06−04−28 診察費用の請求 |
アメリカには日本のような健康保険の制度はありません。健康保険に入るか入らないかは個人の選択です。 入る必要がある人は保険会社を選んで、そこの保険に入ります。 保険の契約の内容は治療費の制限、入院の場合の日数の制限、病気による病院の指定、その他の条件が加わります。 会社員の場合、会社が福利厚生の一つとして健康保険に入る場合もあります。保険の条件がいい会社と、そうでもない会社があり、千差万別です。 そして保険料は決して安くはありません。何しろ盲腸の手術費用が日本円換算で180万円以上の国ですから。お産も入院は普通は1日です。これは病院がそう決めているのではなく、保険会社が入院費用を1日分しか出さないからなのです。 病院に行くと、先ず真っ先に保険証を見せてくれと言われます。同時に運転免許証を見せ、その保険証の持ち主が間違いのない事を証明します。大抵の場合はここで両方のコピーを取られます。 アメリカの人口2億8000万人のうち、4〜5000千万人が健康保険に入っていません。つまり実質的に医療を全く受けられない人がこれだけいます。 日本は年収1億円の人も、1000万円の人も、300万円の人も基本的には概ね同じよう治療を受ける事ができます。年収の低い人の保険料は非常に低く抑えられており、これの金額をアメリカ人に話したところ信じられないという顔をしていました。 |
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実際に治療を受けると、保険会社からいついつの治療に関してどこの病院からこれだけの請求があり、それに対してどれだけを支払ったかの通知が来ます。 |
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アメリカははっきり言って、非常に間違いが多い社会です。会社のアメリカ人を見ていると、間違いがあるのが当たり前で、間違いがない方が普通じゃないと思っているフシがあります。 そして彼らは間違いがある、というのを前提にいろいろと対応の仕組みがを考えます。 スーパーでレジの打ち間違いをどうすればなくする事ができるかより打ち間違ったレジの清算をどうやってスムーズにするか?の対応を考えるのがアメリカ式。 工業製品で故障しにくいの設計も少しは考えるが故障したらどうするか、に重点をおくのがアメリカ式。 戦争をどうやったら無くせるかより、戦争になったらどうするか、を考えるのがアメリカ式。 物事はうまくいかないという事を前提に仕組みを考えるのがアメリカ式です。 アメリカは個人も組織もこの考え方が基本である、という事を知っておくべきです。別な言い方をするとアメリカの仕組みは効率は高くありませんが、何か不具合があってもそれをリカバリーする機能がきっちりしているので、仕組み全体の信頼性が高い場合があります。 病院が請求ミス(字が薄かったのも請求ミス)をしたのか、保険会社が数字を読み違えたのか結局ははっきりしませんが、請求と支払いに差額が出たときは病院は保険会社と確認はしないで、自動的に、しかも直ちに個人のところに請求をする仕組みのようで、このような場合そのまま30ドルを支払う人も多くいるはずです。 また本来は病院が負担をしなければいけない費用を、個人に請求をするケースも結構あるそうです。この場合も病院に交渉をしなくてはなりませんから、アメリカってやっぱり交渉の国なんですね。 |
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