08−09−30 急な日本出張
急用があって月曜日の朝のフライトで日本出張です。最初の計画ではオハイオ人を一人連れて行く予定でしたが出発の前日の日曜日の午後、「SHIN、荷造りをしながらパスポートを確認したら、今年の5月で期限切れになっているのがわかりました。スミマセン、日本に行けません。」、という電話が掛かってきたので一人で行く事にしました。

1週間ずらせて別のオハイオ人と行くという方法もありましたが、期限の決まっている仕事なので、時間をなるべく稼ぐのが一番のポイント。ここでの1週間は貴重です。
しかし、こんなの初めてです。まあ前日に、「スミマセン、私パスポート持っていませんので行けません。」、というよりは少しだけましですけど。

コロンバスからシカゴまでのフライトは、隣に座ったアメリカ人のおっさんが傍若無人な態度でで閉口した以外は問題なく到着。男女を問わず、白人には時々このようなかなり露骨な態度を取るヤツがおり、不愉快な事この上なしです。
国際線の5番ターミナルに行ってJALのカウンターに行くと、ン?制服を着た日本の女子高校生の集団です。

ハハーン、、、修学旅行のようです。みんなJALの職員からもらった段ボール箱にお土産を詰める作業をカウンターの前で一生懸命にやっています。お土産はブランド品のバッグとか、人形とか、何か食べ物のような物とか、様々でした。みんな楽しそうにワイワイやっていました。
シカゴからのフライトも予定どおり出発です。離陸して、シートベルトのサインが消えるとナゼかほっと一息です。機内は4分の3くらいが埋まっていますが、席は2−3−2の3(席)の通路側でしかも隣の席は空席で、ラッキーです。
シカゴから成田までは約13時間の長いフライトで、映画を見たり、食事をしたりしますが、私は半分以上の時間は寝るようにします。
(お米の)液体燃料を2合注入すると、地上で注入する4合分くらいの威力を発揮しますので、簡単に眠れます。

寝る時間以外等で私がやる事の一つに、航空会社が制作している機内誌を読む事です。JALの場合”SKYWARD”という雑誌で、ここ数年は養老孟司と浅田次郎のエッセイ、それに”ニッポン御当地ランチ食遊記”という記事を楽しみにしています。

今月号の養老孟司のエッセイの中にマニュアルについて、「具体的な手順を全部ていねいに教えるというのは、裏返せば”教えられたこと以外はできない”ということ。」、という一文がありました。オハイオの会社で仕事をしていると、アメリカのマニュアル社会の長所・短所を毎日経験します。

私の経験からではマニュアルは職種・職制でその作り方・使い方を十分に検討しないと、表面的には合理化したつもりでも結果は全くそうでなくなる場合がある、という事です。
マニュアルで細かく規定するというのは網戸の網の数をどんどん増やすのと同じで、網の目の数はそれに比例して増える、つまり規定できない例外がどんどん増えていく、という事だと言った私の友人の言葉をいつも思い出します。

それと今月号の”ニッポン御当地ランチ食遊記”は名古屋の”みそかつ”でした。名古屋を中心とした中部圏は他の地方から来た人にはわかりにくい文化が多くあるが、逆にこれが新鮮さにつながると書かれていました。
その例として喫茶店の「モーニング」、私は名古屋出身ではありませんが、名古屋の喫茶店の「モーニング」はよく知っています。

モーニングは全国にありますが、普通はトーストに卵が付く程度ですが、名古屋は違います。名古屋ではおにぎりとか、うどん、味噌汁なんかが付きます。店によっては茶碗蒸しが付くところもあるそうです。
中部圏の”みそかつ”に”モーニング”、それ以外にうどんにカレーぶっかけたり、おにぎりの中にエビの天ぷら入れたり、、、、確かにどれもなかなかユニークだなあ。

とか考えているうちに、液体燃料によって全身麻酔状態に陥っていくのであります。
カレンダーは変わって、9月30日。成田に到着。通関を済ませて予め申し込んであった携帯電話を借りてちょっと外に出てみます。なんか湿っぽいし、気温もそんなに低くはありません。

行く前に日本にいる人に電話で気候について聞いたら、「イヤー、涼しいですよ。夜は絶対に長袖です。半袖?昼間でも必要ありません。」、という事でしたので、全部長袖を持ってきました。
オハイオに長くいるから気温の感覚が違うのかなー、それとも今年の夏は異常だったので、日本にいる人達が少し恩田が下がっただけで涼しく感じているのかなー、よくわかりません。

今回の出張は成田からダイレクトに宇都宮です。都合のいい時間帯のバスがなかったので、上野まで京成線で行き、上野から新幹線で宇都宮まで。

飛行機の中でよく眠ると電車の座席に座っていてもすっきりとした気分で、爽やかです。
ポケットラジオを取り出して外の景色を眺めながらFM放送なんかをぼんやりと聞きます。

ある芸人が貧乏なとき、自分は1個80円のイワシの缶詰で飢えを凌いだが、その時に隣人から預かった猫の缶詰は1個110円で悲しくなった、とかいう”日本語”のトークを聞聞きながら、線路脇ギリギリに建てられた家並みを見ていると、やっと日本に来たという実感を覚えたりします。

ホテルのチェックインを終わって部屋に入ったのが18:20、コロンバスの家を出てから丁度23時間が経過しています。
コロンバスから1万キロ以上、地球を半分近く廻って13時間の時差を乗り越えてくるには長い時間と言うべきか、あっと言う間の短い時間と言うべきか。

さーて、明日から3日間、ちょっと面倒な打ち合わせが始まります。
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