04−06−26 Kさんの結婚式
Kさんは私の職場の30才くらいの女性社員です。朗らかで、屈託のない性格をしています。
そのKさんが4年の交際を経て、同じ職場のBさんと結婚をする事になりました。

Bさんは私の職場にいたのですが、本人の強い希望と会社の方針が一致し、イギリスを拠点としたF−1チームのメカニックとして約2年間ヨーロッパを点々としてレース活動に参加、今年の4月に職場復帰をしました。
式が行われた教会です
Kさんはその2年の間、夏冬の会社の長期休みに加え、自分でも休暇をとり、イギリスにいるBさんのところにせっせと通っておりました。

Bさんはレースでヨーロッパ中を遠征しているので、それらの国々を案内するのはお手のもの。

「SHIN、来週はBのところに行くの。1週間休みをとります。」
「えー、また?で、今度はどこに行くの。」
「はい、ベルギーとモナコに行きます。」
「ベルギーに行ったら、ブリュッセルの小便小僧を見てくるといいよ、それとグランパレスも。あ、こんな所は当然行くよね。」

私もヨーロッパは随分前に3ヶ月ほど出張の経験があるるので、Kさんとは話しが弾みました。
KさんとBさんは6月に結婚をするのは随分前から知っておりましたが、5月の初旬に
「SHIN、結婚式に招待したいのですが、、、。」
と言われたのです。

結婚式は6月26日、これは会社の夏休みの最初の日で、本当は別の計画もあったのですが、これを断念し、参加する事にしたのでした。
結婚式は運良く、私の家から車で10分のところの教会。KさんとBさんは今年になって、私の住む地域に既に新築の家を買ってあったのです。
涙を流している新郎のBさん
Bさんはもっと田舎の方に住みたかったそうですが、Kさんの希望で、市街地に住むことにしたそうです。

招待状が送られてきて間もなく、お祝いってどうすればいいのか思案しました。

アメリカでは結婚のお祝いは、本人達が欲しい物のリストを作り、そのリストの中からそれぞれが選んで、お祝いをするのです。
でもリストってどこにあるのかなー?

会社の通訳のHさんによるとそのリストはインターネットで分るかも知れないとのアドバイス。

早速あるデパートのWEBサイトから、ウエディングギフトのページにいき、名前を入れると何と何と、KさんとBさんリストが一発で検索できるではなりませんか!

これにはびっくりしました。100点くらいの品がその値段と共にWEBサイトから現れたのです。
既に他の人がプレゼントに決めたものは、済み、になっています。
品物と、値段を見ながらそこから選択をすると、そのまま即申し込めます。
式を終え、みんなに祝福される2人
送料は幾ら、その品物はどんな包装をするか、メッセージのカードには何を書くか、全部インターネットで選べるのです。

そして最後に自分のクレジットカードの番号を入力して、エンターで支払いもおしまい。
何と便利な方法で、しかも合理的なのでしょう。後は全てデパートがやってくれてKさんの家に届けてくれるのです。

こうすれば自分たちが本当に欲しい物を贈り物として受け取れるし、重複した物をプレゼントされる事も全くありません。
大体値段は40ドル(4000円)から300ドルくらいまでで、グループで一つの物をプレゼントする場合も多いようです。

今まではリストをデパートで作ってもらい、それをみんなに回覧して、プレゼントを決めていましたが、最近はこのようにインターネットのWEBサイトで申し込めるのです。全く恐れ入りました。
結婚式は、新郎側、新婦側にそれぞれ友人とか親戚代表の5人が2人を囲み、2人の神父さんが、いろいろとスピーチをしながら、形式どおりに進めます。
2人はこのリムジンでパーティー会場まで
神父さんは、
「私は結婚をして42年になるが、私のようになりなさい。」、とか、
「ケンカをしたときは、今日の感激を思い出して、話し合いなさい。」
とか、ジョークも交えながら約1時間ほどで終わりました。

出席者は全部で150人くらいで、Bさんが所属していたレースチームからは何と日本人のWさんという方が、わざわざイギリスからこの結婚式のために来ていました。
(150人のうち日本人はこのWさんと私と、そしてカミさんの3人だけでした。)

