12−02−06 今度は和歌山
先週の金曜、土曜は期間従業員の採用面接で和歌山へ。この前に行った静岡と同じく、和歌山に行くのは私は初めてです。木曜日の午後、近鉄白子駅からまず大阪の鶴橋駅に向かいます。

ここ数日前から日本列島は寒波に襲われて日本海側では大雪、太平洋側でも地方によっては雪が降り、気温もグンと下がっています。
この日も昼前から鈴鹿も雪が降ってきました。鶴橋までの近鉄特急は山の中を通って名張、大和八木を通過して鶴橋に到着しました。

近鉄特急に乗って大阪に来るのは何年ぶりだろう。思い出せないくらい昔の事で、恐らく30年近くになるのではないでしょうか。車窓から流れる風景を見ながらはるか昔の事を思い出していました。
見事なお城です
雪は青山トンネルを抜けたところでなくなりました。鶴橋からはJRに乗り換えて天王寺まで、天王寺で更に乗り換えて和歌山駅に着いたのが夕方の6時ちょっとでした。

和歌山駅からホテルまではタクシーに乗りました。
ホテルまでは会社の案内によるとバスで15分とありましたが、バス停を探すのも面倒だな〜と思っていたら目の前がタクシー乗り場だったので、自然にそれに乗り込んだという次第でした。

ホテルは10階の部屋で、和歌山城が目の前にドーンと見える、ベストポジションです。お城はライトアップされて見事です。

そう言えばこの前行った静岡もホテルは駿府城のほんの近く、今度は紀州徳川家のお城の前で、何だか徳川家のお城巡りをしている感じです。

そうすると次は名古屋か水戸になるのかな〜、などと考えたりしましたが、水戸では期間従業員の募集はやっていないので、これはナシです。

さて晩飯はどうするか、、、フロントでもらった地図によると、ホテルの北側に向かって10分〜15分歩けば、いろいろとあるみたいです。
しかし外は寒い!

という訳で外に出るのはやめて、ホテルの3階にある居酒屋レストランで済ませました。この居酒屋レストラン、文庫本を読みながらチビチビやるには照明が暗すぎて、目が疲れてしまいました。
碧目の白人だったらOKだったのでしょうけど。
翌日は昨夜遅く着いたKさんとロビーで会い、市役所前の面接会場のビルに向かいます。
大きな会議室が2つ借りてあり、予め宅急便で送られてある採用試験七つ道具の入った段ボール箱から書類とかを取り出して、30分ほどで準備完了です。
応募受付は午前、午後で1日2回、これを2日間行いますので合計4回です。

今回も様々な人が応募に来てくれました。応募に来てくれた方々にはまず採用案内として勤務の条件、給与、寮などについての説明を行いますが、みんな真剣そのものです。
ここで先ず説明会をやりました
そのあとKさんと2人で手分けして別室で履歴書を見ながら様々な質問をします。観点はいろいろあります。そして話を聞きます。

会社をリストラされて、その後入った会社も倒産し、次に入った会社は仕事がどんどんなくなって給料が激減。
都会から地元に帰る事情があって帰ってきたものの、不景気で非常に安い給料でしか働けない。

とにかく働くところがない、何でもいいから働くところが欲しい。

本当に今の世の中の不景気の波をもろに被っている人達ばかりです。

一応に言えるのは、皆さん真面目に働こうとしている姿勢がひしひしと伝わってくる点です。
面接に来ているのだから当たり前じゃないかという人がいますが、そんな言い方は世の中を知らない人です。みんな真面目に働きたい、きちんとした安定した生活がしたい、心からそう思っている姿を知らない人です。

こんなに多くの人が働きたいと思っているのに働くところがない今の日本。
自分の事と自分の政党の事しか考えていない政治家とか、ゴタクを並べるしか能のない大学の先生とか、専門家と称するバカ共を私の横に座らせて、こういう人達の生の声を聞かせてやりたいと真剣に思いました。
さて2日目の朝、ホテルのレストランで朝食を食べながら読んだ新聞、「家電メーカー1兆数千億円の赤字」、という一面記事にびっくり。
パナソニックが7000億円、シャープが2900億円、ソニーが2200億円、、、東芝とか富士通は黒字になっているものの当初予想を大幅に引き下げたとか。

こうなった理由はいろいろとある訳ですが、重要なのはこの結果がこれから何をもたらすのかです。それはリストラ、つまり従業員のクビ切りです。
忘れてはならないのは、こういう大手メーカーの下には無数の部品メーカがぶら下がっており、大手が大赤字転落となればこれらの部品メーカも同じようにダメージを受けてリストラが行われることです。

これでまた失業をする人が増えるのです。
今の政府は「大企業」、というだけで悪者扱い、というか、敵視さえしている連中の集団です。こういう思想の連中に今の日本を委ねているという事実を我々はもっと自覚すべきだと思います。
静かな地方都市です
日本を支えている産業を何としても守り抜くための政治を行うべき政府がそれは、「私企業の問題」、みたいな目で見ているのですから話になりません。

これまで日本を支えてきた家電産業の衰退はすなわち日本の衰退です。
日本の衰退とは、日本人が日本で今までと同じ生活ができなくなる、という単純な現象を意味します。

これからどうなるのでしょうか。
今こそ日本中みんな(政府、官僚、企業、国民)が力を合わせて対応をすべき時ではないか、そんな誰でも言える一般的な事しか言えない自分が情けない、、、。

現在は期間授業員を採用している私の会社もこの先どうなるかわかりません。
世の中の雇用情勢は非常に厳しい、これはマスコミなどを通じて誰でも知っていることです。

私は製造会社の技術領域のマネージメント職です。ですから”製造”と”技術”を通して社会を見ます。
ものを造るという事が社会に何をもたらすか、これは少しはわかっているつもりです。”もの造り”とはズバリ、人を幸せにする三つの根幹要素の一つであると信じています。

しかしこうやって期間従業員採用面接業務を通じて世の中の現実を肌で感じる機会を得た事は、私に大きなインパクトを与えました。

どうすればいいのか、今の日本はやらなくてはならない人達がやるべきことを正しくやっていない、そのような国に見えて仕方ありません。
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