14−01−15 懸賞バス旅行

私とカミさんはクジ運は強くありません。いろいろな懸賞に応募したり、歳末売り出しの抽選会でくジを引いたりしますが、当たった試しがありません。
ですから当然宝くじで1億円が当たった事もありません。

ところが年末にある大きなチェーン店の"感謝祭旅行"に応募したところ、懸賞旅行に当たったのです。
旅行は南木曽方面の1日バス・ツアー、ひとりは無料で2人目は6000円払えば参加OKというものでした。

無料のバス・ツアーで小牧にあるジュエリーショップに寄っていく、というのが気になったのですが妻籠宿の散策(この寒いのに!)もあるし、昼食も大きなホテルで頂けるというし、ひとり無料なので実質3000円で行けるし、という訳で参加してみる事にしました。

出発当日の集合は06:40に近鉄四日市駅前に集合。集合時間になっても来なかった2名を3分だけ待って、40名で出発です。
40名の内訳は男11人、女29人でその中で夫婦は7〜8組であとは男・女ともひとりでの参加、全員50才以上、半分は間違いなく60才以上というメンバーです。

そりゃそうだよな、、、平日にバス旅行に参加できるのは女と退職者くらいなものだもんな、、、と思いつつ小牧市にある、"Be−NAS(ビーナス)"という怪しいジュエリーショップに到着。

実は、、、この懸賞バス旅行はここBe−NASでのジュエリー販売が主な目的で、このショップでは実に90分(!)という長時間が割かれているかなり胡散臭いバス旅行なのであります。

この業界トップのメーカーショップだと言われても今まで一度もこんな名前聞いたことがないし、そこの直販ショップである、なんて事を言われても信用する気にもなれません。

ゾロゾロと40名のネギをしょったカモが建物に入ると先ずショールームでジュエリーを見せられて宣伝をされます。
ウーン、センスないデザインです。次に大きな部屋に入れられてドアーを閉められ、延々と商品の説明を聞かされます。

話を聞くとどうもここのウリは人工炭素石のネックレスのようで、実はジュエリーとは名ばかりで健康増進ネックレスを売るショップなのです。
説明の後はジュエリーの展示室に連れていかれテーブルに座ると販売員のオバサンが寄って来てこの炭素石のネックレスのしつこい売り込みが開始されるという仕組みです。

ネックレスはいずれも10万円〜100万円以上、平均的には50万円くらいですかね〜。

私もこの人工石のネックレスをクビに巻かれ、「15分もすれば血行がよくなってポカポカとします。」、とか言われて売り込みの攻勢に晒されました。

私は端から買う気はありませんので、フムフムと興味深く買いそうな素振りを見せながらオバサンの話を聞いて、最後に、

「イヤ〜、説明ありがとうございました。でも私はお金がないんです。
会社を辞め、年金も65才まではスズメの涙の半分くらい、とてもじゃないがムリです。こんなの買うのは。」
で切り上げました。

私はこういう類の商売の裏をナゼか少しだけ知っています。
例えば開運の印鑑、3万円とか5万円とかで売られていますが、あれの原価は大体300円から1000円くらいです。高くても2000円以上はまずないと考えていいと思います。
こういうものはそういうものなのです。”自分の気持ちを自分のお金で買わせる”商売なのです。

ところでこのジュエリーショップで何か買った人はいるか?やっぱりいるのですね〜。数人はいたと思います。
この実に怪しげなジュエリーショップを後にバスは南木曽に向かって走ります。お天気は曇り空、中央高速に乗って中津川ICで降ります。天気さえ良ければなかなかの景色のところです。

バスの席は後方の前後がゆったりしたシートのところを指定してもらったので大いにくつろげます。
11時半頃にホテル木曽路に到着、なかなか大きな立派なホテルです。ここで昼食を頂きます。

バイキング形式で、品揃えはまあまあかな。地ビールが小さなコップでサービスされていましたが、この量では生殺しになるので、別料金でグラスビールを注文しました。

オハイオから帰ってきて朝食以外をバイキングで食べるのはほとんどありませんが、こうやって眺めると日本人はアメリカ人と決定的にバイキングの食べ方が違うのがよくわかります。

