07−03−30 3月も終わり
私の職場では3ヶ月ごとに全社員が集まって、マネージメントからの方針の説明、業務の実績、その他一般的な事柄、例えばレクレーションに関する事などについて説明・討議をする場があります。
これは非常にアメリカ的と言えるイベントで、アメリカの企業などではよく行われている事のようです。
私が担当する職場の一つは約100人のオハイオ人がおり、全員が集まるとウチにはこんなに居たっけ?と思うくらいの人数です。

今日は今年1回目の社員集会が行われました。説明する内容は普段から十分に把握している事ばかりですが、一応事前に簡単に確認をしておきます。これをマネージャーのMZさんに仕切ってもらって説明をするのです。
毎度の事ですが、この説明の中身・方法は実にアメリカ的だとつぐづく感じます。

まず最大の特徴は結果が良くなかった、或いはうまくいかなかった事は話題に載せません。出すとしても項目だけで中身の説明はしません。話は最初から終わりまで、「君たちはよくやった、君たちの努力はこんなに大きな成果を生んでいる!」、で包まれています

私は以前に何度も、「やはりうまくいかなかった事もキチンと説明をして、担当者レベルまで問題点を共有化すべきである。」、とオハイオ人のマネージメントと話し合ったのですが、「そういう内容は別途、限られたメンバーでやっている。」、というオハイオ人達に押し切られ、私は諦めざるを得なかったという経緯があります。
これは問題・課題を解決するのはマネージメントの仕事で、一般社員は基本的にその役割は持たない、とするアメリカンマネージメントから来ています。

集会の終わりには、何でもでもいいから意見・質問を書いて下さい、という事で小さなメモ用紙が配られそこに無記名で誰でも質問を記入できます。
そしてその質問には極力その場で答える、というのがアメリカ流です。用紙はその場で回収され、「こんな質問があります。」、という形で質問は全部読まれ、マネージメントの中で質問の中身から回答に最も適した者が答える、という方法です。
もし万が一その場で答えられない時は、少なくとも2日以内に全員に対して文書(Eメール)で回答をします。

「仕事の負荷が人によって大きく違う。これを是正する計画はあるのか?」、とか、「ナゼ新製品の情報を我々従業員にはもっと早く、具体的に教えてくれないのか?」、とか様々な質問があります。
「前向きに検討します。」、のような回答は許されません。

やるなら、「いつまでにやる。」、やらないなら、「やらない。その理由は、、、、。」、という具合に具体的で明快なものでなくてはなりません。
とにかく全員の前で、きちんと説明をしなくてはならないのです。

質問は1月前に入社した新人(アメリカは定期採用という考え方がないので、常時新入社員がいます。)でもきちんとします。日本ですと、こんな質問をしたらダメかな?とか考えがちなのですが、アメリカは新入社員でも物怖じなく、ガンガン質問します。今日の集会では辛辣な質問はありませんでした。

この集会を利用して経営トップの考え方をブレークダウンしてはどうかと思い、やはり以前に提案をした事があります。しかしこれもオハイオ人の反対に遭って、断念せざるを得ませんでした。オハイオ人曰く、
「この集会はもっと身近な事をテーマにするのが目的です。そのような内容は、普段の業務の中でやっているから必要ありません。」

一般社員にとって重要なのは、トップの方針・考えより、直属の上司の方針・考えが優先、というこれもアメリカ組織の特徴からきています。
今年になってちょっとペースが落ちていたフィットネス通い、3月から再び猛烈に再開しました。週4日の目標で、会社の帰りが極端に遅くならない限り、ジムに行きます。土曜日も行きます。
成果は約1年をかけてかなり体重を落としたものの、現在は横バイ。これを再び下降線に乗せるのは非常に厳しい。

1回に6kmほど走って、消化されるエネルギーは400kcalちょっとで、これはケーキ1個分、日本酒2合分、又はラーメンをドンブリに半分程度のカロリーだそうです。
これだけ歯を食いしばって走っても、たったこれだけのエネルギーしか消費しないなんてちょっと情けなくなります。

