13−06−30 本当の目的は |
私の友人のMZさんからNHKの受信料支払いに関するトラブルがあったというメールを受け取りました。そのメールの中に、NHKの問題の一つに、「報道の中立性」、というのがありました。 |
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今週の水曜日S社のONさんとYSさんの訪問を受けました。2人とも2005年から2010年頃までオハイオとケンタッキーに駐在をされ、仕事上でいろいろと付き合いのあった方です。 ONさんとは帰国直後山形の工場まで案内をして頂き、ある問題の原因究明に関して大いに参考になる知識を得る事ができました。 お二人とは久しぶりに顔を合わせたという事、それにアメリカからの帰国がみんなほぼ同時期であったという事から随分と話が弾みました。 話題の中の一つにアメリカで教育を受けた子どもたちのその後について、お2人は興味深い話を聞かせてくれました。ONさんもYSさんもそれぞれ中学生から高校生の子どももいえるそうです。帰国後の日本の学校生活への順応はふたりの子どもさんとも大きな問題はなかったそうです。 ただONさんの息子さんは英語の話せない英語の先生とちょっとトラブルになった、それとYSさんの娘さんは帰国子女を大切にしてくれる私立高校に進学させたという事をおっしゃってみえました。 これは他の駐在者からも聞いた事があるのですが、先生の英語より帰国子女の子達が話す英語の方が流ちょうなため、先生の方が妙なコンプレックスを持ってしまう、みたいな状況が授業の中で作られてしまうのが原因のようです。 YSさんの娘さんは今でもケンタッキーの時の同級生とスカイプで話をしているそうです。 それと少し気になったのが、YSさんの娘さんが帰国して中学校で習う日本史について、なぜ私達は日本の歴史を習うのか、という質問に対して先生はその目的について答えてくれなかった、という話です。 日本のようなちっぽけな国の1000年以上も前の出来事を、しかも人の名前とか事件の年号とかを”暗記”させられるのか、これがわからない、という事のようでした。 歴史の先生はこういう生徒の素朴な質問にきちんと答えないのか、そういう質問が出たらなぜ生徒同士で議論をさせないのか、それが問題だと思いました。 学科の修学目的などは学習指導要領とかに書いてあるのかも知れませんが、中学生にわかるような言葉で先生は説明する必要があると思うのですが、ひょっとしたら先生自身が説明できないのかも知れないと思いました。 聞いた話によると今の公立の中学校では近代史については殆ど教えない先生が多いらしく、明治維新から現代までを数時間教える先生がいたらマシ、という状態らしいです。 私が思うに、歴史で一番重要なのは近代史だと思うのですが、なぜ今の学校では近代史を実質的に教えないのか、不思議です。 ちなみにアメリカの中学・高校の歴史では西部開拓史の部分はあまり詳しくやりません。 理由は、、、単純明快ですよね。 |
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1. シュリーマン旅行記清国・日本 ハインリッヒ・シュリーマン/石井和子訳(講談社)★★★★☆ シュリーマンはドイツの実業家・考古学者で、ギリシャ神話の中のトロイアという伝説の都市を、発掘によって実在を証明した人である。 この人は子供の時にギリシャ神話を読んで感激し、それが理由で神話の中の都市であったトロイアを発掘した、という話は小学生の時に本で読み、私はこの人の名前は記憶に残っていた。 しかしその発掘を始める前の1865年に支那(清)と幕末の日本を訪れて、実に詳細な旅行記を残しているというのは今回初めて知った。 ページを開いて読み始めるとあまりの面白さに、200ページを一気に読み切った。 当時の支那がどういう国であったか、そして日本がどういう国であったか、旅行記を通じてその風景、街並み、人々の暮しがこれ程までに鮮やかに描写されている文章は今までに読んだことがない。 神話の都市トロイアを発掘しようとした人であるからその好奇心はずば抜けており、旅行の中身の濃さと観察の鋭さは超一流である。 これを読むと当時の日本は既に独自の文明と文化が極度に発達していた事を改めて認識する事になる。また今の日本人より精神的に修養されているような気がする。 訳者の適切な注釈・解説もよい。日本人必読の一冊である。 2. この国はなぜ被害者を守らないのか 川田龍平(PHP新書)★★☆☆☆ 長年薬害エイズ問題、公害問題に取り組んできた、みんなの党の若手国会議員が書いた一冊である。 日本に住む人々の”いのちを守る”ために国の仕組みをどのように変えなければいけないのか、どこに問題があるのか政治家は何をしなければならないのか、この人の活動と信条を書いた本である。 著者は実に巧妙な扇動作戦を展開する左翼・市民運動家である、というのが読み終えての感想である。 薬害エイズ問題、公害問題に加え311の放射能被害から人々をどう守るか、という誰もが絶対に反対できないテーマであるが、論理的なストーリーにはなっていない。 171ページのほぼ全ページに”いのちを守る”、という言葉が何回も出てくる不思議な書き方で、ムードをかき立てる教書、とも言える本である。 しかしあちこちで本音がチラチラと見えており、読んでいて楽しい。 この人の母親の川田悦子という人も国会議員で無所属ではあるが、ほぼ日本共産党に近い活動を行っている。 左翼活動家、反日活動家、市民運動家とはどいう人種なのか、何をどうやっていこうとしているのか、これを知りたい人にはお勧めの一冊である。 3. 国語力アップ400問 NHK放送文化研究所日本語プロジェクト(生活人新書)★★☆☆☆ 現代日本人は国語力が著しく低下しつつあり、特に若い世代になるほどその傾向が著しいと言われている。 これは私自身も感じる事であり、まず”字を書かなくなった”のが大きな要因で、漢字を書く力はガタオチになっている。 またわかっているつもりの慣用句とか熟語についても、実は間違っていたりあやふやなものが多い。 そのような事を感じている中で見つけたこの一冊、 「知っていそうで意外にあいまいな国語の知識が正確に、通勤時間に、昼休みに、放課後に、夕食後に、老若男女を問わず楽しめて、知らず知らずに国語力がアップする400問」 この本のキャッチフレーズであるが、100%同意である。 日本語に興味のある方のみならず、実は外国語を勉強、あるいは使って仕事をしている日本人にも言語の奥深さを認識して頂きたく、薦めたい一冊である。 |
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