10−08−06 ムダとは
毎日暑い、周りの人も今年は異常だと言います。
あの爽やかなオハイオの夏を14年間経験してきた私の身体は、ちょっとやそっとではこの気候に慣れそうもありません。
日曜の夕方夕日が傾いた頃芝刈りを終えて、シャワーを浴びてさっぱりとした芝を見ながら飲んだビール、湿気のないそよ風が肌に気持ちいい、暗くなると芝生の上のにはホタルが舞って、、、。

そんな記憶が強く残っている私は今はエアコンの下で何とか生きています。
毎日の生活は、朝家を7時20分頃に出るとデスクには7時50〜55分に着くことができます。事務所には既に半分以上の人が出勤しています。
始業は8時10分ですが7時40分頃に出勤している人も多くいるようです。

どうしてこんなに早く来るかと言うと遅く来ると道路が混むからだと言います。それに予測できない事故とかあった場合、遅刻するかも知れないので早く来ると言います。
でも始業30分前に来ても時間外勤務扱いにはならず、それでもみんなはPCに向かって何か仕事をしています。

オハイオでも早く来る人はいました。でもそれは申請をすれば残業扱いにしていました。申請していない人は早く来ると車の中で時間が来るまでじっと待っていました。始業5分くらい前になると、車からさっと出てオフィスに向かっていました。
早く来ればサービス残業で仕事をする日本人社員、ギリギリまでオフィスには入らないオハイオ人達、どちらがシステムとしてはいいのか。

ちなみにオフィス以外の作業現場ではオハイオでは休憩時間に作業の段取りとかを行う事を厳しく禁止していました。日本の現場ですと休憩時間、昼食時間などを使って作業準備を行うのはそんなに珍しい事ではありません。
しかしオハイオではもしこのような事を見つけたら、誰でも直ちに総務に連絡する事を義務づけていました。職場の上司ではなく、"総務"に、です。

理由は詳しくは忘れましたが、休憩時間に仕事をする事を認めるのは、仕事時間に休憩する事を認めるのと同じ事になる、という事だったと記憶しています。
帰国してから社内、社外のいろいろな手続きのために市役所に行く事が何度もあります。印鑑証明の発行、住民票の写し発行、納税証明の発行などなどです。
これらの証明を発行してもらうには、市役所の本庁舎に行かなくても済ませる事ができます。

鈴鹿市には市民センターなる事務所が、こんな小さな市にも係わらず22カ所もあり、ここでやってくれるのです。市民センターというのは、いろいろな市民のための教室とかが開けるように作ってある立派な建物です。
そして建物は何十台もの車が駐車できるように、大きな敷地の中にゆったりと建てられています。事務所の中には3人〜4人の職員が勤務しています。

私はこれまでに2カ所の市民センターに行きました。所長さんは新聞を読んだりするのが仕事ですから、残りの2〜3名の職員が住民対応をします。
でも証明書の発行ですから、簡単な仕事です。これらの人は正規の市の職員なのか、嘱託なのかわかりませんが22カ所を併せると、全部で70〜80名になります。

この小さな市の22カ所の市民センターの年間維持管理費は一体いくらなのか、8〜10億円くらいになるのではと思います。住民票とかの発行が主たる業務の市民センターなる施設がナゼ22カ所も必要なのか、大いに疑問です。
ゼロにしてもいいとは思いませんが、数カ所に統合して大きな駐車場を併設すれば十分だと思います。

ちなみにオハイオには戸籍制度も住民票も印鑑証明もありませんので、住民が市役所に頻繁に出入りする事はありませんでした。(私は14年間で一度も市役所に行かなかった。)市役所自体が非常にシンプルです。
警察、消防、教育委員会、それに水道とかゴミ集め、雪かきなどのインフラサービスは民間委託です。市会議員はボランティアみたいなものなので、給料は雀の涙程度と聞いていました。
先日鈴鹿市と三重県から広報誌などが届けられました。これらは町内会の班長さんが一軒ずつ歩いて配ってくれるのですが、次のような内容でした。(発行部数は県政だより以外は鈴鹿市の所帯数から推定)

・市議会だより(9ページ)2ヶ月に1回発行:8万部
・鈴鹿亀山地区広域連合広報(8ページ)6ヶ月に1回発行:10万部
・県政だより(16ページ)1ヶ月1回発行:72万部
・広報鈴鹿(24ページ)1ヶ月2回発行:8万部
・その他、健康診断案内(2ページ):8万部


これについて簡単な計算をすると次のようになります。1軒の家に届けられる年間の広報誌などのページ数:862ページ、これ以外に臨時でいろいろな連絡が回っていますので、何だかんだで1000ページ弱と考えていいのでしょう。
1000ページの情報量とはどういう事かと言いますと週刊誌6冊分、文藝春秋2冊半、新聞250ページ分です。
これだけの情報が自動的に各家庭に流れ込んでくるのです。

問題はこれらの広報誌に何が書かれているか、ですがズバリ、知っていればベター、でも知らなくても特に困らない、という内容が殆どです。

市会議員が川に魚を放流した、なんて記事ははっきり言って全く必要がないし、平成21年度下半期の市の財政状況の表を見せられても、改善の余地があるのか不足なのか、足りてるのかさっぱりわからない内容です。

年間1000ページ(500枚)の地方自治体からの広報誌、鈴鹿市は8万所帯ですから8000万ページ、つまり積み上げると4000m、俗に言う富士山を超える高さ、という計算になります。

また広報誌を作成のために必要な人件費と経費(殆ど外注でしょうけど)って億単位のひょっとしたら10億円とかを超えるのではないでしょうか。

オハイオではどうでしたかって?私の住んでいた市は割と裕福(市の税収が豊)な市でしたが、市からは1年に1〜2回郵便で1〜2枚のお知らせが届く程度、後はテレビ・ラジオ・新聞でのニュース・お知らせで伝えておりました。

私は昨年の春先に落ち葉の回収が有料になったのを知らなくて、何で私の家の落ち葉を回収をしてくれないのか、こりゃ人種差別かな?等と思ったりしました。
実際はテレビ、ラジオで何度もお知らせがあったそうなのですが、私が見落としていたのでした。

こういうムダに何とか党の何とか言う中国人議員がやった”仕分け”をやってくれる市会議員とか県会議員はいないのですかね〜。
広報は中国でやっているような壁新聞にして、誰かがそれを読み上げるとか。
アイデアはいくらでもあると思うのですが。
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