09−03−14 ゴチ(頂きます)

日本にいた時に社外の方でお付き合いのあったTさんからメールがありましたTさんはある大手のコンピューターソフトウエアー開発会社の方で確か私と同じ年令だったと記憶しております。
メールにはTさんの娘さんがメインある町でホームステイして、地元の小学校で教育実習をしたという内容でした。

Tさんの娘さんは教育学部の学生で、外国での教育実習もプログラムの中に組み入れられているとの事でした。メールの中には娘さんが経験したいろいろな事が細かく書かれており、2週間と言う短い期間に多くの経験を詰まれた様子が手に取るようにわかりました。
そして実習先の小学校で子ども達に桃太郎の紙芝居を見せたりして日本の紹介をやった事が書かれてありました。

一つ興味深かったのは、日本人は食事の前に、「頂きます。」、を言う事を紹介した教えたとありました。
つまり、「頂きます」、とは万物には生命があり、その「生命を頂きます。」、という事であると教えたそうです。私はこれを読んで、ナルホドなー、と思いました。
食べ物にも生命が宿る、この考え方は日本人であれば理解でき納得のいくことです。食べ物に限らず世の中にある全てのモノには霊が宿る、という事と関連すると思います。

食べ物とは言わば元々は動植物であり、動物には生命があり、植物にも生命が宿る事は小学生でも何となくわかる事でこれらを口にして、我々人間が生きていく、つまり他の命の犠牲の元に人間は命を保つ、という事に対する感謝の気持ちを、「頂きます。」、という言葉で表しているのでしょうか。

あるアメリカ人が日本に来て、野球をする少年達が最後にグランドに向かってお辞儀するのを見て、「グランドにも魂があり、それにお礼をしているのだ。」、という説明を受けて仰天したしたというのがある本に書かれていたのを思い出しました。このような考えはアメリカ人はどう転んでもできない、という事だそうです。

Tさんのお嬢さんの。「頂きます。」、の説明を聞いたこの子達、将来何を感じる事になるのでしょうか。

先日ちょっと面白い本を読みました。題名は”ラーメン屋 VS マクドナルド”という本で、かなり軽い読み物というイメージを受けますが、題名ほど軽い内容ではなく、データーと実例でしっかりと書かれた日米比較文化論の本です。この本は新聞の広告で見つけ、注文をしました。
定期購読意外の本はインターネットで申し込むと大体2週間くらいで日本から送られてきます。

筆者は”竹中正治”というエコにミストで東京銀行を経て、(財)国際通貨研究所に勤務する方です。
約200ページの本なので土曜日か日曜の休みの日でさっと読めるし、内容的には私の感想では★★★です。
以下目次。

第1章:マックに頼るアメリカ人 VS ラーメンを極める日本人
第2章:希望を語る大統領 VS 危機を語る総理大臣
第3章:ディベートするアメリカ人 VS ブログする日本人
第4章:”ビルゲイツ” VS ”小金持ち父さん”
第5章:一神教 VS アニメズム
第6章:消費者の選別 VS 公平な不平等

たとえば第5章では「日本人はナゼロボットが好きか」、から入って話の本質に迫っていきます。
現代日本人のロボットのイメージは鉄腕アトム、アメリカ人のロボットのイメージはターミネーターだと言います。鉄腕アトムは人間のパートナー、ターミネーターは殺戮者で人間の敵、この違いはどこからくるか、、、。

それはアメリカのようなキリスト教文化国では、「我々とそれ以外」、「人間と非人間」、「善と悪」というように2元論的なイメージの影響が強く、「ロボット→非人間→異質な驚異」、という連想が働く、、、、

ところが日本では非人間、非生物にも容易に「魂」、の存在を想像する、それが違和感なくパートナーとしてロボットを日本人が受け入れる、、、、、(つまり野球グランドにも魂があっておじぎをする、、、。)

ここから先が本論ででぐいぐい深く分析を薦めて行くわけですが、これ以上は本HPの趣旨から外れるので止めます。
そう言えばASIMO君のデザインも動きもカワイイって感じで、将来はこのロボットに病人・老人の介護をさせようなんて計画している訳ですが、アメリカじゃそんな発想はないだろうな〜、と思ってしまうほどです。

日本のTさんからのメールを読んで何だかこの本が気になり、もう一度パラパラとめくっておりました。
昨夜は4月1日付けで日本に帰任されるHさんの送別会。その後STさんのアパートで有志数名と2次会。家に帰ってきたのが深夜2時頃だったそうで、何か久し振りに飲み過ぎて、頭がボーっとしています。
私は飲み過ぎても、風邪をひいても何になっても頭痛という症状が出ません。というか、頭痛というものがどういう事なのかよく知らない、という体質でボーっとするだけです。

それはともかく、4月1日付けでもうひとりSさんという方も日本に帰任されます。3月〜4月は人事異動の季節でもあります。
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