04−01−09 印鑑証明はどうするの?
今年のお正月は、オハイオに来て以来初めて日本で過ごしました。お正月と言っても、父が1ヶ月ちょっと前に亡くなっており、盛大にお祝いをする訳にはいきません。
母親しかいない故郷の家で、静かに新年を迎えました。

日本を離れたのが、5日の月曜日。成田からシカゴのフライトは何と、航空会社がファーストクラスへのアップグレードをしてくれ、快適に12時間の旅をする事ができました。ファーストクラスの印象は、「寝床付き高級レストラン」、という感じでしょうか。JALさん、ありがとう。
父親が亡くなった事に関して、私はいろいろな手続きをしなくてはならず、必ず必要なものの一つに、「印鑑証明」と「住民票」、があります。
それぞれ住んでいる市役所が発行をしてくれますが、今の私は日本のどこにも住所がありません。ですから発行してくれる市役所がないのです。
でも日本の税理士と司法書士は手続きには絶対に必要だと言います。どうすればいいのでしょうか?

実は海外に住む日本人の場合、印鑑証明に代わるものとして署名証明(サイン証明)、そして住民票に変わるものとして在留証明というのを在外大使館・領事館が発行をしてくれるのです。
いろいろと調べた結果、署名証明には2種類あり、一つは大使館・領事館員の前で必要な書類にサインをして、それが本人のサインである事を証明する割り印を押す、割り印形式と呼ばれる署名証明。

もう一つは署名の筆跡が本人である事を証明する単独形式と呼ばれる署名証明。
今回はそれぞれの証明・書類が必要だという事で、一番近くのデトロイトの領事館に行って発行してもらう事にしました。
デトロイトまでは片道350km、3時間ちょっとが掛かります。領事館での手続きの時間とかを考えると、丸1日が必要で、今日は会社を休んで行ってきました。
デトロイト領事館と言えば2年前の春、下の娘のパスポート申請に行った時、道を間違えてパスポートを持たずにカナダへ出国しようとしてしまい、エライ目に合った事を思い出します。
今日は天気が心配でしたが、昨日までの雪も止み、フリーウエーの運転は全く問題はありませんでした。

昨日の夕方、あるアシスタントマネージャーが、
「SHIN、今度の新しいXXに乗った事がありますか?よかったら暫く試乗してみてください。」
というわけで、新型のV6、3.2リッターの車を貸してくれてあったので、これで出発。

270馬力、高トルクエンジンの性能は素晴らしく、家を出てから、休憩なしで350km先にあるデトロイト領事館にジャスト3時間で到着。

領事館前でカナダ出国への道路をまた間違いそうになり、あわや悪夢の再現か!と思いましたが、カミさんの、「そこ曲がっちゃ、ダメ!」、の一声で危うくセーフ。
アメリカ合衆国は余程私を国外追放したいらしい。

領事館に行くと、予め予約をしてあったので、書類作成はスムーズにできました。手数料はしめて200ドル!
何か、高くない?日本で印鑑証明8通と、住民票8通をもらったら幾らくらいの手数料なのでしょうか。

帰り際に別の係員が出てきて、
「在外者投票の手続きはされますか?」
という質問。

いつからだったか、海外に住む日本人も選挙の投票ができるようになったのですが、どうやればいいいのかよく知らなかったので、私はやっていませんでした。いい機会だと思い、用紙をもらい記入を始めたところ、日本の最終住所が思い出せません。

選挙人登録は、日本の最終住所の選挙管理委員会に行うとの事です。
あれー?
「埼玉県入間郡三芳町、字XXX、YYYY−YY、ZZZZZZ」、という妙に長ったらしい住所なのですが、のYYYY−YYのところがあやふやなのです。
カミさんも必死で思い出そうとしましたがダメ。

「すみません。日本の最終住所が思い出せないのですが、、、。」
私は領事館の係りの女性に言うと、
「じゃ、後で電話で教えて下さい。」
という返事。
8年前とはいうものの、日本の最終住所を覚えていないというのはちょっと恥ずかしかった。

カミサンが言うには、投票は領事館に出向いて行なうか、投票用紙を自宅に送ってもらう場合は、その投票用紙を自分で登録した選挙管理委員会まで送らなくてはならないそうです。面倒だなー。

領事館のある大きなビルは、デトロイトらしく、GM(ゼネラルモータース)のオフィスも多く入っているらしく、1回にはそのショールームもありました。
私の場合、最寄の日本領事館まで車で3時間で行けるところに住んでいますが、もっと遠いところに住んでいる人はこのような場合、どうなるのでしょうか。
一旦日本に住所を移して、印鑑証明と住民票を発行してもらい、直ぐにまた海外移転届を出す、という方法をとる人もいるようです。

公証人役場で証明を発行してもらうという方法もあるそうですが、私の場合は署名証明と在留証明を先ず取って下さいという事でした。どうしてかなー。理由を聞いておけばよかった。

アメリカは印鑑証明がありませんから、何かの手続きをする場合、自筆のサインで基本的に済みます。
会社のアメリカ人に聞いてみました。
やはり公証人(notary)がいて、重要な書類へのサインの証明とかをやってくれるそうです。
それは銀行とかがやってくれる場合、取引があれば無料で、弁護士に頼んだ場合は当然費用がかかると言っていました。

つまり何かの契約書等の書類には全てサイン、そのサインが本人である事を第三者が証明する。
この場合、国とか地方自治体とかのいわゆる、「お上」ではありません。

いかにもアメリカらしいと思いませんか。印鑑と印鑑証明、これに対してサインとサイン証明、本人である事の証明力はどちらが強いのでしょうか。
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