14−03−07 シンガポールにて |
シンガポールは不思議な国です。 |
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シンガポール・チャンギ空港は立派な大きな空港です。成田空港みたいにゴチャゴチャ、チマチマしていません。 空港からホテルまではタクシーで行きます。 タクシー乗り場は一列に並んで次々と来るタクシーに順番に乗り込んでいきます。乗り込む順番を捌いているオジサンは何かを一生懸命に叫んでいますが、英語がひどくナマっていてよくわかりません。 でも関係ありません、どれに乗ればいいのか見ればわかりますから。 ホテルの場所はシンガポールの中心街の更にど真ん中、KSさんのメールによると、「銀座と六本木と歌舞伎町を集めてミニミニにしたところ、と考えて下さい」、とありました。 KSさんが"歌舞伎町"というにはそれなりにいろいろとあるのかしらん、と想像をしているうちに午後6時前、ホテル到着です。 夕食をどうするか、どこかに行って食べてもいいのですが、何だか面倒になったのでラウンジのディナー・バイキングを頂きました。 バイキングの品数は多くはありませんでしたが、鮨もありワインもかなり飲んで満足でした。 翌日は1日観光。私は外国に行くと、いわゆる観光地もひととおり回ります。 しかし興味のあるのはその国の人々の生活、暮らしです。 それと観光に来ている人達(日本人、日本人以外)がどんな行動をしているか、これを観察するのも好きです。 ![]() 例えば欧米人はあまりグループツアーというのは見掛けません。彼等は自分で地図を持って個人で目的地に行って、観光をします。(もちろん例外はあります) シンガポールも観光用の巡回バスがあり、観光名所を殆ど廻って1日乗り放題で12ドル(約1000円)です。このバスを何台も見ましたが乗っているのは殆どが白人でした。 この時期目立ったのが日本人学生の卒業旅行、キャーキャーと5人〜15人くらいのグループではしゃいでいるのが目立ちます。 でも一番ウルサイのは中国人の団体さんです。私は中国人の団体さんが来るとよけるか、やり過ごして近づかないようにしています。 市内観光はイギリスの植民地時代の建物・施設巡り、それにチャイナタウン巡りが中心になります。 それぞれさらっと巡るだけなので、私にとってはもの足りません。でも効率よくたくさんの場所を巡ります。 街がどうなっているのか、名所がどういう位置関係に何があるのかなどを把握するのはこういうツアー便利です。 現在、日本ではシンガポールはマリーナ・ベイ・サンズが有名になっています。(私はこちらに来るまで知らなかった) 私達も行ってみましたが、これだったらシンガポール以外どこか他に来ても同じだな〜、と思いました。 確かに施設は巨大なリゾートです。 でもそれだけです。 ショーとギャンブルであればラスベガスの比ではないし、ショッピングでいけばドバイの比ではありませんし、しいて言えばコンパクトに何でも揃っている便利な人工の楽園リゾート、とでも言うべきでしょうか。 私的にはこういう場所に泊まって時間とお金を使う気にはなれません。KSさんも同じ意見でした。 とはいうものの一度は行っておいてもいいとは思います。 私はこういう場所より、チャイナタウンの路地裏の方がずっとずっと面白いし興味がありますね〜。 |
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KSさんとは2日目の夜に食事をしました。KSさんはある総合工作機メーカーに勤務されており、今回東アジアの総責任者にプロモートされ、随分成果も上げてみえるようでした。 彼はアトランタに2回の駐在、私と同じく合計14年間住んでいましたのでアメリカについても精通しています。シンガポーリアン気質についていろいろと伺いましたが、腹を抱えて笑いながらの食事と液体燃料注入でした。 KSさんは赴任当初、みんなに仁義を切るために食事会を計画したそうです。費用は笠松さんのポケットマネーだったそうです。 「私は参加しませんから、その分をお金で私に下さい」 と何人もから言われたそうです。 ものを大切にしないのは超一流でアメリカ人を凌ぐだとか、海外では社長でも細かいところまで目を配らないといけないのはどこも同じのようでした。 またシンガポールではチューンガムは売っていません。中華系の連中がチューンガムを噛んだら何が起きるか、これをパッと答えることができる人は”彼等を理解している”、と言ってもいい資格のある人です。 ![]() それで、会社のシンガポーリアンを日本に連れていくと、コンビニかどこかでチューンガムをどっさり買っていくそうです。 シンガポールへのお土産はチューインガムで決まりかな。 しかし南国で飲む酒は何でこんなに気持ちよく酔えるのだろう。2人で日本酒を相当飲んだと思いますが、翌日はすっきり。 シンガポールは国土の面積が琵琶湖と同じ大きさで人口は500万人、人口密度は実に7000人/平方キロです。 国民の70%以上は国が建てた公営住宅に住んでいます。 公営住宅にはクーラーがないのが普通で風呂もありません。(シャワーのみ) この国は赤道直下(北緯1度!)です。 仕事が終わって自宅に帰ってシャワーを浴びて部屋にはクーラーがないので寝るまで外で涼む。 とにかく寝るまで汗が噴き出ないようにしないとまたシャワーを浴びなくてはなりません。 庶民の生活は大変なんです、と観光案内をやってくれたマックさんは何度も言っていました。 シンガポールは水もマレーシアから輸入しています。4本の巨大なパイプで引いているそうです。 電気も100%輸入、第1次産業はゼロですから食料も100%輸入、政府が強力でなければこういう国は生きていけないのはよくわかります。 KSさんによるとシンガポールはズバリ独裁国家、民主主義を無視して経済発展をさせた国で、これによって東南アジアの国々の中ではずば抜けて豊かな国になった、という事だそうです。 ![]() これを ”明るい北朝鮮” と言うようですが北朝鮮との違いは、独裁者がまともで優秀であるということでしょうか。 シンガポールの物価は高く、日本と変わらないような気がしました。一般のマンションも中心部に近いところで2BRで5000万円〜します。 実は公営住宅も持ち家で2000万円以上するらしいのですが、実際は100年リースという形になっており、負担は大きくないようです。 この国に住む500万人の人はどんな仕事して、どんな生活をしているのか、たった3泊4日の観光旅行ではわかる訳がありません。ますます疑問が湧いてきました。 言えるのは定年後の移住先にしては物価があまりにも高すぎる、長(中)期滞在先としても向かない、タイに比較するとシンガポーリアンは全く愛想がない、等が今回の率直な感想です。 まあこの国はKSさんのように目をギラギラさせて仕事をするところ、そしてミーハーの観光で数日滞在するところ、でしょうか。 あっ、STさんの意見を聞くのを忘れました。私と同じかな? 旅行日記:シンガポールはこちらです。 |
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