ややかな目線の中のバスに乗り込んできても"スミマセン"の一言がある訳でもなく、平気の平左。
そういう人なのですね、この"お2人"は。

さて本日の最初の目的地は昨日行ったアーチーズ国立公園で、デリケート・アーチ以外のアーチの観光です。

よくも自然がこういう形の岩を作ったものだと感心するばかりです。
どのようなメカニズムでできたのか、説明を2回ほど聞きましたがよく覚えていません。

この公園自体が超広域で超分厚い岩塩層の上にあり、それがいろいろと変化してこうなった、くらいしか覚えていません。

JTBのコース等他のツアーでは昨日のデリケート・アーチには行かないそうで、この付近をハイキングするだけだそうです。

確かに昨日のハイキングと比較すると鼻歌交じりで雑談をしなが歩けます。
みんな無言で"よいしょ、よいしょ"と2.5kmも歩いた(上った)ハイキングとは比較になりません。

アメリカのこういう観光地に来て思うのは、どこに行っても柵とか注意を促す看板などが一切ないことです。

昨日のデリケート・アーチも今日のダブル・アーチも足を踏み外せば100m以上の谷底に転落、救助のしようもありません。

不注意によって転落する人がいるのは仕方がない、それよりも自然を自然のまま観光できるようにしておく方が大事、こういう事のようです。
この日はホテルを出発して公園内に入った頃、「トイレに行きたい」、という人がいました。
公園の広さは20kmX15kmとかなりコンパクトですが、公園内にトイレはありません。
駐車場にもありません。

あるのは入り口のビジターセンターの中だけです。
どうしても我慢できなければ岩陰はいくらでもありますから、堀ちえみ嬢、「我慢できますよね?帰りにビジターセンターに寄っていきますからそれまで待って下さ〜い」、で済ませちゃいます。

トイレは添乗員・ガイドさんが、「はい、ここで済ませて下さい」、と言った場合は一滴でも放出しておくのがこういうバスツアーでの基本です。

特に朝は離尿作用の大きなコーヒーなどを飲む事が多いので、結構早めにトイレに行きたくなっちゃいますので要注意です。

アメリカは随分あちこち旅行をしましたが、ヨーロッパのようにトイレで困った事はありません。でもグループツアーでは別です。

アーチーズ国立公園を後ににして、いよいよモニュメント・バレーに向かいます。
西部劇ファンの私にとってグランド・ティートンのあの山並みと、このモニュメントバレーは観光必須の場所であります。

<モニュメントバレー=ジョン・フォード=ジョン・ウエイン>という単純な公式が私の頭の中には出来上がっています。

私はオハイオ駐在14年間を終えるとき日本人駐在員から何か記念品を、と言われた時もモニュメント・バレーの"手袋岩"の絵をプレゼントしてもらったくらいにここが好きなのです。
モニュメントバレーまではバスで休憩を入れてたっぷりと2時間半、200km以上の距離です。

モニュメントバレーはユタ州とアリゾナ州に跨がっているナバホ居留地にあり、その面積は東北6県と同じ面積があるそうです。
今日はモニュメントバレーを見学し、中のホテルに泊まります。

但し、、、ナバホ居留地の中は禁酒になっているので、堀ちえみ嬢の"ご指導"により私は昨夜泊まったモアブのスーパーでビールを買い込みました。

モニュメントバレーに入ってしばらく、例のフォレストガンプ/一期一会のシーンでも有名になったビュートに向かって直ぐに伸びる道路脇にバスを停めてしばし感激に浸ります。

ビュートとはあの地面から生えてきたような独特の岩山の事です。

結構な数の車が相当なスピードで行き交うので、写真を撮るのものんびりという具合にはいきませんでした。

コウルディングス・ロッジに到着、前に泊まった時は奥の棟だったのですが、今回は平原の向こうにビュートが見える絶景の眺めです。

早速トラックでツアーに出発です。。

モニュメント・バレーと言えば手袋岩(ミトンズ・ビュート)、日本人でもこれの写真などを見た事のない人は珍しいというくらいに有名なビュートです。

このビューをベストポジションで見えるところに何と新しいホテルが建っていました。

その名も"ザ・ビューホテル"。えらい人気で団体客は受け付けないという強気の商売をやっているそうです。

モニュメントバレー内のホテルは今まで唯一コウルディングス・ロッジだけでしたが、これで2軒になった訳です。
でもコウルディングス・ロッジはジョンフォード監督、ジョンウエインがいつも泊まったという老舗なので、有名ではあります。

ここまでは割と平坦な道を走ってきましたがここからは下り坂の中、道無き道を猛烈に揺れるトラックの荷台に乗って谷に下りていきます。

手袋岩のを通って行く時に、映画"駅馬車"のシーンを思い出します。猛烈なスピードでインディアンの追撃から逃げようとする駅馬車、御者のからライフルを撃つジョンウエイン。

帰ったらもう一度”駅馬車”のDVDを観なくっちゃ。

この観光はトラックが巻き上げる砂で目も開けていられないくらいになるので、目を完全に覆うメガネというかゴーグルを持ってくるといいかも知れません。

それとカメラはビニールの袋に入れて持ち、撮影の時だけそこから取り出してまた包む、というようにしないと間違いなく故障します。
これは前日に幌ちえみ嬢から教えられ、みんなホテルのヘアー・キャップを持ってきて、それに包んでいました。

ジョン・フォードポイントには例の赤い服を着て馬に乗ったオジサン、、、ではなく今回は若者がいました。5ドルで一緒に写真を撮らせてくれます。

この付近の砂地の大地のあちこちにはナバホ族の住屋がポツンポツンとあります。
未だに集落から離れてこうやって住んでいるナバホ族がいるのです。驚きました。

彼らの顔の中には日本人と言っても通用するような顔の人を見掛けます。
遠い昔の先祖は同じであるという説を裏付けているのでしょう。何か親しみを感じました。

トラックによるビュートエリアの観光は日没寸前に終わりました。
真っ赤に染まった大地は何とも言えない美しさでした。

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