12−04−13 難波の散歩
日本の会社には親睦会というものがあります。
親睦会は工場全体の親睦会から課単位の親睦会、それに職制の親睦会までいろいろあって、普通は2つか3つの親睦会に属する事になります。
オハイオでは確かレクレーションコミッティーという事で、部レベル単位でありました。日本と違うのはオハイオの場合は親睦会の行事への参加は普通は無料が原則でしたが、日本では行事参加時には会費というものを徴収するところでしょうか。

まあそれはともかく、この土曜日はある一つの親睦会主催の行事があったので、これに参加をしてきました。
行事の内容は大阪難波にある劇場に行って吉本新喜劇を観に行くというものです。
吉本新喜劇というのは東海地方以西ではこれを知らない人はいない、というくらい有名です。私も中学生くらいからテレビで見ており、芸人の名前とそれぞれのギャグは殆ど覚えています。

そんな訳で土曜日の朝8時、観光バス2台に乗って大阪の難波に向かって出発。メンバーは社員とその家族で人数は思ったより少なく、バスは1人で2席くらいの感じでゆったり快適です。バスの中ではお菓子とお茶も配られ、大阪までの2時間半、途中で2回の休憩を入れながら車窓からの風景を楽しむことができました。

さて大阪難波ってどんなとこやろ?(既に大阪弁になってます)
実は私は生まれてから今までに大阪に行ったのは子どもの頃を含めて3回だけ。ここ30年は一度も行った事がなく、土地勘というものが全くありません。
難波が日本橋の西にあって、難波の北には道頓堀があって、その北には梅田があって、、、花月劇場に行く前に、どれどれと地図を見てわかったという次第です。

今回はバスで難波に到着してから吉本新喜劇の開幕まで約1.5時間、それに終わってからも1.5時間の自由行動がありましたので、難波・道頓堀をブラブラと見学してみました。
千日前

鈴鹿から2時間半、巨大なビックカメラの横にバスは停車、この通りの奧にある難波グランド花月(NGKというそうです、知らんかった!)に12時15分に集合、それまで自由行動です。

この辺は映画館、パチンコ屋も多くオシャレとは無縁の感じです。
そうか〜、、、とうとう着いたんやな〜、大阪は難波に、、、。

と言うわけで、散策開始です。
道頓堀(1)

難波に来たからには先ず道頓堀に行くべし、と言われたので千日前から北に歩いて道頓堀へ。

オ〜、思わず声が出てしまう風景です。食べ物屋がズラーッと並んでいます。
初印象を言え、と聞かれたら、「ここは日本というよりアジアやんか。」、かな。

歩いている人は観光客風の人が結構多い。外国語もかなり聞こえてきます。。
道頓堀(2)

道頓堀は食い倒れの街としても有名なので、何か食べたい。でもお昼は弁当が配られるので、今食べると中途半端になる。

そや!たこ焼きならええやないか。
という訳で橋を渡ったところにあったたこ焼き屋で1人前を注文、カミさんと半分こしました。

最近のたこ焼きは昔と違って、中がクリムー状のものが多く、私は好きではありません。ここもやはりクリーム状でした。正統派のたこ焼き食いたい!
道頓堀(3)

関西地方ではかつては”焼き肉屋”より”ホルモン焼き屋”の方が多かったように思います。

私は各種内臓肉で一杯やるのが大好きです。
この事を関東に転勤になった時に周囲の人に言ったら、「へ〜、そうですか〜、、、」、と目を細くして言われた事があります。

それはともかく、ここ道頓堀のお店の特徴はその看板のド派手なところにあります。
この店なんか本物と同じくらいの大きさの牛が店の上でお客を呼んでいます。
道頓堀(4)

この店はフグ料理で有名だそうですが、看板の大きさは半端ではありません。

フグを調理するのはフグ調理師の免許が必要ですが、私のある友人の話によると大阪はこの免許を取るのが非常に簡単、という事です。
友人もナゼがフグ調理師の免許を持っています。

でも大阪のフグ調理師の名誉のために言っておきますが、大阪がフグの中毒になる人が多いという統計データーはありません。念のため。
道頓堀(5)

かの有名な”くいだおれ太郎”。
既に”くいだおれ”という店は閉店して4年が経つそうですが、そのビルの前で今も立っています。
この人形看板は大阪を代表するオブジェという位置付けになっていたそうで、今も変わらぬ人気です。

ケンタッキーフライドチキンのカーネルサンダーとも違う、いかにも大阪らしいキャラクターです。
本来は太鼓を叩いて、首を左右に回していたそうですが、見た時は動いていませんでした。
道頓堀(5)

この看板は全国的にかなり有名です。
かに道楽の店は東京にも何店もあるそうで、私も新宿で見た事があります。

道頓堀、と言えばこの大きなカニの足が動く看板を想像する人も多いと思います。
道頓堀のド派手な看板の老舗でしょうか。

ちなみに私はカニにはあまり執着はありません。
カニ、と聞くだけで目の色を変える人が時々いますが、私には理解不能です。
道頓堀(6)

