12−09−30 賛成と反対 |
9月も末になってきたのに日中はまだ30℃もあり、秋とは程遠い気温です。 そんなある日N社のTHさんから電話がかかってきて今度用事があって会社の方に行くので、ちょっと時間をとって欲しいとの事。 THさんとはここ1年半以上ずっとN社の窓口をやってみえたのでお付き合いがあり、N社の舞鶴工場にもかれこれ6〜7回はおじゃまをしており、8月にも茹だるような暑さの中、舞鶴に行ったのでした。 この時にN社の方々数名と食事をした際、会社の業績の話が出てN社の株価がとんでもない安値になっている事を知ったのでした。 あの日のN社の業績の低迷とTHさんの退職の話、関係がありそうです。火曜日の午後、THがやってきました。やはり会社のリストラによる退職でした。 「THさん、退職は肩たたきですか?それとも希望ですか?」 「希望退職の募集が80名程あり、これに応じました。」 ![]() THさんによると会社は業績の低迷から管理職に対し、希望退職を募ったとの事でした。 N社のリストラはこれで2回目のようで、既に管理職の4分の1以上がリストラされており、今回はそれに追加とのことです。 N社は6年前にイギリスのB社を買収し、社長がイギリス人になりました。 日本のN社がイギリスのB社を買収したのになぜ社長がイギリス人になったか、それは買収した方より買収された方が会社の規模が大きかったからだったそうです。 奇妙な話です。 その後はイギリス人社長とイギリス人幹部に振り回されて車内はかなり混乱し、業績もガタ落ちになったそうです。 ガイジンが経営陣に入って数々の問題を起こし、会社をメチャクチャにする、こういう話は直接・間接に様々なケースを聞いていました。 ソニーのケース、一見うまくいっているように見える日産のケース、マツダのケース、オリンパスのケース、その他オハイオ駐在時に現地社長をアメリカ人にした瞬間に日本人を振りきって暴走を始めたケースなど生々しい話を一杯聞きました。 私なりにそれぞれのケースをよく観察するとある一定の、実に興味深い共通点が浮かび上がってくるのですが、長くなるのでこれは別途。 THさんは50才、一旦故郷の兵庫県に帰るそうです。既に次の仕事は考えてみえるような口ぶりでした。THさん、1年7ヶ月間お世話になりました。これから先まだまだ長い人生、頑張って下さい。 |
![]() |
ゴミ本について日記に書きましたが、再度今週に読んだ本の話です。 今週は何を読んだかというとTPPについてです。TPPは菅総理が「第三の開国」、とか言って日本も参加の意思を表明しましたが、そもそもTPPとは何か、恥ずかしながら私は具体的によく知りませんでした。 ただ知っていたのはTPPは賛成派と反対派が激しく対立しており、特に反対派の意見はTPPに日本が参加したら日本は日本でなくなる、国の根底が覆る、くらいの意見がある事でした。 そこで、、、この難解そうに見えるTPPをできるだけ理解してみようと出張時にいつもの本屋に寄ったのであります。 今度はゴミ本に引っ掛からないように慎重に選びました。 私はTPPを理解するにはTPPに日本が参加する事に対して"賛成"の立場からから書かれた本と、"反対"の立場から書かれた本の2冊を選ぶことにしました。 あまりややこしい本も肩が凝るし、かと言ってあまり軽い本では、、、という事で苦闘3時間、もとい15分、2冊を決めました。 ■ TPP興国論 松田学著 : KKロングセラーズ ★★★★ 著者は元大蔵省の役人で、現在はあるシンクタンクの役員。本としては非常に読みやすく、TPP賛成の立場から極めて具体的に書かれている。 TPPを考える場合日本をどういう国にするのか、これが基本にあってそれを具現化するためにTPPをどう使っていくか、というストーリーになっている。 「TPPで強い日本を作る」、が目標でTPPで顕在化する負の部分はTPPの交渉の中で克服する、というのが特徴。 ■ TPP亡国論 中野剛志 : 集英社新書 ★★★+ 著者は京都大学の先生、役人の経験もある。読みやすさは興国論に負けない。 日本が再生するにはデフレという病気を治す以外手立てがなく、TPPはデフレ脱却とは全く逆の効果を招き、日本は全ての領域でアメリカの餌食になってしまう、という骨子である。 中国と韓国はTPPに入る事はない理由、TPPでアメリカは日本の何を狙っているのか、とにかく具体的で分かり易い。戦略的経済外交とは何か、素人にも分かり易く説明してくれる。 |
![]() |
先ず、この2冊の本を読んで今までズーッとよく分からなかったWTO、GATT、EPA、FTAが理解できるようになりました。(これだけでも読んだ成果あり) TPPはアメリカ、ニュージランド、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、その他全部で9カ国が参加していますが、これに日本が加わった場合、GDPの規模はアメリカと日本で参加国全体の91%なので、TPPとは日本とアメリカのFTAと言えそう、というのが実はもの凄く大切なところです。 また日本はコメ以外の農産物も含めて工業製品・その他全てがアメリカより関税は低く、日本は既に関税障壁はない国である、という点も重要で、これは両者とも共通の見解です。 つまり日本は十分に開かれた国である、という点です。 TPPで一番問題になるのは農業であると思っていましたが、これは両者真っ向から対立。非常に興味深い部分でもあります。 とにかく両方を読むと実に興味深く、実はこの2冊それぞれの著者はそれぞれの相手を意識しているというか、明らかに論戦を張って書いているのは間違いなさそうです。 TPP参加は興国への選択か、それとも亡国への選択か、どうなんだ?と言われると私の感じでは、今のままではそれぞれ40%:60%くらいで亡国論の方が優勢、つまり説得力があります。 しかし交渉のやりかたと日本の自己改革(特に農業)で興国論の比率を格段に上げることができそうなので、何とも言えません。 とにかくTPPを理解するにはこの2冊、絶対にお薦めです。読むのは1冊では絶対にダメです。2冊です。 そして亡国論の方を先に読んで下さい。理由は読み終わった後でわかります。 |
![]() |
<気に入ったジョーク> 20世紀初頭イギリス人とフランス人が会話をしていた。 「植民地からは徹底的に搾取しなければいけないな。」 それを聞いた日本人が割り込んできて言った。 「それはひどい。ちゃんとインフラを整えて、教育制度も確立させて、豊かにしてあげなきゃ。」 イギリス人とフランス人はきょとんとした顔で言った。 「そんなことをしたら恨まれてしまうよ。」 <少し気に入ったジョーク> 韓国人教師: 「日本経済の現状を述べよ」 韓国人学生: 「はい!日本経済はがけっぷちに立たされています!」 韓国人教師: 「では偉大なる韓国の経済の現状について述べよ」 韓国人学生: 「はい!韓国経済は日本より常に一歩前に進んでいます!」 <メチャ気に入ったメール:丁度、台風17号が東海地方を直撃中> 少し前から雨が強くなり始めました。小学生の頃、夜中に目が覚めたら星が見えた経験があります。屋根をそっくり持って行かれたのです。 まあそれ程ではないでしょうがカミサン野菜や葡萄等事前に収穫していました。 本来ならこの台風、中國へ抜けるはずだったのですが沖縄近くから急に進路を東にとりました、台風にも毛嫌いされているのでしょうね。 台風にすら毛嫌いされている事に気付かないかの国、明日の人民日報の一面はこれに決まりです。 「日帝、不当にもわが国の台風を盗む」 |
![]() |
![]() |