08−02−23 冬は大変です
オハイオは今、冬真っ盛りです。気温は最高温度が0℃、最低温度が−10℃以下という日が続いています。オハイオはクリーブランドとかの北の方に行くと湖(エリー湖)の影響で雪がそこそこ降りますが、コロンバス付近はそれ程でもありません。5cmとか10cmくらいの雪でしたら降る時間帯にもよりますが、それ程心配はいりません。

というのは幹線道路は雪かきをして、迅速に塩を撒いてくれるので、大体通常通りの運転ができるからです。困るのは雪がどんどん降っている時で、この時は雪かきの効果は少ないし、塩の散布も十分でない時があります。
雪かきをすると言っても完全にできると訳ではなく、道路にはカチンカチンになった雪が残りますから、車の運転には細心の注意が必要です。

しかし何と言っても一番イヤなのはフリージングレイン(freezing rain :氷雨)というヤツで簡単に言うと、気温がマイナス3℃とか4℃なのに雨が降ってくる現象です。

ナゼそんなに厄介なのかと言うと、雨が地上に落ちた瞬間、又は何か物に当たった瞬間に凍って文字通り、「氷」になるからです。

そのような現象が起きる理由は、水というのは静かに冷やしていくと0℃以下になっても凍らない状態になり(確か過冷却という?)、これに何か物理的なショックが加わると一瞬で凍るらしいです。

本格的なフリージングレインは今までに私は2回経験しており、1回目はオハイオに来た年の冬で、会社から帰宅しようと自分の車のところに行ったら、車全体が綺麗に暑さ2cmくらいの透明な氷でラップされていました。

あまりの見事さに、しばらく車を眺めておりました。2回目はそれから2〜3年してからで、その時は朝の出勤時で道路が完璧にアイススケート場になっていました。

そして3回目は今週の水曜日で、やはり会社からの帰宅途中でフロントウインドウに当たる雨がそのまま瞬間に氷になっていくので正直かなり慌ててしまいました。
下手すると、氷でドアーが開かなくなったりする事があるそうです。

フリージングレインは天気予報でも一冬に何回もありますが、実際にフリージングレインになったりならなかったりは狭い地域で違っていて数キロメーター離れると雪になっていたり、雨は降るが氷にならなかったり地域差がものすごく大きいようです。
フリージングレインが与える影響は交通だけではなく、送電線が氷で丸太のようになってブッツリ切れたりして、大停電を起こした例も一杯あるようです。

こんなように寒さの厳しいオハイオですが、建物の中は暖房が行き届いており、全くの薄着で過ごせます。これは会社も自宅も同じ状況です。
でもこの冬の寒さを一番身に沁みて感じて見える方々が何人か見えます。それは誰かと言いますと、「スモーカー」の皆さんです。

一時期会社の建物内はおろか、敷地内では一切タバコは吸えないというルールになりましたが、その後いろいろとあって今では会社内の特定の場所では吸えるようにルールが改定されました。この「特定の場所」とは、全て建物の外で、しかも建物から相当に離れたところに指定されています。

ですからタバコを吸う場合は防寒着を着て外に出なくてはなりません。−10℃で風が吹いていようものなら体感温度はたちまち−20℃以下になりますから、中途半端な防寒着では役に立ちません。

スモーカー達は防寒着に身を固め、かなり悲壮な表情で唇をかみ締め、少し目を吊り上げ、鼻水も瞬時に凍ると言われオハイオの原野、、、、もとい!、会社の駐車場にある喫煙所に向けて飛び出して行くのであります。
私は情けない事に意志薄弱で、4年前にタバコを吸うことを諦めてしまいました。

スモーカー達のその姿は見ていて少し悲壮な感じがしない訳ではありません。ここまでの逆境にもめげずにタバコを吸い続けるこれらの方々に、私は敬意を持って拍手を送りたいと思います。

日本のニュースは衛星放送も、そして雪で2日、3日遅れで届く日本の新聞も、「ギョウザ」と「あたご」が中心です。
ギョウザに入っていた農薬はこれまでの状況証拠から、ほぼ間違いなく中国の工場で入れられたという事のようで、それ以外で入れられたという説明はつかなくなっているようです。

これに対して、中国は「我々こそが今回の出来事の被害者である。」、とか日本に来た中国当局の担当者はヘラヘラ笑いながら、「まだ何も結論が出ていない段階で、いろいろと言うのはおかしい。」、とかいう発言を繰り返しています。

その後検査を強化したら、いろいろな食品から農薬などが発見され、先日は肉まんからも農薬が発見されました。
しかしこれに関しての中国の説明はなかなか振るっており、「これは中国に進出している日系企業が出荷検査を怠ったために起きた問題。中国の責任ではない。日本の責任。」、という内容でした。
こういう理屈をさっと練り上げて、そして堂々と口にするのは彼等の特技のようで、会社の中でも経験があります。

「あたご」の事故も調査中で、どちらが先に発見していたか、どちらに回避義務があったか、が問題になっていますが、どうも自衛隊側の落ち度がクローズアップされているようです。
この事件を中国のギョウザとか肉まん並みの理屈で、中国並みに防衛省が堂々と言えばどうなるか、中国の言うことは黙認するけど、防衛省は断じて許さない、みたいな雰囲気はどこから来るのでしょうか。

先日は防衛大臣と海上幕僚長が、亡くなった漁船の乗組員の親族の家を訪れて、深々と頭を下げている写真が新聞にありました。
つまりアメリカ流で言うと、海軍長官と海軍大将が漁民の家族にまだ捜査中の事件に関して、「今回の事故は国側にあるので謝る。」、という事をやってしまった訳で、これもギョウザ事件にあてはめるとどういう事になるのか、考えさせられます。

私はNPRニュースを毎日の通勤で聞いていますが、ギョウザ事件もあたご事件も20秒くらいの報道でした。

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