04−09−14 南部への出張
最近アラバマにちょくちょく出張をします。
アラバマには新しい工場があって、そこに行くのです。場所はバームンガムという市から東に40分くらいのリンカーンという所ですが、バーミンガムはコロンバスから直行便がありません。

リンカーンは隣のジョージア州のアトランタから2時間の距離でもあり、全体の時間を考えるとアトランタまで行って、そこで乗り換えをせず、車で2時間走るという方法もあります。アトランタは直行便がコロンバスから出ているのです。

今回は珍しく、オハイオ人を5人も連れての出張です。このように大人数で行くときは、チャーター便を使った方が安いのですが、この日は契約のチャーター便は他の連中にとられたみたいで、仕方なくコマーシャルフライト(普通の便)です。

出発は朝7時15分。4時30分に起床して5時20分くらいには家を出て空港に向かいます。眠いです、正直言って。
空港に一番近いパーキングに車を止めて、チェックインカウンターまで。こんな朝早くなのに結構混んでいます。国内便の場合、チェックインはEチケットと言って画面に向かって操作をして自分で搭乗券の発行をします。クレジットカードか運転免許証があれば1−2分で終わります。

5人のオハイオ人も大体同じ時間に来てゲートを通過、飛行機に乗ります。アトランタまでは1時間45分、あっという間に到着です。
アトランタ空港は巨大なハブ空港です。さすがにここまで来ると、黒人の姿が目立ちます。オハイオにいると、黒人を一杯見るという事はあまりありません。

それにここ1−2年空港で頻繁に見掛けるのが、兵隊さん。今日は特に陸軍の兵隊さんが一杯います。
アトランタ空港では一体何人の兵隊を見たでしょうか。砂漠戦用の迷彩野戦服を着た若い兵隊が多い。靴もクリーム色というか砂漠戦用の色です。

私はここで彼等に共通した特徴に気付きました。みんな平均的なアメリカ人より、小柄で痩せているのです。そして白人が非常に少ない、いえこの日に見た迷彩服姿の陸軍の兵隊に白人は数人しかいませんでした。全部、黒人そしてヒスパニック系の若者ばかりです。身長も165cmくらいの者もたくさんいます。

私と同行のオハイオ人のうち2人は、確実に190cm以上の大男が2人おり、これはアメリカ人の中でも大きい方ですが、それにしても若い兵隊さん達、明らかにアメリカ人の平均よりみんな小さいのです。それにズバリ、人種的に貧しい層の若者が多い。
これはどういう事でしょうか。
実はアメリカの志願兵について、911以降ちょっと変化があるのです。アメリカはイラクで戦争をするために兵力の増強をはからなければならなかったのですが、志願制の国、兵隊集めのために制度を変えたのです。

・ある一定の期間兵隊になって除隊すると、大学の授業料が大幅に免除になる、公務員への就職が有利になる。年金も兵役の間は大きく加算される。これの適用の範囲が広がった。

・移民ビサ(グリーンカード:永住権)を持つ者が、現役入隊するとすぐに市民権を申請できる。(通常では審査だけでも3年とか5年くらい待たされるのが普通である。)

ですから移民の貧しい階層、ヒスパニック系を中心に、アジア系まで市民権を持たない若者が志願兵に殺到したらしいのです。
アメリカに住んでいると、貧富の差というのを非常に身近に感じます。そしてその貧富の差が、人種と強くリンクしているのも感じます。

・アメリカの航空母艦の一般乗組員の25−30%はこれらのグリーンカード兵士である。
・イラクで作戦をしている前線の兵隊の15%−20%はこれらのグリーンカード兵士である。


私は陸軍や海軍の基地の中を見たわけではありませんので、実際の姿はどのようになっているのかわかりません。
しかし、上の数字とか、あちこちで見掛ける下級兵士からアメリカという国と、この国を支えている軍隊の姿が何となく見えてくるような気がします。

アメリカは既にイラクで1000人以上の戦死者、3000人以上の負傷者を出しています。地上ゲリラ戦ですから、戦死、負傷者の多くはこのような下級兵士が殆どのはずです。

言える事の一つは、「アメリカ軍=アメリカ人」、という訳ではなさそうです、実は。
昨日の夜はアメリカ人5人とは別に、日本人だけで、「日本風アメリカレストラン」、に行ってきました。
日本風アメリカレストランとは、派手なパフォーマンスで客の前で肉を焼く、昔ある有名な日系レストランが始めたスタイルの店です。

行ったのは私とUさん、Kさんの3人。店には握り寿司も、天ぷらも、焼き鳥も何でもありますがメニューは全部英語、日本語は一切通じません。
食べたいものを片っ端から注文、お酒もお銚子を10本くらい空けてしまいました。(Kさんは飲まないし、Uさんは車の運転があるからという事で、私が8本は飲んだと思います。)

最後にステーキを食べてもう動けないくらい満腹になってしまいました。
ウエイターは韓国人か中国人のアンチャン、肉を踊りながら焼いてくれたのは、ベトナム人のアンチャン。(どこの国から来たの?って聞いたので間違いありません。)
それを食ったのは酔っぱらった(私だけ、かな?)日本人3人と、おとなしそうな白人の夫婦2組の4人。アメリカらしい、組み合わせです。


食事の後、Uさんにホテルまで送ってもらい、部屋から日本のYさんに電話。今夜は話が何とか通じました。よかったーー。Yさん、私は禁煙までやって、変身しようとしています!見ていて下さい!

で、肝心の仕事は?
昨日、本日とケンケンガクガクの会議をやったのですが、結果は最悪!!!
オハイオ人の5人はEHさんを始め全員が、「オレはもうアラバマには来ない!!」、なんて言い出す始末。私も日本なら、机をひっくり返してやろうかと思ったくらいの事もありましたが、じっと我慢。

ところでアラバマの工場まで、家を出てから6時間も掛っています。車で行けば800kmで8時間。あんまり変わりませんから、今度は車で行ってみようかなー。
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