12−12−27 ホテルのオバさん

今年最後の仕事の週、長野県飯田市のOM社に行ってきました。同行するのはH君とNS君の2名。
H君は数ヶ月前にOM社に行った事があったので行き方を尋ねると、名古屋駅から名鉄バスで行くのが一番早いとの事、それで切符の予約をお願いしました。

終点の飯田駅前までは高速道路を通って、途中で何カ所も停車しながら2時間ちょっとで到着。バスを降りようとして網棚を見ると名鉄百貨店の紙袋、一つ手前の停留所で降りて行った隣に座っていた若者が忘れていったみたいです。

気の毒にと思いましたが仕方ありません。運転手に忘れ物がある事を伝えてバスを降りました。
私も過去に1回だけ新幹線に買ったお土産を忘れてしまった事があり、それを思い出してしまいました。

H君は手違いがあって1時間後の次のバスで来る事になっていたので、NS君とホテルまで歩きます。さすがに気温が低く、ジンと冷え込んでいます。駅から歩いて7〜8分、やっとホテルに着きました。
ホテルの玄関を見て思わず「ウーン、、、」、と唸ってしまいました。ホテルというより簡易宿泊所というか、飛び込み宿に近い感じです。

予約したのはH君。何でこんなホテルを予約したのだろう。ま、文句を言ってもはじまらないのでチェックイン。
フロントには65才くらいの人のよさそうなオバさん一人だけです。
「朝食込みで5750円です、カード?ウチはカードは扱っていません、現金でお願いします」、エライ安いな〜。
フロントは狭くて小さくて、ゴチャゴチャしており、あちこちにいろんなものが散乱しています。

このオバさん、「朝食の卵はどうしますか、生ですか?目玉ですか?」、と妙に詰問口調で、卵を生で食べるか、目玉焼きで食べるのか聞いてくるのが印象的でした。
私の後にチェックインしたNS君も、「生ですか?目玉ですか?って妙に詰め寄ってきましたね、あのオバサン、、、」、という印象を述べていましたから、感じたのは私だけではなかったようでした。

朝食は納豆も(”納豆”にグッと力がこもっていた)付きますからね!!」、とこのオバさん、ニコニコして言いましたので、翌日の朝食時には期待に胸を膨らませて食堂に行きましたが出されたのは何の変哲もない、極めてフツーの朝飯でありました。

この日は近所の居酒屋で一杯やってホテルに戻りましたが、ちょっと飲み足りなかったのでこのオバサンに「どこか静かでゆっくり飲めるカウンターバーのお店はありませんか?」と尋ねてみました。
するとこのオバさん、急にパッと表情が明るくなってカウンターから飛び出してきて、ハイハイ、と3軒くらい隣の薄暗いカウンターバーに連れて行ってくれました。

H君とスコッチの水割りを頼んだら、ビールグラス(ウイスキーグラスではなかった)に冷蔵庫の氷を放り込んだだけのウイスキー(暗くて銘柄不明)の水割りを出してきました。それを1杯づつ飲んでお勘定は3000円。

値段を聞いて、「オイオイ、これで3000円かよ」、と思いましたが、店を紹介してくれたホテルのオバさんのヤケに嬉しそうな顔が目に浮かびました。
「そうか、、、あのオバさんへのリベートが1000円入っているのだな、、、」、3000円の内訳は納得でした。

こうして初めての飯田市の夜は更けていったのでありました。。

翌日は今回の訪問先であるOM社のSさんがホテルまで迎えに来てくれました。

「イヤー、会社の連中にBホテルって聞いてもみんな知らないんですよね〜、探すのに苦労しました」、という事でしたので、やはりこのBホテルはビジネス客はあまり利用しないところのようでした。

ホテルからOM社まで20分程度で到着。本社・工場は市街地よりかなり高いところにあります。OM社は電子部品を作っている超有名企業で、オハイオにいた時の10年くらい前にお付き合いをした事があります。

まず今回の案件についての説明を受けましたが、宿題としてお願いをしてあった事はきちんとやってくれていました。
私達も”もの造り”をやっており、そう言った意味では根っこの部分の考え方は同じであり、説明の中身の一つひとつがどういう考え方に基づいてやっているのかよくわかります。
逆に言うと、手抜きをすると直ぐにわかるのです。

私はこういう会社の方達には同じ製造業に身を置くものとして、少しでも役に立って頂きたいという気持ちで、いろいろなアドバイス・過去に経験した事などについて話をする事にしています。

そうする事によってその会社にほんの少しでも役に立ってもらえば、結局は我々の利益にもなり、私が信じて疑わない「製造業こそ日本の生命線!!」、に寄与できればいいと思っています。

品質の責任者のOKさん、製造の責任者のSSさん、みんなきちんとしており真面目に取り組む姿勢がヒシヒシと伝わってくる方ばかりでした。

報告と意見交換の後、製造ラインを見せて頂きます。製造ラインは超近代的で、工場内はピカピカの精密な装置で埋め尽くされています。

働いている人の半分以上は女性で、製造ラインはそれぞれの責任者の課長さん等が細かく説明をしてくれました。
特に一番関心のあるラインの説明をしてくれたNKさん、我々の立場になって丁寧に説明をしてくれたので、お礼に2つほどアドバイスを残しておきました。

昼食の後再び会議室に入り、1時間ほどまとめをやってこの日のスケジュールを終えました。会議にはOM社からは終始8名の方の出席があり、かなり突っ込んだ内容の話ができたと思います。

帰りの切符は飯田駅から買ってありましたが、一つ先の伊賀良という所の方が近いという事で、ここまでSさんに車で送って頂きました。。
この日は気温が低く、朝ホテルを出るときにホテルのご主人(多分昨夜のオバさんの亭主)が「今朝はマイナス7℃まで下がっている」、と言っておりました。

今回の出張での話題はやはり宿泊したBホテル、H君は何故このホテルを予約したのか理由を聞いたら「朝飯が合った方がいいと思い、それを重点的にネットで検索したらBホテルが見つかったので、ここに決めました」、とのこと。

NS君が、「今のホテルはどこでも朝飯はあるよ、そんなのホテルを決める条件にはならないよ」、と言うと、「そうですよね〜、、、でもネットに載せてあったホテルの写真はかなりきれいだったのですが、、、、」、という事でH君は恐縮していました。

チェックインの時に、「朝食の卵は生ですか!、目玉ですか!」、と詰め寄ってきたあの受付のオバさん、「朝食には納豆もつきます」、と胸を張ったあの受付のオバさん、バーの紹介をお願いしたら急にびっくりするような嬉しそうな顔になったあのオバん。
ほのぼのとした経験をさせてくれたホテルを予約したH君には感謝(?)ですかね〜、今回は。。

<かなり気に入ったジョーク>

人食い人種がニューヨークのレストランへ入っていき、 ウェイターに、「子供を食べさせてくれ」と言った。
驚いたウェイターが、「な、なな、何をおっしゃるんですか?」 と聞くと、彼は答えた。
「だって、入り口の看板に子供半額と書いてあるよ」
inserted by FC2 system