10−05−16 カウントダウン開始

オハイオ生活も残り少なくなってきました。
肝心の家の売却は買い側が雇ったインスペクターが家にやってきて、私の家を徹底的に4時間半をかけて点検をしていきました。

点検は外観、地下室、1階、2階、それぞれ1時間ずつという念の入れようで、水回り、電気系統は徹底して行われました。例えば電気系統は回路をショートさせてサーキットブレーカーの作動を見るとか、台所では収納庫の蝶番の作動、錆の具合まで点検をしていきました。
このデッキの下にはウサギのファミリーが住んでいます
結果は2日後に買い手側から正式に我々の側に提出されました。
そのレポートは細かい字でびっしりと書かれた、何とと19ページのもの。これにはさすがに驚きました。つまりこのレポートに基づき、買い手側は、買う条件として各部の修理を求めて来るのです。

やがて修理要求が送られてきました。
トイレの換気扇の音がうるさい、これは寿命が近いと思われるので修理をして欲しい、から始まってバックヤードのデッキの手摺りがぐらついている、これを修理して欲しい、それに暖炉の安全性に問題がある、これの修理をして欲しい、などという言いがかりみたいな内容になっていました。

次にこれらの修理をすると一体いくらくらいの費用が必要なのか、翌日には業者が見積もりに来ました。見積もりは1時間ほどで終わったそうで、直ぐにその金額がメールで送られてきました。

さて、、、ここから交渉なのです。「修理”要求”はわかった。でもこちらの条件はXXXXだ。」、と逆に提案するのです。XXXXとは具体的にこちらが出せる金額の提示です。
すると地下室にある洗濯機と乾燥機をタダでくれ、と相手側から別な条件が出てきました。

「タダではあげない。XXXで買って欲しい。」

こういうやりとりが延々と続きます。疲れ果てます。誰か代わりにやってくれ〜、、、。

家の売却と同時に家具の売却も進めなくてはなりません。
私はオハイオに赴任をして、全ての家具を新品で揃えました。あちこちの店を回ってあれこれ悩みながらベッド、タンス、ソファー、テーブル、その他全部を新品で買いました。

でもこれらのアメリカで買った家具は日本に持っていかない方がいい、というのが定説です。理由は日本の家にこれらの家具を入れると大きすぎて、不釣り合いになるからです。それにこちらの家具は見た目は悪くないのですが、作りは???で、わざわざ日本まで運ぶ価値はない、という感じです。(うんと高価な家具を買った人は別です。)

そんな訳で売りたい家具を写真に撮り、値段を付けて2軒ある日本食材のスーパーに貼りました。ここのスーパーにはこのような家具の売買とか、家に関する事とかの掲示板があるのです。

結果、3週間程で全部の家具の行き先が決まりました。
私の場合、全部新品を購入したとはいえ既に13〜14年間も使用したという事で、格安(買った値段の5〜8分の1)で値段を付けましたので、簡単に売れたのかも知れません。

その中でキングサイズのベッドが欲しいという事で電話をくれたのはSさんという日本人の女性。
早速家に来て実物を見てもらいましたが、日本人の若い夫婦、と思ったら旦那さんはカンボジア人でした。
「はい、私も日本人だと思って声を掛けたのが、付き合うきっかけでした。」、とカンボジア人の旦那さんを前にSさんも言っておりました。

Sさんはコロンバスの南の方に住んでおり、年令も私達の下の娘と同じ、埼玉の出身、そして車も我が社の車に乗ってくれていたという事で大いに気に入りました。

そんな訳でいろいろと奮発をしてあげました。
下の娘がオハイオにいた頃に買ったミニコンポと布団を2組をこの日にタダであげました。
Sさんは、
「両親が来たときはやはり布団に寝かせてあげたいので、これで助かりました。」、と言ってくれました。

先週の日曜日にベッドを運びに来た時は大きな車と2人の友人を連れて家まできました。
一人は東南アジア系、もう一人は白人でしたが、2人とも純情そうな若者でした。Sさんに聞くとみんな小学校、中学校の時からの友人だそうで、同じ町に住んでいると言っていました。

「こんなのを作りましたので、食べて下さい。」、と当日肉じゃがを持ってきてくれたSさん、どうかオハイオで幸せに暮らして下さい。
1月前になるとそろそろ電気、ガス、水道などを止める計画を立てなくてはなりません。まず最初にインターネット、電話、ケーブルテレビの解約をやってみる事にしました。
トールフリーの電話でオペレターにつなぎ、キャンセルです、というと案の定、その理由を聞いてきました。

「私は日本人で、アメリカでの生活を終え、日本に帰ります。それで6月X日からキャンセルをしたいのです。」、と言うとあっさりと受けてくれました。電話で話した感じでは”キャンセルしたい”だけですと、かなり食い下がってくる雰囲気でした。

パスコートの確認とかいろいろな事柄のやりとりをして手続き完了です。手続きの途中でオペレーターがカチャカチャとキーボードを叩いている時、「ところで日本に帰るのは嬉しいですか?」、とかいろんな世間話をしてくるのはこちらの特徴で、申し込みの時もそうでした。

無線ルーターとかバックアップ電源とかの装置の返却ですがこれは簡単です。これらの機械は自分で取り外して、最寄りのUPSストアーに持っていけばそれで完了という、アメリカらしい方法です。
UPS持って行ったらキャンセル番号と私のカスタマーIDを言うだけで、本当によくできたシステムだと感心してしまいました。

オハイオ生活を終えるまでにはまだまだやる事は一杯ありますが、ひとつづつやっていくしかありません。残された時間はそんなに多くはありません、、、。
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