尖閣列島付近の公海上を航行中の海上自衛隊の護衛艦とヘリコプターに中国海軍のミサイル駆逐艦が射撃管制レーダーを照射したという発表が数日前に日本政府よりありました。
これが起きたのは発表の更に数日前だったようで、政府内でどう取り扱うか検討をしていたものと思われます。

発表をすると言うことは、中国のレーダーのデーターを公表する事を前提にしており、つまりこちらの探知・分析能力も暴露する事になるからです。

射撃管制レーダーの照射というのは（ミサイル、砲の）射撃を行うための諸元（方向、射角、その他）を得るために行う操作です。
中国政府はそのような事実はない、日本政府のねつ造である、と正式に発表しています。

いずれにせよ、日本国海上自衛隊の護衛艦は中国海軍の駆逐艦に射撃管制レーダーとコンピューターで一瞬にして諸元を計算され、ピタッとミサイルの照準を合わされたという事です。

マスコミの一部は、「これは威嚇であり、ミサイル発射の意図はなかったと思われる」、などと解説しています。

これと同じ事を日本が中国に対して行ったら中国はどうするか、イエ、一般的にある国の軍艦が他の国の軍艦にこれを行ったらどうするか。

それは間髪を入れずに反撃（緒元取得、ミサイル・砲の発射）です。
射撃管制レーダーの照射というのは威嚇である、とかそういう意味の操作ではないのです。

中国がこういうきわどい行動に出た目的は日本がどういう対応に出るか、これを見るためにやったと考えるのが妥当だと思います。

今回の件に対し世界中、特に東南アジアの国々が日本がどういう対応をするか固唾を呑んで見ているのは間違いありません。
ロシアも同時期に領空侵犯をパーッとやって日本の反応を見ています。

一触即発の状態にある尖閣列島周辺で護衛艦乗り組みの何百人の海上自衛官はどう考えているのでしょうか。今の日本は自分が命を賭けて守るに値する国であると思っているのでしょうか。

陸上自衛隊大津駐屯地では隊員が戦闘服で通勤する事に住民が猛烈な反対運動を展開しています。
理由は、「戦争の象徴の服で、日常生活に不安を感じる」、というのが理由だそうです。これを聞いて大津駐屯地の隊員は、「日本を守ろう」、という気持ちを持つことができているのでしょうか。

自衛官の親たちは、自衛官である息子・娘達に、今の日本を守るために、「命を賭けて頑張ってこい！」、と言えるのでしょうか。マスコミの口調は一部を除き、今回の出来事については全て他人事です。

日本は今までのツケを一気に払わされる時が近付いているような気がします。。