神父さんの前に立っていた約1時間、新郎であるBさんは感激のあまり顔を真っ赤にして目から涙がポロポロ。
これに比べて新婦のKさんは終始ニコニコ。神父さんはハンカチを新郎に渡しながら式を進めておりました。
パーティー会場のホテル
やはりこの夫婦、Kさん主導の家庭になるのかな?Bさんはアメリカ人にしては割と寡黙な方だし、、、、。Bさんの涙を見ながらそんな事考えておりました。

そして壇上での式が終わると、先ず新郎新婦が両親に花束を渡して、挨拶をします。日本と違うのは必ず抱き合う事です。

そして次に新郎新婦は式の参列者一人一人にお礼の言葉をかけ、参列者はお祝いの言葉を言い、一人ずつ退場するという形式でした。もちろんこの時も子供を除いて、抱き合います。

私とカミさんBさんには、「お幸せに。」と言い、Kさんには、「本当に今日は美しいですよ。私は式に参列できて嬉しかった。」、と言っておきました。

全ての人に対するお礼と挨拶が終わると、2人はみんなに見送られてリムジンに乗り、先にパーティー会場である、ホテルに出発していきました。
パーティー会場のホテルまでは教会から車で15分くらい。食事の前にはレセプションというのがあって、飲み物と、簡単な食べ物を口にしながら、みんなでワイワイ歓談をします。
結婚パーティーですから、殆どが知らない人ばかり。
Bさんの腕をしっかりと抱くKさん
このような場合、これらの人達と気軽に話しをしてジョークを飛ばして、という会話力は私の場合、かなり低い。
カミさんとビールを飲んで、話しをしているとアレ、Jさんがいます。
Jさんというのは、45才くらいの女性で、隣の職場にいた人です。よく聞くと、何とKさんの親戚だとの事。

レセプションの後は、三々五々パーティー会場に入り、指定された番号の咳につきます。
私はかなり前の方のテーブルで、同じ会社の2組の夫婦、それにイギリスから来ていた日本人のWさんの7人、きっとKさんが気を利かせてくれたのだと思いました。

ケーキカット、それに両親の挨拶、友人代表が新郎、神父側それぞれ一人ずつ2−3分の挨拶をするだけで、日本のように延々と挨拶が続くという堅苦しいものではありません。
感心するのはみんなスピーチが堂々としていることでした。
コマネチ、で盛り上がる新郎のBさん、他
その後は食事。
食事は予め、牛肉か鶏肉か招待状の返事を出す時に指定してあるので、これを食べます。
鶏肉を頼んでおいて、牛肉を食べてはいけません。

一緒の席になったR&Dのアメリカ人のMさんは私がオハイオに来たときと殆ど同時に、R&Dに転勤し、その後日本でも勤務をし、更にイギリスのR&Dで2年間を過ごして、またオハイオに戻ってきた人です。

奥さんによると、日本にいた3ヶ月間、ウイークリーマンションに住んでいたとか。
「良い思い出がいっぱいあります。」
とお世辞を言ってくれました。

食事の終わり頃になると、新郎、新婦とその両親が各テーブルを回って挨拶とお礼を言います。全部で25くらいのテーブル、150人を巡回するのは大変だと思いました。

その時、同席の私たち以外の唯一の日本人であるWさんが、新郎のBさんと一緒に「コマネチ」、をやって写真撮影。
新郎のBさんとお母さんのダンス
Mさんの奥さんが、
「アレ、何?何のポーズなのですか?」、とすかさず質問。Wさん、説明に苦労していました。

これらが終わるとダンスです。

先ず、新郎新婦が皆の前で踊ります。その次に新婦と、新婦の父親が踊ります。Kさんは泣いていたように見えました。そして新郎と新郎の母親が踊ります。
150人が見守る中、みんなステップもうまく、私なんか感心してしまいました。

後は、参加者全員でのダンスです。
どうもあんまりアルコールが入っていない状態でのダンスというのは私は得意ではないので、席に座っているとJさんがやってきて、「さあ、さあ、早く早く。」、てな感じで、私とカミさんも誘われてしまいました。

私とカミさんは10時頃にはお暇をしましたが、一般的に結婚パーティーは夜中まで続き、中には明け方までダンスをして続く事もあります。

KさんとBさん、どうか末永く仲良く幸せにやって下さい。
あっ、新婚旅行どこに行くのか聞くのを忘れました。またヨーロッパかな?Kさんも、Bさんもヨーロッパが大好きみたいですから。

アメリカの結婚式、それに披露パーティーというのは肩の凝らない、楽しいものでした。
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