03−08−26 けんか腰
今日の朝、会社に行くと隣に座っているJさんが、
「今日の12時半からD社とXXの会議があるのですが、出てくれませんか。」、と私の出席を依頼してきました。
やっぱりきたか。

私の仕事の中には取引先とある種の、「損害賠償交渉」、があります。はっきり言って、非常に面倒なケースが多いのです。D社の件は前からアメリカ人ベースでゴチャゴチャやっており、かなり手こずっている事は知っておりました。

D社は完全なアメリカ企業で、会議に出ると通常私1人が日本人という事になります。交渉の会議ですから、非常に込み入ってくる事が多く、一旦ついて行けなくなるともうダメ、後は席を温めているだけというケースもありました。(つまり英語の問題です。)

Jさんから言われた時、通訳のH女史に通訳サポートをお願いしましたので、言葉の問題はある程度避けられると考えましたが、中身を殆ど把握しておりません。アーア、アメリカ人の作る資料というのは判りにくいんだよなー。
まあ、頼まれたから仕方ないか。

殆ど中身を把握しない状態での純粋アメリカ企業との、「損害賠償交渉」。
かなり無謀というか、無茶苦茶であります。もっと早く言えよなー、オレ何でも知っている訳じゃないんだよ、Jさん!
最悪だよなー。
場所はR&Dの建物中のある会議室。
せっかくだからR&Dの食堂でHさんと一緒に昼食を食べようと約束。でも約束の時間になっても来ない。半分くらい食べたところでHさんが来ました。

R&Dに来る道を間違えて、どっかうんと遠くまで行ってしまったとの事。Hさんはまだオハイオに来て1年。ま、とにかく間に合ったようです。慌てて昼食を頬張っておりましたっけ。(良く噛まないと太るよ。)

さて会議の方は予定時間をちょっとオーバーしてスタート。D社は4人、我が方は8人。
名詞の交換を終えて席に着くや否や、D社の一番上席と思われるS氏、メガネをぱっと外して、机の上にパシッと置いて突然意味不明(私には)の言葉でまくし立て始めました。

D社との交渉はこれで3回目だそうで、ハハーン、こりゃかなりこじれているな、直ぐにピンときました。S氏の雄叫びはHさんによると、「我々の数字のどこが不満なんだ!言ってみろ!」、くらいの感じだったそうです。

S氏の隣に座っているのはD社のW氏。名詞にはPh.D.(Doctor of philosophy:博士)と書いてあります。どうも資料は全部この博士先生が作ったようです。会議の寸前に事前に送られていた書類に私は目を通してありましたが、全然わからない。
もっともらしく、非常にうまく作られています。というより、D社に都合のいい数字を出すように、うまく作られております。

その内に我が方のJさんが吠え出しました。これも原則論だけで、話にならない。Hさんもこのやりとりを見て目をパチクリ。今度は別の我が方のアメリカ人がフットボールの話に例えて話を始め、もうメチャクチャ。

我が方はカナダとアラバマからも来ておりましたが、この吠え合いに押されてか、沈黙です。今まで、こんなやりとりをしていたのかー。アメリカ人らしくないよ。

吠え合いを聞きながら、他の書類に目を通していた私は大体状況がつかめてきました。どうするかなー、今日の着陸点を。もうちょと論理的やろうぜ、お互いに。
何とか収りました。
私は仕方なくホワイトボードに図を書き、その日に決められる事をD社に飲ませて、決められない事に対して我が方の担当者に、データーの整理指示を出しておしまい。
結局は論点が整理されていないだけで、双方迫力だけで勝負の世界になっていただけのようでした。

D社と言えば、アメリカでも超有名な大会社。私はちょっと呆れましたが、S氏、Jさん、どっちもどっちだなーというのが印象でした。こりゃまた次の会議も出なくてはならないハメになりそうです。

というのはD社にその場で飲ませた(と私は思っています)条件はかなり大きな話なのですが、S氏がその大きさに気が付いていないフシがあるからです。

それよりもW博士先生が作った資料もう一度よく読んでみると、思っていたよりもずっと巧妙に作られているのに改めて関心をさせられてしまいました。ウーン、こりゃ手強いぞ。
今日はW博士は殆ど沈黙を守っておりましたが、今度は彼との戦いになりそうです。

ちなみにW博士は東洋人、苗字からすると間違いなく中国人です。やはりD社もブレーンは東洋人のようです。

オレ博士じゃないけど、負けたくないナー。それとJさん、今日のやり方まずいよ。
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