一体毎日の生活でどれだけ歩いているのだろうかと万歩計をつけて測ってみたところ、多いときで3000歩、少ない時だと1500歩なんて時がありました。
こういう生活を10年間続けていた訳ですから、足が退化していっても不思議ではありません。

今のところジムで1週間に25km走っています。このペースを守れば1月に100km、1年に1200km、、、、な〜んて計算をしています、、、、、。

フィットネス通いをしていて気が付いた事がひとつ。
それは夜の8時頃になると小学生とか、中学生くらいの子どもを連れたお父さんの姿を結構見掛ける事です。
お父さんは子どもに、いろんなトレーニングマシンの使い方を教えたり、子どもも一生懸命にやっています。

それとジムの横にはプールと体育館があり、体育館はバスケットボールのコートがゆったりと2面とられています。ここにも夜には子どもが来て、泳いだりバスケットボールをやったりしています。
オハイオの子どもは日本の子どものように塾に通ったりしません。中学生くらいまでは学校の宿題もあまり多くありませんからこうやって身体を使って時間を過ごすことができるのでしょう。

オハイオの子どもは日本の子どもに比べて、非常に健康的だと思います。
イエ、子どもだけではなくお父さんも非常に健康的であります。会社の帰りに一杯やって、千鳥足で家に帰ったりするオハイオ人は先ず皆無です。

会社にいるオハイオ人達の話を聞いていると、今夜は娘のバスケットボールの試合だとか、息子の野球の試合だとか、そういう話題が非常に多い。
いろんな試合は平日の夜に行われる事が多いのもオハイオ(アメリカ)の特徴かも知れません。

あと2日で4月、これからスポーツの季節に突入です。
この季節は人事異動の季節でもあります。社内でもいろいろと動きがあり、取引先も普段からお付き合いの深い方の中から今現在知っているだけでも5名ほど異動される方が見えます。
その中の一人のMさんが昨日の夕方にご挨拶に見えました。

殆どの方は日本への「帰任」という呼び方の異動ですが、Mさんだけはオハイオからアラバマへの転勤、今度はここの700人程の規模の会社(現地法人)の社長さんとして栄転でもあります。
Mさんは昨年夏にイエローストーンへの旅行に行ったとき、ワイオミング州のデビルズタワーでばったりと合ってお互いに腰を抜かすくらいにびっくりした仲間でもあります。

アメリカ生活7年、今度行くアラバマの会社はエライ田舎で日本食材店はおろか、中華レストランもない(らしい)ところだそうです。任期は普通3〜4年で、来週早々にも赴任をすると言ってみえました。
Mさんにはまだ小学5年生の女の子がおり、任期中に中学生になってしまうのでその時には奥さんと日本に帰して、単身赴任をする決意である事も言ってみえました。

幼稚園からずっとオハイオで日本の学校を全く知らずこのまま中学校もアメリカで入学すると、途中で日本に帰った時に日本に順応できなくなるのではないか、というのがMさんの考えで私も全く同感である事をお伝えしました。
元オハイオ駐在社員で帰国2年目のNさんに、先日日本で会ったときに中学生の娘さんの事をお尋ねしたところ、いまだに馴染めないところがあり、「アメリカに帰りたい。」、と未だに言っているそうです。

「娘にとってアメリカは行くところではなく、帰るところなんですよねー、、、、。」、というNさんの言葉が印象的でした。

いずれにせよ、このままいくとMさんもアメリカ生活が11年以上になり、その後日本に帰ったとしてもまた1〜2年すればどこか海外に出る可能性大(というより、間違いなくそうなる)である方です。
そうするとこれから先は殆どが単身赴任になる訳で、やはり大変な事に間違いはなさそうです。

Mさんアラバマに行かれてもどうか健康に気を付けて頑張って下さい。
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