12−06−13 自炊始めました
オハイオから帰って間もなく丸2年、生活は一応何とか落ち着きました。
ところが今住んでいるのは3LDKのマンション、オハイオから送った荷物はマンションには入る筈もなく、大半の荷物はマンションから数百メートル離れたところにある、26年前まで住んでいた一軒家に入れてあります。
天気のいい日はカミさんが時々行って、庭の草取りをしたり、雨戸を開けて家の中の湿気を外に出したりしています。

整理がついていない荷物の7割は私の荷物で、少しずつ整理を始めていますが遅々として進んでいません。
その中で意外と厄介なのが本類。本は読んだら直ぐに処分をするという人もいますが私は手許に置いておく方なのでどんどん溜まっていきます。全部でダンボール箱で10個くらいになっています。
マンションに持ってきた手許に置いておきたい本の一部です
これをマンションに持ってくる訳にはいきません。
マンションにはどうしても手許に置いておきたいものだけを持ってきました。
残りをどうするか、やはり二束三文で売るのかな〜、など考えていました。

そんな中、3月に東京に行った帰りの新幹線の中で読んだ週刊誌で本をスキャナーで読み込んで電子ファイル化するサービスがある事を知りました。

本などをスキャンして電子ファイル化(PDF化)する事を'自炊'と言うそうで、”自分で吸い上げる(本などをスキャンする)”から来ている呼び方だそうで、これを読むまでは知りませんでした。

そこで5月の中旬、インターネットで”自炊サービス”をやっている業者を探し、とりあえす2つの業者に100冊づる、合計200冊の本を送ってみました。
費用は1冊100円〜200円です。
それぞれの業者からは、「現在多くの注文を受けているので、仕上がりは7月中旬頃」、という連絡がきました。

しかしこうやって業者に出して本のPDF化をするのもいいけれど、本はこれからも増えていくし、PDF化したいのは本だけではなく雑誌、書類、パンフレット、その他一杯あります。
そこで気が付いたのがカミさんの妹が要らなくなったからと言って送ってくれたスキャナー、これを使って自分でできないかトライをしてみました。

結果は思ったより上々、そこでその名のとおり自分で”自炊”を本格的にやってみる事にしました。。
準備するのは先ずスキャナー、これは前述のスキャナーでFUJITSUの'SCAN SNAP'というタイプで、どうもこれは自炊の定番スキャナーらしい。カミさんの妹が送ってくれたものは新品同様のピカピカで文句なし。

本は表紙(きれいなカラー印刷がしてある本のカバー)もスキャンするのが大事だそうで、これにはフラットタイプのスキャナーが便利で手持ちのCANON/MG6130が使えます。
従ってスキャナーに関しては新たな投資はゼロ。ラッキ〜♪♪♪この裁断機、一人では持てない重量です

次に必要なのが本の綴じ目をきれいにカットするための裁断機。いろいろと調べたましたが、結局は大型の本格的なものを買うことにしました。

インターネットで注文、2日後に宅急便で送られてきたものを見てびっくり。思っていたよりも大型で、重量は24kg(!)もあります。

一人では箱から出すことも難しい重量です。説明書は英語で、どうも中国製らしい。
付属の刃1本で1000冊以上の本をカットできるそうで、替え刃も2本買いました。(1本3千円もしました)

早速試しにハードカバーの本をカットしてみました。まるで羊羹を包丁で切るみたいに簡単に、そしてきれいに綴じ代のカットできます。

操作間違えて指を切ってしまったら、ソーセージをナイフで切るみたいに簡単に切れるだろうな〜、などと恐ろしいことを一瞬考えたりしてしまいました。

後は本を解体するための大型のカッター、それにカッター台等を準備しました。

本をカットするときに気を付けなくてはならないのがホチキスで、古い雑誌とかはホチキスで綴じてある場合が多く、裁断機でカットする前にこのホチキスを確実に外しておかないと裁断機の刃がこぼれてダメになってしまいます。

ホチキス外し器を文房具屋で探したのですが、すぐに壊れそうなものばかりで、アメリカで使っていたしっかりしたものは見つける事ができませんでしたのでペンチとドライバーで代用です。

以上のハード以外にソフトを準備しなくてはなりませんが、スキャナーに必要なソフトは大体ついていました。PDFの編集にはADOBEのACROBATを持っていましたので、これを使う事にしました。
という訳で必要なものが揃ったので”自炊”の開始です。スキャンのソフトは非常に簡単に使えますので全く問題なし、PDFの編集も使い慣れたACROBATなので問題なしです。

やってみるといろいろとわかりました。裁断機は厚さ3cmくらいの本でもきれいに綴じ代の部分を3〜5mmくらいでカットできます。
でも鼻歌交じりで裁断していてとうとうやってしまいました。雑誌を裁断しているときにホチキスを切ってしまい、刃が僅かに欠けてしまいました。でも切れ味には影響なしで一安心。
パソコンやりながら、コーヒー飲みながら”自炊”です
問題はやはりスキャナーのジャム、2枚読み込みなどです。
ジャムは裁断機で綴じ目をカットしたつもりでも糊が残っておりページがくっついている場合、それにページが折ってあるまま読み込みをやった場合などです。

これらはスキャナーに読み込ませる前にページをパラパラとめくって(ちょっとコツがいりますが)チェックすればOK。

一番の問題はやはり2枚読み込みです。特に最近の文庫本は紙質が良くて、紙が薄いためよく起きます。
紙質が良いと紙の表面の粒子が細かいので紙間に空気が入りにくく、隣同士がピタッと吸いつけられるようになりやすいからです。

こういう状態になると私のスキャナーではどうしても2ページ、時には3ページとか4ページを吸い込んでしまいます。300ページを読み込ませたつもりが、スキャンソフトの表示が296枚とかになるとやり直しです。何回やってもダメなときは最後の手段です。スキャナーに1ページずつ手差しでスキャンさせます。

自炊を始めて3週間ちょっと、がんばって150冊(約4万ページ)の本をスキャンしてみましたが、写真は白黒であってもカラーで読み込むほうがいい場合があるとか、いろいろとわかってきました。

この2週間のペースをこのまま続ける訳にはいきませんが、1年も経てば身の回りはかなりすっきりとする筈です。
データーの容量は約150冊で2.5GB、平均で1冊15MB以上ありますが、これは技術関連の本とかはカラーでスキャンしたためで、文庫本などは1冊10MB以下です。

これからいくと32GBのUSBメモリーに大きな本棚5〜6個分の本が全部入ってしまう計算になります。理屈ではよくわかりますが本当にすごい世界になったものです。
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