08−04−12 アッセンズの桜
木曜日は5時前に起きて、デトロイトの取引先まで行ってきました。デトロイトまでは往復で600km以上、6時間です。朝起きて、出発寸前に何かを取りに地下室に行ったカミさんがあわてて上がってきました。
「湯沸かし器のタンクからお湯が漏れている。」、これは大変です。

私も地下室に行って見てみるとタンクの上の方からお湯が漏れており、床はかなり濡れています。デトロイトには行かなくてはいけないし、さて修理はどうするか。やはりここはこの前にエアコンを修理してもらった、会社のTCさんに御願いをするしかありません。

デトロイトに行く途中会社に電話をかけ、先ずJFさんを呼び出しましたがあいにく席を空けています。仕方ないので、同じ日本人駐在社員のHさんに事情を説明して、伝言を御願いする事にしました。
デトロイトの取引先に着いて、しばらくするとHさんから電話が掛かってきて、「JFさんが言うにはエマージェンシーで修理を頼むと装置・部品代を除いて、手間賃に1000ドル以上かかる。夕方でいいならば300ドルで済むらしいので、これでいいですか。」、というものでした。了解をして、そのまま会議続行です。

会議の成果は全く芳しいものではありませんでしたが、予定どおり夕方の5時過ぎには終了してコロンバスに向けて帰路に着きました。
さっそく車の中からカミさんに電話をするとTCさんが来てくれて修理の真っ最中との事。やはり給湯設備全部を交換する大がかりなものになっているとの事でした。
夜の8時半に自宅に到着、TCさんは10分ほど前に帰ったばかりで、給湯設備の交換は終了していました。カミさん曰く、修理の間はずっと懐中電灯でTCさんの手元を照らして作業補佐をやっていたそうです。

翌日会社でHさん、JFさん、そしてTCさんにお礼を言って一件落着です。ヤレヤレです。
昼食後TCさんは私の机まで来て、請求書を置いていきました。修理代は装置・部品代等が450ドル、工賃が200ドルの合計650ドルになっていました。カミさんの作業補佐についての明細はありませんでした。

さて今日は以前から計画していたアッセンズ( Athens )にあるオハイオ大学の花見の日です。コロンバスの天気は今にも雨が降りそうで、気温は10℃を下回っています。
昨年は4月の末に他の用事でオハイオ大学に立ち寄った時は桜花の片鱗もなく、やはり上旬に来なくてはならないと思い、今日を花見の日に決めたのでした。

最初の計画ではワシントンDCの桜を見に行こう、なんてカミさんと話しをしていたのですがワシントンDCは来年にして、やはり先ずは地元オハイオの桜名所のアッセンズする事にしました。

アッセンズは私の家から150kmくらい南にある町で、のんびり走って1時間半で行けるところです。

実は私の車は1月ちょっと前に交換したばかりの新車。
車は定期的に新車に交換しますが、今度のはスポーツ・セダンの分類に入る車で、なかなかシャープでパワフルな走りをします。
そんな訳でとにかく休みの日は乗り回してみたいという状態にもあるのです。

10時半に家を出ます。往きはナビの指示どおりに走って見ることにします。
ナビはコロンバスのダウンタウンの横を突き抜けるコースで、アッセンズに入ってもオハイオ大学の北側から入るという大胆なコースを指示してくれました。
大学は1.5kmX2kmくらいの広大で敷地で、車がないと構内の移動はできません。桜並木は敷地の南側の川沿いにあります。

桜花は満開、今日は最高のタイミングです。
コロンバスからアッセンズまでのドライブで気が付いたのですが、アッセンズまで来ると、直線では100kmちょっとしか離れていないのに、木々の芽の出方を見ると明らかに春の気配がコロンバスより色濃く感じられます。

お天気も雲の合間から太陽が覗くという感じになりマズマズです。
桜並木を散歩する人は殆ど見掛けませんが、桜の下でお弁当を拡げているグループを数組見る事ができました。
どうも1組は日本人のグループのようです。

写真を撮影していると向こうから歩いて来た東洋人に、「Nさん、こんなところで合うなんて。」、と声を掛けられたのにはびっくり。
アッと驚きましたが名前が思い出せません。確か取引先の、、、ダメです。やはり思い出せません。
「いやー、御無沙汰しております。ここの桜、本当にきれいですね、、、。」、とあいまいな挨拶をさせて頂きました。本当にゴメンなさい。

かなり本格的なカメラを持って写真を撮っているアメリカ人もいます。この桜並木は途中で一部途切れているものの300m以上あり、なかなか見応えがあります。第一に人でごった返していないところが魅力的で、本当にのんびりと花見をする事ができます。

桜は最高、お天気はマズマズでしたが気温がかなり低い。10℃ちょっとくらいでしょうか、それに風も少しありますので体感温度はうんと低い感じです。さーて、桜花を堪能し大満な私とカミさんはちょっとだけ大学の中心部に寄ってみる事にしました。

土曜日の昼ちょっと過ぎという事で、通りには学生が一杯です。たまに東洋人とかの学生も見掛けますが、殆どは白人の学生ばかりです。
OU(オハイオ大学: Ohio University )グッズの店に入って記念品を買います。私は別に欲しい物はないのですが、OUのキーホルダーを1個、カミさんは娘達へのお土産にTシャツを買っていました。

オハイオ大学の桜、なかなか見応えがあるものでした。もちろんワシントンDC、ポトマックリバーの桜とは比べるべくもないのでしょうがそこそこ楽しめました。
見物の人が極端に少ないので、やはりお弁当を持ってくるのがいいと思いました。

桜の下にゴザを敷いて、車座になって重箱を拡げて、ワイワイやりながら日本酒を煽る、、、上からはヒラヒラと桜花が舞い降りて来てコップに注がれたお酒の中に入る。
ついには酔いつぶれてゴザの上に横になって、気が付けば夕方になって後片づけをして、帰路につく、、、。日本ですとこんな感じですかね〜。(桜、桜と言っても結局は液体燃料注入の正当化のダシに使っているだけじゃないの?そんな声が聞こえてきそうです。)

アメリカでは桜花は、「白、又はピンクの樹木の花で、鑑賞に耐えるきれいな花」、であってそれ以上でも、それ以下でもない存在でしょう。桜に対して何か特別な思い入れは全くないと言えます。

でも我々日本人は違います。
桜花の下での宴会は、桜花と食べ物と酒が一体になる風情を味わうものであるし、桜花のぱっと咲いてぱっと散る潔さを日本人の心と重ね合わせ、花の咲いた瞬間を大切にし散っていく姿を見てはかなさを感じる。日本人はそういう気持ちを桜と一体化させるのです。

さてお弁当こそ食べなかったものの、桜花に満足した私とカミさん、再び1時間半をかけてコロンバスへ戻りました。
コロンバス近くまで来た時には雨がポツポツ。
決して良いお天気ではありませんでしたが、満開の桜を見ることができ、非常にラッキーな1日でした。
来年はやはりワシントンDCの桜ですかねー、、、、。
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