03−01−08 相変わらずの歯医者通い
2003年の新年を迎えてオトソ気分に浸る間もなく、2日から早速の仕事。
アメリカ人の何人かは2日、3日と休みを取っており出勤していない連中もおります。この2日間を休むと、その後土日になり、合計16連休のクリスマス、ニューイヤーバケーション!

日本人駐在員の中にも16連休を取ったのが何人かおります。それは単身赴任で、日本に帰国して正月を迎えた連中で、まあ正月くらいは普段の単身生活のアカを日本で落としてくるためですから、「良し」としましょう。

2日に出勤して早速、メールをチェック。こちらは年末の21日から休んでおり、日本はその後も1週間働いておりますから、1週間分のメールがどっと溜まっております。
主要な連中には、「アメリカ側は21日から休みだよ。」とあれほどしつこく連絡をしたのに、26日までに回答をくれ、なんて依頼のメールがあり、ヤレヤレです。

そんな訳で、この日は12日間の休みでボケた頭を正常に戻すだけで精一杯。
やっぱりオレは日本人。そもそも正月の2日目から仕事をするなんて、こりゃ非常識!と言いたいところなのですが、仕方ありません。
それにしても年末は日本からの出張者が多かった。
私の職場のある建物には1階、2階併せて4つのセクションがありアメリカ人が200人で、日本人駐在員は私を含めて7人と翻訳、通訳の女性が1名。
今年後半はここに多いときは12−3名の長期出張の日本人が来ており、更に年末は短期で入れ替わり立ち代りエライ人が来て、私なんかはこれの対応で大童!もう日本人だらけ。

その中のある日本人がアメリカ人の家に招かれました。この人は私のところに来ていた日本人ではなく、隣のセクションのKさんのところに来ていた日本人。
アメリカ人が出張者とかの日本人を家に招くと言うのは相当な好意がある場合で、これは日本に来たアメリカ人を日本人が家に招く場合も同じです。

以下、Kさんの話です。
招かれた出張日本人は、さて何を手土産に持っていったらいいのか、クリスマス直前の事でもあるし、きっとご馳走も準備しているに違いないという事で、それなりのお土産を買ってそのアメリカ人の家に行ったそうです。
翌日、その日本人は浮かぬ顔をして出勤。さて何があったのだろう?
彼曰く、
「昨日Dさんの家に呼ばれて行ったのですが、イヤーちょっと我々の期待とは違っておりました。」

アメリカ人の家に行ったTさんはかなり張り込んだお土産を持ってその家に行き、夕食をご馳走になったそうです。
ところが出されたご馳走はピザ、生のにんじん、チーズ、それにビールだけ。
どうも呼ばれたこの人は、かなりのご馳走を期待していたらしい。
浮かぬ顔をしている日本人出張者に向かってKさんはこう言いいました。

「アメリカ人の家に呼ばれたからと言って何を期待したのだい? 何?クリスマスなのに鳥のから揚げが出なかった?お前ナー、アメリカ人がクリスマスに鳥のから揚げなんか食うわけないだろ! 何?ケーキもなかった? そんなものはキリスト教徒でもない日本人が勝手に食ってるだけだ。」

「ピザが出ただけで十分じゃないか。ピザというのはご馳走だよ。あの香ばしい香りと、いろんなトッピング。アメリカ人にとっては最高のご馳走の分類だ。普段何を食っているか知ってるだろう。」

「エー? クリスマスには騒がないのかって? 三角帽子をかぶって、キャバレーでジンゴベー、ジンゴベーってやるのは日本人だけだ!頼むから止めてくれ。ここはオハイオだよ。」

更にKさんは、
「お前ナー、オハイオというのはどういう所だと思ってるの?ここは18世紀のアメリカとナーンも変わっていないと思えばイイ。18世紀のアメリカ人の生活に、電気と電話と、そして車があると思えばイイ。クリスマスは食い物じゃない!」
とかなりトンチンカンな発言に及びました。

18世紀のアメリカ、アメリカ人。つまり素朴で、かつ勤勉、そして自分の村が全てで、極く限られた人とだけの付き合いで世界がどうなっているなんてのは関係のない人達、クリスマスは静かに家族で祝うものだ。彼はこう言いたかったのだと思います。

でもこの(18世紀+電気+電話+自動車=オハイオ)という式、私は否定はできない何かを感じました。
ちなみにオハイオ生活が一番短い、東京から来たHさんにこの話をしたところ、「賛成はできないけど、、、何となく否定もできない。」、というニュアンスの返事でした。
さて今日は、歯医者にクリーニングに行く日。
私は昨年の9月に歯茎の手術をして、まだ完全に治療するには1年くらいを必要としております。

クリーニングは3−6ヶ月ごとにやる事を勧められており、私はオハイオに来てこれを定期的にやっています。クリーニングと言っても日本とは大違い。私の場合は何と1時間以上をかけてやられます。
いつもやってくれるのは、腕相撲をしたらひょっとしたら負けるのではないかという、30代後半の体格のいいでっかい女性衛生士。
チクチク、ガリガリ、かなりの痛みも伴います。歯茎の手術前のクリーニングは、ディープクリーニングとかで、麻酔を4本も打たれてやられました。

「毎日歯間ブラシ使ってる?糸で隙間を手入れしてる?まだタバコ止めてないの?早く止めなさい。」
いつも散々言われます。
これをクリーニングをしながら言うものですから、私は口を開けたまま、「ウー」、とか、「アー」、とか唸るだけ。

この日もそんな会話(?)をしていたら、「Close your eyes,please.」と言います。それまで、「Open.」、「Close.」、を繰り返して、口を開けたり閉めたりだったので、「Close・・・・」、だけを聞き、口を閉じたら、「No,No,No.」、とか言われて、まぶたを手で閉じられてしまいました。
ゴメン、ゴメン、目を閉じろという事なのか。

私は歯の治療中はどうしても眼を開けてしまい、視線は合わさないのですが、この日はこの歯科衛生士さんの顔をじっと見ておりました。
お、結構大きな目しているじゃないか、とか額に汗かいてるな、とか考えていたのですが、どうもこれがダメだったみたいで、きっと彼女気が散ったのでしょう。
でも目つぶっていると、痛さを余計に感じてしまうので、本当はイヤなのですが。

今年も仕事の合間を縫っての通院開始。果たして何回行かなくてはならないのでしょうか。日本のように10分とか20分の短時間の治療を繰り返すのではなく、1回が1時間、時には2時間になるアメリカの歯科治療。
最近この方法が気に入っております。
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