06−12−28 NYブラリ一人旅(3)
充実の前半2日間、3日目の朝はナゼか5時前に目が覚めてしまいました。それでゆっくりとシャワーを浴びてテレビを見ながら、3日目の行動の確認です。
地図を見ていると、イタリアタウンとチャイナタウンが隣接しており、時間の余裕があればここも廻って見たい衝動に駆られましたが、今日はNY近代美術館(MOMA)一本で行く事にします。

ブロードウエーにあるホテルからMOMAまでは歩いて20分くらいです。朝の9時半ちょっと過ぎというのに町は既に人で一杯なので、流れに沿って歩くしかありません。

美術館に到着してびっくり、外まで入場者がずらりの列です。
美術館は6AVE/53STの賑やかなところにあり、地上6階、地下2階という大きな建物です。

気温が7〜8℃と暖かかったのでよかったのですが、もしこれが平年並みの1〜2℃でしたら薄着の私はこの行列の中でガタガタ震えていたかも知れません。

やっと建物の中に入り、入場料20ドルを払って、見学開始です。
1階のエスカレーターの横でオーディオサービスの機械を借りました。担保で運転免許証かクレジットカードを置いていく、というシステムです。

近代美術というのは私は今まであまり積極的に興味を示した事はなく、全くのズブの素人の知識しかありません。
MOMAは絵画、彫刻を中心としているのですがこれ以外に建築・デザイン、ドローイング、写真などその範囲がかなり広いので近代美術を広い目で見るには絶好の場所と言えます。

見学の順序としては何かの本に、最上階の6階から下に向かって見るのがいいと書いてありましたので、一気に6階まで上がりました。
近代美術とは何か、その前に美術とは何か。この辺については本HPの趣旨から離れてしまうのでここで止めますが、とにかく見て「面白い」のです。

難しいことは抜きにして、面白いというのは重要だと思います。
何が言いたいのか、何を言わんとしているのか、それぞれの作品が持つココロをそれぞれの作品を見ながら考えるのは楽しいし、面白いと感じます。

それともう一つ大事な事は、「理解しよう」、とするのではなく、「何を感じるか」、という事に徹して見るのも大事な事だと思います。

しかし館内は相当の人です。やはりここはNY、いろんな言葉が聞こえます。MOMAで目立ったのはフランス語でした。

日本人もちらほら見かけますが、若い人はおりませんでした。それとNYのあちこちでかなり目立つ中国人とか韓国人の姿をそれほど多く見かけないのもここの特徴でした。

6階の特別展示場から5階、4階の絵画・彫刻のフロアーを見て廻ります。5階のフロアーにはゴッホ、ルソー、ピカソ、マティス、ダリとかの巨匠の絵画と彫刻が会しているのはやはり感激です。

それでも小学生の団体が若い先生に引率されて裸婦画の前でピー・ピー騒ぎながら通り過ぎたり、いくら注意をされてもフラッシュをバシ・バシ使いながらデジカメで作品の撮影をする人が後を断たなかったり、さすがクリスマスバケーション明けのMOMAです。

でも某国(日本の西方のウルサイ国)のネエチャン、ペットボトルの水を飲みながら見学をしている姿には眉をひそめざるを得ませんでした。

それとここにはピカソの大作がたくさん公開されており、今までにあちこちの美術館でピカソの作品を見てきましたが、改めて感じたのはピカソの作品というのは非常に「重厚」であるという事でした。

そして三次元の世界を二次元で表現する手法は、一つの作品に3分も5分も釘付けされます。

4階のフロアーは1950年くらい以降の現代アートで、どこかで見た作品であるのはわかるのですが、ボロックとかのそれぞれのアーティストの名前は残念ながら私の頭の中にはない人たちばかりでした。
3階の建築・デザイン、ドローイング、写真は誰が見ても楽しいところだと思います。日常の暮らし・生活とアートのつながりを感じ取ることができるところです。

例えば、SONYの世界最初のポータブルテレビ、これは今見ても何とかわいらしい曲線なのか、我々が毎日使っているビールとかのプルタブのデザイン、よく見るとこれも柔らかい曲線でできています。

空港で離発着情報を表示するあの黒い大きなディスプレー。
あれもイタリアのあるアーティストがデザインして、世界中で使われている訳ですが、あまりにも普段お生活の中に密着しているものも、実はこういうアーティストがデザインしたのですよ、という感じで説明されており、ヘー、知らなかった〜、というものが多くありました。

この日の私は、ちょっと腰痛が出ており、30分おきに腰掛に座らなくてはならないという状況でしたが、これがまた来館者の姿をじっくり眺めるいい機会になりました。

1階までの館内を見終わったのが午後3時頃で、やはりイタリア・タウン、チャイナ・タウンまで足を伸ばす時間の余裕はなくなっておりました。
1階には広いスカルプチャー・ガーデンもあり、MOMAって思っていたよりずっと見応えのある美術館でした。

このあと「MOMA・デザイン・ストア」という記念品を売っている店に入ってみました。いろいろな小物のお土産が売っています。
記念にIITTALAのグラスとALESSIの栓抜きを買いました。

実はIITTALAはずいぶん前にフィンランドに行った時に、ヘルシンキ郊外にあるここの巨大な展示場に案内され、何種類ものグラスを買った事があり懐かしくて買ってしまった次第です。

ここでレジの行列に並んでいるときに、名前は忘れたのですがよくテレビで見るクラッシックとかポピュラーの女性歌手も行列に並んでいるのを見かけました。
名前がどうしても思い出せないのですが、相当というかかなり体格のいい人で、迫力のある声で歌う人です。
付き人がおり、どっさりと何か買っておりました。

ここのお店は本当にシャレた小物をたくさん売っているところで、気の利いたお土産が割りと簡単に見つかるところかも知れません。
MOMAははっきり言って一番最初の計画では行く予定のなかったところでしたが、日本のAさんという方から、是非行った方がよい、というアドバイスをもらいましたので、今回のブラリ旅の中の1日を咲いたのです。
ズバリ、丸1日を割く価値はありました。

4時半MOMAを出た私、この6時間半食事もせず、一滴の水も飲まずに見学をしたのですから我ながらびっくりです。ホテルに戻って一服、ごろっとベッドに横になったらまたまた1時間も寝てしまいました。

夕食は昨夜ディナー・クルーズの後にちょっと立ち寄ったRというレストラン。昨夜のことですから当然私の事をよく覚えていてくれ、カウンターに座った私の相手をしてくれました。
ここはご夫婦以外に厨房も含めて5〜6人の従業員を雇っており、繁盛している事が伺えました。いろいろな料理を注文して、結構飲んだのですが、お値段もリーズナブルでした。

という訳で11時前まで、最後の一人になるまで粘ってしまった私。いい気持ちでブラリ、ブラリとホテルまで帰って、そのままベッドへ轟沈。実に充実した3日目でした。
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