これも道頓堀を代表する看板です。
阪神タイガーズが優勝するとこの橋の上からみんな道頓堀川へ飛び込みます。
様子はテレビでも放送されます。

この時はこのグリコのトレードマークの選手もランニングシャツではなく阪神タイガーズのユニフォームに変わるそうです。

とにかく大阪・道頓堀の看板は誰にでも分かり易く、迫力満点、そして実にユーモラスです。
感心します。
 
横丁の飲屋街

お昼前ですが既に営業をしている店を結構目にします。これも道頓堀南の路地の入り口、なかなかエエ雰囲気です。

吉本新喜劇をパスして、どこかの店に入って一杯やるのもエエかな? と一瞬そんな気にさせる雰囲気であります。

確か難波と言えば法善寺横丁があるところ、違ったかな?
NGK(1)

車のスパークプラグのブランド名ではありません。
なんば・グランド・花月の略だそうです。

ここは建て替え新築され、オープンになってこの日で何と6日目!!
知らなかった〜、、、。吉本新喜劇ファンの私としたことが迂闊でありました。

劇場の前はエライ人混みです。
ここの斜め正面の広場で、我が親睦会の幹事のYさん他がお弁当と、チケットを配ってくれました。
NGK(2)

オ〜、”今いくよ・くるよ”ちゃんのむいぐるみや〜。
こういう人形を入り口に立たせて愛嬌をふりまき、サービスをする、というのも吉本ならではですね。

”いくよ”ちゃんのあの腹をパンパンたたく芸はまだやっているのかな〜。
この2人の漫才はイヤミがなくて大好きです。

でも結成してから40年近くだそうですから、2人ともエエ歳になってるんやな〜、、、。
面白い恋人

これは北海道のある会社が発売している、”白い恋人”というクッキーの箱のデザインをまねて吉本興業の子会社が発売しています。

大阪土産として抜群の人気があるそうなのですが、北海道の会社から販売禁止を求める訴訟が起きているそうですが、どうなったのでしょうか。
売られているという事は禁止にはなっていないのだと思います。

”面白い恋人”はクッキーではなく、みたらし味のゴーフレットというお菓子です。
創業100周年

吉本興業は今年の4月1日で創業100周年を迎えたそうです。

驚きです。これもNGKという略語同様、知りませんでした。吉本ファンとは言いにくい感じになってきました。

ちょっと調べましたら、吉本興業に属する芸人は800人ほどいて、吉本興業は資本金125億円の大会社です。
はじまり、はじまり、、、

12時45分開演です。開演中は撮影禁止と言うことでカメラはオフ。
1年分、笑わせて頂きました。ジョージ森本、桂文珍の漫談は最高でした。

新喜劇では私の好きな芸人の一人である桑原和男のおばあさん役を見ることができ大満足。

桑原ばあさん:「私は普通のお婆さんと違うのよ」
突っ込み役:「どこが?」
桑原ばあさん:「私は家に帰ったら男やで」
観客:アハハ、、、、
ダウンタウン

観劇が終わり、外に出るとこんどはダウンタウンの人形が愛嬌を振りまいていましたので、再度パチリ。

関西方面の芸人は99%が吉本興業所属です。落語家も殆どがそうです。
NHKの朝ドラも大阪放送局企画のものは吉本興業の芸人がずらりと出ます。

やはり不思議な会社です。
堪らず入っちゃいました

NGKで笑いすぎてお腹も減っています。バスの集合時間まで少し時間があります。という事で、躊躇なく飛び込んでみました。

ここで出されたホルモン、今まで食べていたホルモンって一体何やねん と思わせる味でした。

ビールを飲みながらホルモンを食べましたが、このままでは焼酎の瓶に手が伸びそうです。涙を飲んで、ビールでガマンをしました。

ここには吉本の有名な芸人もよく来ると店のアンチャンが言っていました。

吉本新喜劇の魅力って一体何なんだろう? ちょっとだけ真剣に考えてみました。
私が思うにそれは3つの理由があると思います。

1. 劇のストーリーのバックグランドがどこにでもありそうな家庭、会社、店などに設定してあり、観る方がその設定に何の抵抗もなく溶け込める。

2. 劇のストーリーが実際にありそうで、実は絶対にあり得ないバカバカしさで最初から最後まで構成されており、劇全体が桁違いのフィクション性を発揮している。

3. 観客は出演する芸人のギャグの”つっこみ”と”オチ”を観る前から熟知しており、これがいつ出るかいつ出るかと期待をし、そしてそのギャグが出ると何だかすごく安心した気分になる。


吉本新喜劇のギャグは関西人でないと理解が難しく、吉本新喜劇が関東進出をはかった時に、関西でウケるギャグが全くウケなくて失敗したという歴史もあります。
漫才の世界ではずっと以前から言われていた事で、大阪の笑いと東京の笑いは違うというものでした。

では大阪(関西)と東京(関東)の違いとは何か、これは実にいろいろな人が実にいろいろな意見を出していますが、私は”浪速(大阪)の本音”と”江戸(東京)の建前”の違いだろうと見ています。

まあ難しい事はともかく、私にとっては千日前通りと道頓堀付近を初めてぶらつく事ができ、吉本新喜劇で大いに笑うことができた楽しい1日でした。

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