日本人は食べたいもの全部を1回で2つとか3つの皿によそってテーブルに持ってくる人が多い傾向があります。
ですからテーブルの上には山盛りの皿が幾つも並びます。
アメリカでアメリカ人の食べ方を見ていると、大体2〜3回に分けてお皿に盛ってテーブルに持ってきます。

結局は同じじゃない?と思うかも知れませんが、日本人の食べ方だとどうしても食べ残しが出やすいような感じです。でもこの違いってなかなか虚無深いですね。
違いの理由をまじめに一生懸命に考察・研究するのは面白かも知れません。

食事後はここの温泉に入る人、一服する人、様々ですが私達はホテル裏の木曽馬牧場に行ってみました。

誰もいないな〜、と思っていると他に夫婦連れがいて、馬にニンジンを食べさせていました。
馬ってよくみるとカワイイ目をしていますね。

ホテルに戻る途中バスの運転手さんが外にいたので話をしたら鈴鹿の人で、何と私の毎日のジョ ギングで家の横を通っている事がわかりびっくりでした。
ホテルの次は大きな土産物屋に寄って、ここでアイスクリームをもらってお買い物。特に欲しいものはありませんでしたが、皆さんと一緒に店の中をブラブラとしました。

日本の観光地のお土産屋さんの販売品目の80%は”食い物”である、という事があらためてわかりました。
饅頭、煎餅、漬け物、佃煮、蕎麦、酒、焼酎、日本の土産物屋からこれらを除けば一体何が残るのでしょうか。

私は世界中あちこちの観光地に行きましたが、土産物屋の販売主力製品が"食い物"、というところは私が行った国ではありませんでした。
この違いもまじめに一生懸命に考察・研究するのも面白かも知れません。
次に訪れたのが妻籠宿。秋とかのシーズンには人で一杯になるのでしょうけど、この日は我々のバス40名以外に訪れているのはほんの僅かな人だけです。

宿場の通りは江戸時代の街並が再現されています。雰囲気はなんとなく宿場町を感じさせますが、建物はよく見るといずれも新しく、そのほとんどが復元されたもののようです。
家とかが茶色く見えるのは、新木にクレオソートを染み込ませたか茶色のペンキを染み込ませて、それらしく見せていたりしていました。

それに通りはほとんどが"土産物屋""味どころ"のようなものばかりで中に入って何かを見る、という場所が意外と少なく、数少ない見学場所である本陣とか脇本陣の中に入ってみたかったのですが、全部で1時間しかないツアーなので見る事はできませんでした。

私はダンゴや草餅には興味がないし、もう少し見るところがあるかな〜、と期待していましたが"江戸時代もどき"の"再現観光地"に過ぎないな〜、というのが私の印象でした。

ま、そうはいうもののこういう街並みを見て、草餅を食べ、信州名物の蕎麦も食べて、「うん、よかった、よかった」、というのも観光ですね。

さて妻籠宿を後にしてこのツアーで立ち寄る4軒件目の土産物屋に寄ってお買い物です。

ここは木工所が開いている木工製品の土産物屋で、安いのか高いのかよくわかりませんでしたが、私達もいくつかの木工製品をお土産として買いました。

これでツアーの全ての行程は終了で、ここから2時間ほどで四日市駅前に帰ってきました。
この日は長野県の山の中に行くので気温も低いだろうと思い、防寒対策をしてきたのですが寒いという事はなく、拍子抜けしました。

ツアーに出発して最初に寄ったのが胡散臭いジュエリーショップでしたが、それを除けばままあのツアーでまる1日それなりに楽しむ事ができました。

でもあのジュエリーショップを後で調べたところ、あちこちから大量のバスツアー客を呼び込んで商売をやっているところのようです。
興味のある人は是非ツアーで行ってみて下さい。なかなか興味深いところです。
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