11−08−25 平等社会の誕生
先日ある新聞の夕刊を読んでいましたら、日本の年金制度の修正の方向性についての記事がありました。

1.年金の支給年齢の引き下げ(68才〜70才)
2.支給金額の引き下げ(最大40%程度)
3.掛け金の所得上限の引き上げ、etc。
4.全国民に一律で国民基礎年金(だったかな?)なるものを支払う

というもので、特に4.は過去の年金加入・支払い実績にあまり関係なく(少しは関係させるみたい)行う、と書いてあります。とうとう出たか、という感じです。

更に現状の問題として、130兆円くらいある厚生年金の積立金があと10年ちょっとでなくなるという試算、これなどは政府の言う積立金は絶対になくならない、という発表とは全く異なります。
どっちが本当なのか、読む方は迷っちゃいます。
でもいろいろ調べてみると、「なくなる可能性が極めて大きい」、というのが正しいようです。

それと新聞には短くしか書いてありませんでしたが、支給対象個人の所得・資産によっても支給を減額するという。
つまり貯金がある人には年金は払わない、という図式です。(所得制限は既に今でもある。)
国民総背番号制度の導入も2015年をメドに決まっており、これは個人資産把握の重要な手段になるのは間違いありません。

まとめると、徴収の方は、一定の所得がある人からは義務と称して、お金吸い取れるだけ吸い取る。一定の所得に達しない人からの掛け金徴収の条件はうんと緩やかにする。
支払いはみんな平等と称して、バラマキ年金制度にしてしまう。
別な言い方をすると、一生懸命貯蓄をして将来に備えた人には、「お前、貯金あるだろ?じゃ年金はいらないね?」、という事で払わない。

そうか〜、、、真面目にコツコツやってきた人からお金を巻き上げ、それを適当にやってきた皆にばらまく、モトイ、お金持ちからお金を巻き上げ、それを恵まれない人々に支給する、、、。
昔、政治経済の先生が言っていた社会がとうとう実現するのです。感無量であります。
ここのところUSドルがグングン価値をなくし、エライ円高になっています。現在1ドル=75円近くで、あと1年以内に1ドル=65円くらいになるという予測が有力です。
理由はアメリカのオバマ大統領が再選に備えて、メチャクチャになっているアメリカ経済を立て直す実績を国民に見せる必要があるからだそうです。

このレートはドルと円の購買力の比較でいくと実態に合いません。
食品なんかは1ドル=150円〜200円、光熱費は1ドル=200円〜250円、住宅は1ドル=250円くらいの感じで、1ドル=70円〜80円でいいのは、書籍、洗濯代、一部の雑貨などになると思います。
電気製品、車など工業製品でも1ドル=100円から150円くらいでしょう。

これは何を表しているかと言えば、実に日本の産業の国際競争力を表しています。

給料(年俸)で言えばこれも1ドル=70円で計算すると普通の警官の初任給が2万5千ドル〜3万ドル(180万円〜200万円)、中堅の中学校教員が4万ドル〜5万ドル(280万円〜350万円)くらいですから、これも現在の為替レートで日本と比較するとおかしくなってしまいます。

問題は、この異常な円高で企業の国際競争力がなくなってきたので、特に製造業は日本での生産から海外へのシフトを更に加速させている点です。
これに関して、今の日本では国民も政府もマスコミも他人事のような言い方をしていますが、確実に雇用が減って失業者が増えるという点にはあまり触れません。

民主党によって派遣で労働者を使うことができなくなって、企業は安い労賃の海外に生産をシフト、更にこれからの更なる円高でシフト加速。もう日本には何にも残らなくなってしまう訳ですが、これに誰も殆ど反応しないのはどうしてでしょうか。

円高で海外旅行が行きやすくなったとか、殆どどうでもいいような事しか報道しないマスコミって一体何なんだ?
やはり日本は失業者と、収入のない老人があふれるだけの薄汚い国になるようです。
民主党の菅さんが首相を辞めるという事で毎日騒いでいますが、よく考えたら今の民主党って1960年代、70年代の学生運動家連中が代議士になって大臣になって、その中の一人が総理大臣になって、つまりは学生運動の延長線上で政治をやっているに過ぎない、というのがやっとわかってきました。

私の会社にも、「私はかつて学生運動に参加しておりまして、、、」、というのを堂々とみんなの前で言った役員もいましたし、まあ当時は一つの流行・ファッションだったのかな、というレベルで考えればいいのでしょうが、この時の思想で実際の政治をやっているのが今の政治家の多くですから、世の中メチャクチャになってしまったのは当然です。

当時の運動家達の多くは、その後改心したかのように見せかけ正業に就いた訳ですが、精神的な構造はそのまま残っており、これらの連中がずっと強力な支援メンバーになって今に至った、というのが今の日本と言っても差し支えはないと思います。
同世代から少し上の連中と話をすると、そういう雰囲気を残している人が結構多い。

結局は今の日本は政治家せいでこうなったのではなく、こういう政治家を支援した国民がいた、という当たり前の事がやっとわかりました。

「元運動家諸君に告ぐ、、、今からでも遅くはない、正しい道に戻りなさい、、、戻らない者は排除されるぞ、、、お前達を見てお前達の親、そして国民の多くは泣いているぞ、、、。」

(75年前のある有名な放送を参考に、書き換えてみました。)
今東京電力の役員とか社員の待遇・給料とかが高い、という事で話題になっています。
原発で事故を起こしておき、日本国がひっくり返るような被害を引き起こしておきながら、役員が4000万円の報酬をもらうとは何事だ!
40才の社員に150万円のボーナスを支給するとは何事だ!あちこちに保養所を持っているとは何事だ!全く反省が足りない!けしからん!!! という、簡単に言えばそういう事のようです。

そういう言い方をするなら、政府・官僚も同罪です。事故直後の初動対応のまずさは総理と素人大臣が寄ってたかって対応を混乱させた事が一番大きいと思うのですが、これはあまり言われない。
東電だけが極悪非道な組織・諸悪の根元、311以降日本をここまでメチャクチャにした張本人というトーンで言われ、今では東電の社員の子どもは学校でもイジメの対象になっているとか。

そして政府も東電の役員報酬・社員給与・福利厚生などについて調査を始め、結論はまだ先のようですが、調査委員会(?)は、「高い、良すぎる。」、というコメントを既に出しています。

東電の社員とその家族は社長以下全員が、2DKの木造築30年のアパート(もちろんトイレはドボン)に住み、ただひたすら事故の懺悔をする。
食事は一汁一菜で、晩酌にビールの小瓶でも飲もうものなら、新聞の一面に、「東電役員、晩酌にビールを飲む!」、と報道される。自家用車は中古の軽自動車以外に乗るのを許されない。
休みに家族で温泉に旅行に行こうものなら、みんなで取り囲んで、どこに行くのか詰問する。


社会が要求しようとしているのは、これと五十歩百歩です。

私企業(電力会社の場合は少し特殊ではありますが)の役員・社員の給料に政府が口を出す、これって日本は社会主義国家を目指している、と言われても仕方ないな〜。
中国の地方役人が東京に旅行に来て、ビッグカメラとかで年収の10倍以上の200万円、300万円の買い物をしているのを見ると、社会主義国家もそんなにいい仕組みとは思えないのですが。

まあ難しいことはともかく結局は、「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い。」、の世界だけとも言えなくはありませんけどネ。
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