12−09−21 大失敗
今週の月曜日は午後から栃木に出張でした。白子から名古屋まで近鉄、JRの窓口で新幹線の指定席を取ろうとしたら19:00まで満席とのこと。悪い予感です。

新幹線のホームに出ると人でごった返しています。昨日から九州と中国地方西部を襲った台風の影響でダイヤは大幅に遅れていたのでした。
それにしても子供とかを連れた旅行客が多いな〜、、、そうか、今日は"敬老の日"で旗日で3連休の最終日だったのを忘れていました。

仕方なく自由席に乗るために並び、一つを乗り越して乗ったのはいいのですが、既に満席。という事は東京まで立ったまま2時間弱我慢しなければなりません。アーア、と思っていると列車は出発です。結局新横浜まで1時間30分立ったままでした。

この間本を読んでいたので何とか気分は紛れましたが、腰に爆弾を抱えている私にとっては地獄でした。ずっと立ったままの姿勢というのはもうきつくてきつくて、時々しゃがんだりして姿勢を変えて耐えていました。

教訓:こういう時は"こだま"に乗る。"こだま"は自由席の車両も多く、東京まで3時間かかりますが座れる可能性は非常に高い。
又は宝くじに等に当たって財布が重い時はグリーン車に乗る。


今週は2泊3日の出張で帰りは少し時間的な余裕があったので東京駅で下車してみました。
東京駅は現在復元工事中で10月1日に工事終了、オープンというのを帰りの東北新幹線の車内誌で知ったので、急に駅を見たくなったのです。

中央通路を通って丸の内側に出ると工事の囲いがあちこちにあるものの、南北のドームをはじめ既に復元工事は終わっております。

駅の中には東京ステーションホテルという老舗のホテルもリニューアルオープンするそうで、ここはビジネス客も泊まれる部屋があるとの事ですが、それでも最低料金が3万円。

いずれにせよ、東京駅の中はレストランとか土産物屋、それに美術館までありますがら、ヒマになったら一度"東京駅見物"も悪くないかも。
最近本を読むペースが少し上がって、雑誌・週刊誌を除いて月5〜7冊になっています。私の読書のジャンルは特に定まっていません。でもナゼか小説は殆ど読みません。理由はよくわかりませんが私はフィクションに対して、本能的に抵抗感があるようです。
でも映画はフィクションが大好きですから、本当のところは自分でもよくわかりません。

最近は読書の傾向として時世柄、日本の防衛問題、或いは経済問題についての本を読む事が多くなります。本を買うときは表題を見て目に付いた本を選んで、ページをパラパラめくって数分程度拾い読みをして気に入れば買う、というかなりいい加減な買い方です。
でもそうやって選んだ本でも読み終えた時には、殆どの場合それなりの充実感というか、満足感を得られるものです。

ところが、、、先週から今週にかけて読んだ3冊の本、これが見事に全部ハズレでした。よくもまあ、ここまでいい加減でデタラメな事を書いた本を迂闊にも買ってしまったものです。典型的な"ゴミ本"を3冊も買ってしまいました。
”ゴミ本”とは、○波文庫のように、「思想的に偏った内容」、というのではなく、内容そのものがスカスカで中身のない本の事です。
久し振りに感動しましたのでこれは日記に留めておきたいと思います。◆の数は”ゴミ度”を表します。

1.現代がトヨタを越えるとき : 小林英夫・金英善(ちくま書房) ◆◆◆

ものづくりの雄、トヨタは今その優位性が揺らいでおり、代わって韓国の現代が躍進をしている、その理由は何か?その実態を明らかにする、という本。

結論から言うと、中身は呆れるばかりの雑な分析もどきの内容が延々と書かれている第一級のゴミ本。著者2人の専門は自動車部品産業の研究ということで、現代の強みをこの方面から分析しようとしているが、分析をするための情報収集が驚くほど雑である。

韓国の部品メーカーはビッグ3への売り込みに成功しているが、日本は食い込めていない、よって韓国メーカーは優位性あり、とかそういうレベルの話が延々と続く。
特にデンソーと現代MOBISを比較して云々する辺りは噴飯ものである。

