10−02−24 終わりました

気が付くと意識は割とはっきりしているものの、身体中の感覚があいまいな感じでした。
終わりました。
そうか、終わったのか。痛みは感じませんが身体を動かす気にはなれません。何か怖い。そのまま3階の入院患者用の病室に運ばれていきます。今何時だろう、、、、。
そうです、私はドクターMの指示どおり腰椎の手術を受けたのでした。

この日は朝の5時30分に病院に着き、受付をしました。寒い寒い、まだ真っ暗な道をカミさんを横に乗せて自分で車を運転をして病院に向かいました。

6時ちょっと過ぎに準備室に入りました。ここで服も下着も全部脱ぎ、いろいろな質問をされて簡単な検査を受けました。

手術前の詳しい検査は1週間前にホームドクターのところで行い、その結果が送られているので、入院後即手術というのがこちらのやりかたです。

オハイオのように早朝に手術をやっても、日本のように午後から手術をやっても、入院日数は1日は1日です。
これは保険会社が医療内容を実質的に決めているアメリカでは重要な事なのです。

準備室では担当の麻酔医が2名やってきて、いろいろな質問をしました。
やがて看護婦さんが右手から点滴を入れ、足には鬱血防止のエアーマッサージ器を取り付けました。

じゃ手術室に向かいます。」、と言って手術台に乗せられた私は準備室を出ました。そこまでは覚えていますが、目が覚めたのは3時間後の10時ちょっと過ぎでした。

私の身体は管だらけでした。右手には点滴、これにはボタンを押すと痛み止めが点滴を通じて身体に回り込むようになっていました。背中には手術をした体内から出る血を吸い出す細い管、オチンチンにはおしっこを吸い出す管、鼻には酸素の吸入管、左手の中指は体温を常時測定するためのセンサー、それに両足にはエアーマッサージ器が付けられていました。

2時間だか3時間事に看護婦さんが来て血圧とかを測定し、いろいろな質問をしていきます。それに時間があれば息を大きく吸い込んで吐く動作をするように指示があります。これは肺炎を防止するために重要な動作だと言われました。
お昼になりました。看護助手が飲み物を運んでくれました。

不思議と手術をした背中はそれ程痛みません。痛いのは腰全体と下肢、特に右足です。
痛みは周期的に襲ってきて、ああ来るなー、と思った時に痛み止め供給のボタンを押します。効果てきめん、10分もすると痛みは消えていきます。

夕方に手術部位から出血している吸い上げている血液袋を取り替えました。かなりの出血で、コーヒーカップ2杯ほどありました。
担当の看護婦さんは1名、看護助手さんが2名で、ボタンを押すと直ぐに飛んできてくれました。

夕食はどうするか聞かれましたが、食欲は全くありません。流動食をお願いしました。
ここの病院のシステムは、食事制限がない患者は自分の食べたいものを自分で電話でカフェテリアにオーダーして、病室までデリバリーしてもらうというものでした。

看護婦さんが、「食事は?」、と聞いてくれたのはあくまでも親切で、看護婦さんが私の代わりにオーダーをしてくれていたのでした。
2日目以降、私は3食全部自分で電話でオーダーをしてデリバリーをしてもらいました。

1日目は大きな痛みもなく、ベッドの上でじっとしているのみで、ああ手術ってこんなもんなのか、と思っておりました。
(これは全く大きな間違いで、実は地獄が2日目以降待っておりました。)
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