03−02−05 罰金はどうやって払う?
2月1日の会社からの帰り、交通量も少なく気持ちよく自宅に向かって運転をしておりました。メアリーズビルという町の手前に来たところで左側のグリーンベルトに車の陰が。

あっ、パトカーと思ったと同時にスピードメーターを確認。アリャ−、80マイル(130km)も出てる。こりゃダメかな。
以上、多分2−3秒間くらいの間の出来事です。

バックミラーを見るとパトカーはものすごいスピードで追いかけてきて、青と赤のライトを点滅。万事休すです。
1マイルくらいそのまま走り、路肩に車を寄せて停止、お巡りさんの出てくるのを待ちます。

この時の心境は何とも言えないものがありますが、仕方がない。フリーウエー上ですからみんな数メートル横を60−65マイル(100km)ですっ飛ばして行きます。

結局スピード違反切符を切られてしまいました。65マイルのところを13マイルオーバーの78マイル。結果96ドルの罰金。

道路がすいている時にちょっと考え事をして運転をしていると、私はアクセルをすこしずつ踏み込んでしまうクセがあるのはわかってはいたのですが。
さて96ドルをどうやって支払うか。日本では郵便局あたりで振込みをするそうですが、(私は日本では罰金を払った経験がないのです。)オハイオの場合は2つの方法があります。

・銀行で小切手を作ってもらい、これを郵送する。(違反切符をくれる時に、ちゃんと封筒もくれます。)
・クレジットカードで払う。(カードナンバーとかを記入する用紙も違反切符と同時にくれます。)

私はこの前に捕まった時もクレジットカードで支払ったので、今回も同じようにカードで払う事に決めました。
用紙を読んでみましたが何かゴチャゴチャ一杯書いてるし、この前の時のやりかたも忘れてしまったので、仕方なく会社のアメリカ人に聞く事にしました。
翌日私の席の隣のJさんに、こっそりと会議室に来てもらいました。

「イヤー、ちょっとお巡りさんとおしゃべりする機会があってね。
私はしたくなかったんだけど、お巡りさんがどうしてもおしゃべりしたいっていうものだから付き合った。そしたらこんなプレゼントをくれた。」


「アハハ、SHIN、どこで捕まったの?」

用紙を見せて記入方法を教えてもらい、
「じゃ、これを封筒に入れて郵便で送ればいいのですね。」
というと彼はそれは絶対にダメと言います。

「SHIN、実は私は年に2−3回は必ず切符をもらっているのですが、この前にトラブルがありました。」
彼は何度もスピード違反で捕まっているようなのですが、1年くらい前にクレジットカードで罰金を払い郵送をしたら、ナゼか支払いがされていないという記録が残り、それが次に捕まった時に発覚して大問題に発展して、解決するまでにエライ時間と苦労をかけたというのです。

「SHIN、私が警察まで一緒に行ってあげます。窓口できちんと払って、その領収書を車の中に保管しておくのがベストです。」

そんな事ってあるのかなー、と思いつつ彼の助言に従う事にして、昼食後メアリーズビルの警察まで一緒に行ってもらう事にしました。
メアリーズビルの警察までは車で10分くらい。
Jさんにとっては行き慣れた道のようで、あっと言う間に到着。

「これの支払いをしたいのですが。」
という事で、窓口にいたオバサンに切符を見せます。オバサンは私が出した切符の番号を見て、保管してある切符のコピーの束から私の分を取り出しました。
私は黙ってクレジットカードを出すと、デパートで買い物の支払いをするのと同じようにしてサインを求めます。

「ちょっと待った!!!」
Jさんが大きな声を出したので私はびっくり。

「支払いの名前が違うよ!JERRYではなくてSHIN!」
Jさんはオバサンのコンピューターの画面を覗き込んでおり、画面に呼び出してある人に対して支払い手続きがされるかどうか、ちゃんと見ていたのです。
見ると画面上には私の名前ではなく、全然別の人の名前が出ております。

画面への呼び出しは切符のナンバーで行うようで、このオバサンはナンバーを打ち間違え、そして画面上の名前を確認していなかったのです。
オバサンはもう一度ナンバーをインプットして、今度は私のデータ−を画面に呼び出しました。
「そうそう、SHIN、これでよろしい。」
Jさんは頷いております。

私はカードの支払いにサインをして、領収書を別にもらい、そして警察の建物を出ました。
「ほらね、やっぱり間違った。あのまま放っておけばSHINの96ドルはSHINではなく、あのJERRY何とかの罰金の支払いになっていた。全く、信じられない。」

Jさんが危惧していた事が実際に目の前で起きて、私も一瞬信じる事ができませんでした。
警察のオバサンはJさんに間違いを指摘されても、一言の謝りを言うでもなく、無愛想にもう一度コンピューターをたたき、手続きのやり直しをしただけでした。
Jさんに言わせると、こんな事は日常茶飯事の出来事で、特に田舎の警察には多いという音でした。
小切手とかクレジットカードナンバーを郵便で送った時は、領収書は返送してきません。ですから郵送の場合は本当に自分の支払った金額が自分のために支払われたのかどうか、確認ができないのです。

1年前のJさんも郵送で支払って、別な人の罰金支払いに充てられしまい、トラブルになったと言っておりました。
罰金が支払われていないのが発覚するのは、次にスピード違反等で警察に捕まった時、そあして免許証の更新手続きを行う時だそうです。
「じゃ、それまではわからないの?」
「わからない。」そうなのです。

支払い方法はクレジットナンバーを郵送で送るだけ、それが本当に支払われたのか本人は確認できない、でもカードからは引き去りがされる。
この前のスピード違反の時の支払いは郵送で行いました。でも今回のスピード違反で、前回の罰金支払いは正常に行われたらしく、何もお咎めはありませんでした。

支払いは、それがコンピューターで処理されるその瞬間を、現場を実際に目でみないと、信用できない!
処理を間違っても警察は困らない、最終的に困るのは支払い側。
最後に困る側が目を皿のようにして、チェックをして、防御しなければならない社会。

実にアメリカらしい仕事のやり方と確認の方法です。
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