現代の製品の値段は同レベルの日本車の70%以下である、デザインが斬新である、マーケティングが非常に上手である等の、誰もが関心を持っている事に対する分析は殆ど行われていない。
現代は海外の研究開発体制についてもトヨタより優位性があるというが、これも具体的にどこがどういう具合に優位性があるか、一切書かれていない。

只最後の12ページだけは割と冷静な分析がされた内容が書かれているので、興味のある方は本屋でここだけ立ち読みすればいい。

一体何が言いたいのか、よくわからない本である。
2.日本を捨てよ : 苫米地英人(PHP新書) ◆◆◆◆

結論から言うとこの本の著者はアナキズム(無政府主義)の信奉者と見受けた。今の日本がかくも閉塞感に満ちているのは、日本と日本人の風習・考え方が原因である、また日本政府の権力に対して従順であり過ぎるから、と定義している。
数ページごとに”日本人は奴隷"である、と書き綴られている。
そしてバックではアメリカという国がコントロールしており、日本は既得権者が牛耳る何ともならない国であるとも言っている。
著者は脳機能学者であり、計算言語学者であり、認知心理学者であり、、、科学者としては優秀らしい。

一昨年の311の時に日本人が"略奪"をしなかった事を"間違い"、と言っているこの著者、311のような事態においては"略奪"は権利だそうだ。
はっきり言ってこの人の研究は何を研究するのかよく知らないが、アメリカでかなりの時間を過ごす人のようだ。
日本と日本人に恨みを持っているようにも思える。一体何があって日本と日本人をこの世から消したいと思うようになったのか、当然そんな事はこの本には一行も書いてない。

詭弁を羅列した悪質な本でもある。一読の価値もなし。

3.日本に自衛隊が必要な理由 : 北澤俊美(角川)oneテーマ21) ◆◆

史上最低と言われた防衛大臣が大臣の椅子を離れ本を出した。
この本についても結論から言うと、防衛大臣という政治家が書いた本とは思えず、制服組の誰かが書けばいいような内容ばかりで、題名に惑わされて読む価値は殆どない。

この本は311でどのように自衛隊ががんばってきたか、自衛隊は軍事的緊張の中でどう備えているか、など過去と現在のみについてしか書かれていない。
これらに時の総理大臣と筆者のやりとり等が少し書かれているだけで、"自衛隊をこれからどうするのか"、という内容は皆無と言ってよい。

そういった面から言えば、この人は自衛隊25万人の組織の上に2年間座っていただけで何もしなかった人、と言ってもよい。
集団的自衛権の行使、自衛隊の将来像、東南アジアの国々との同盟、こういう政治課題が何も書かれていない前防衛大臣の本はやはり読むに値しない。

311で自衛隊が10万人体制をとった直後、ソ連と中国が即座に戦闘機を日本すれすれに飛ばし、その対応(スクランブル)を見て自衛隊の本来業務がこの非常事態でどこまで影響を受けているかがチェックされた、というのはこの本で初めて知った。
そんな訳で1週間ちょっとの間に、「よくもまあ、、」、と情けなくなるような本を3冊も買ってしまいました。でもきっとこのテの本が世の中には溢れているのですね。
3冊は既に自炊され、1冊大体15MBくらいのPDFファイルになっています。

(気に入ったジョーク:日本のハイテク技術をもってすれば、、、)

国際的な医学学会が催され、アメリカ、ドイツ、日本の代表者たちが議論をしていた。

アメリカ人が言った。
「私たちの国では、事故で両足をなくした少年に、最新式の義足をつける手術をしました。今、その少年は、オリンピックの金メダリストです。」

それを聞いたドイツ人が、笑いながら言った。
「そんなこと、たいしたことではありません。私たちの国では、事故で両手両足をなくした少年に、最新式の義手と義足をつける手術をしました。今、少年は、レスリングの世界チャンピオンです。」

すると、日本人が笑いながら言った。
「そんなこと、たいしたことではありませんね。私たちの国では、生まれつき脳みその少ない少年に、人工の脳をつける手術をしました。今、その少年は、日本の首相です。」
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