02−06−12 LAは遠いなー
9日の夕方にLAに着いて、今日はコロンバスに戻る日。
フライトは午前6時テイクオフ!朝の4時には空港に着いていなくてはならず、つまり早朝と言うか、夜中の3時には起きなくてはなりませんでした。

コロンバスに着いたのが午後4時前で、時差を考えても空港に着いてからから空港を出るまでに、9時間が掛かっている事になります。この9時間は飛行機に乗っている時間が約6時間、待合室で待っている時間が3時間。
往復でそれぞれ12時間と6時間になります。

出張が度重なると、この時間をどのように過ごすか、非常に重要になってきます。
飛行機の中では3分の1くらいは結局は寝てしまうのですが、それでも相当な時間が残ります。仕事の書類に目を通したりもするのですが、私の場合、月並みではありますが本を2冊持って行き、これを読みふけります。
1冊は文庫本の類で、歴史物が中心のあまり肩の凝らないもの。もう1冊はちょっと堅めのビジネス関連のもの。

とはいうものの、本ばかり読んでいては目も疲れるので、自然と飛行機の中に乗っているアメリカ人の客とか、乗務員の働き振りとかも自然に観察する事になってしまいます。

今回のフライトはLAからシンシナティー経由、コロンバスで、シンシナティーまでの飛行機はB767で、客室乗務員が黒人の女性、白人の女性、白人の男性、それに東洋人の女性という組み合わせで、私の座っている通路と隣の通路のサービスをやっておりました。

この4人の動きを見るとはなしに、ずっと見ておりましたがなかなか面白かったのです。
早朝のフライトは簡単な朝食が出るのですが、その前に飲み物を配ります。
組み合わせは私の通路が、白人の40才くらいのオバサンと黒人のオネエサン。反対側の通路が東洋人のオネエサンと、白人のアンちゃん。

まず黒人とオバサンの組と、東洋人と白人のアンちゃんの組の飲み物を配るスピードが全然違うのに気がつきました。
東洋人の組が配り終わった頃、オバサンの組は半分も終わっていないのです。

どこにこの差が出ているのかじっと観察をしていると、オバサンの組はお客の希望を聞いて、その飲み物がワゴンになかった時はギャレーまでもう一人が取りに行くのですが、それが届くまで、そのお客のところでじっと待っているのです。
延々と続くアリゾナの荒地
やがて黒人のオネエサンが、その飲み物を持って来て、お客にそれを渡し終えると、そこで初めて次の客の注文を聞くのです。

ところが、東洋人のグループは、ワゴンにない飲み物があると、白人のアンちゃんがそれを取りに行っている間に次の客の注文を聞いて、どんどん渡して行きます。

アンちゃんが持って来たときは、次の足りない飲み物をその東洋人が指示をしてまたアンちゃんが取りに行く、つまりアンちゃんはしょっちゅうギャレーと客の間を行き来するという動きなのです。

ワゴンには大体の客が注文をする飲み物が載っておりますから、それほど往復は多くはありません。が、白人のオバサンの組は客とのおしゃべりも多いのです。
一般的にスーパーなんかのレジでもそうですが、とにかくレジの人と客が何かペチャクチャやるのが多い。いくら長い行列ができていても、です。
何をそんなにおしゃべりをする事がそんなにあるのかなー、という程今回もやっておりました。

飲み物を配った後は今度は食事を配ります。これの差はもっと大きかった。
結局オバサンと黒人の組は、東洋人と白人の組に比べて3分の1くらいのスピードでしか、配れておりませんでした。

・ラザニアのアルミホイールをオバサンは破って外す。だからアルミホイールが細かくなって、何倍もの手間がかかる。
東洋人の方は、アルミホイールはするっと1回で外すので、早い。

・黒人のオネエサンはかなり爪を伸ばしており、そもそもこのような配膳作業には向いていない。また、全体的にとにかく動作が緩慢

・白人のオバサンも、黒人のオネエサンも腰をかがめて仕事をしない。ワゴンの下の方から食事のトレーを取り出すにはかなり腰をかがめないととれないのですが、これをやらないで取り出そうとするので、もう大変!

・食事を配っている間に飲み物の追加注文が出たとき、飲み物はワゴンにないのでギャレーに取りに行くが、やっぱりじっとそこでもう一人は飲み物が届くまで待っている。そして客とおしゃべりをしている。


ざっと見たところ、こんな違いがありました。
飛行時間はシンシナティーまで4時間もあり、食事をする時間はたっぷりとあって、急いで配膳をする必要はありません。
ゆっくりと配膳をしている方のグループがサービスが良いかと言えばそうでもありませんでした。私が毛布を持って来て欲しい、と白人のオバサンに頼んで毛布を持ってきたのは5分後。決して愛想の悪い、オバサンではありませんでしたけど。

実はこのオバサン、2回目の飲み物を配っていた時にコップを配るときに、手を滑らせて床に落とすところだったのですが、手の上で踊ったコップを床に落とすことなく、受け止めました。これが客の頭の上で起きたのです。
「That’s good catch!!」
とか自分で叫んで、ハハハーと大声で笑ってそれでおしまい。(客が日本人だったら、怒り出すような雰囲気。)

この違いはいったい何なのか?ふと毎日の会社でのアメリカ人の動きとダブらせて考えてしまいました。
日本人とかの東洋人と、白人とか黒人との大きな違いの一つに「同時に2つ以上の事ができるか、できないか。」というのがあります。
これは実は非常にやっかいな問題で、何かの事を緊急でやらせたいとき、
「今、いついつまでにやらなくてはならない仕事があります。この件をやれとの事ですが、どちらを優先すればいいのですか。」
どう考えても同時にできる仕事の場合でもこれです。

よく日本人はせっかちだと言われますし、私の会社でも実はアメリカ人たちは、私達日本人をそのような目で見ており、いくつもの仕事を同時にやっていく点に関しては、自分達はかなわないと思っているようです。
アメリカ人でもあるタイトル以上の人は、複数の仕事を同時にこなす能力はありますが、それでも日本人の比ではありません。

このフライトのオバサンと黒人のオネエサンの組み合わせは、座っているお客に対して座席の順番でサービスをしていく、という法則だけは見事に守られておりました。
それといつも感じる事の別の一つが、US系の飛行機はやたら冷房が効きすぎている事。ですから私はどんな時でも飛行機に乗るときは長袖のちょっと厚めのシャツを着ることにしています。
回りを見ると半袖でいる人が多いのですが。

会社でも冷房は非常に良く効かせます。やはりアメリカ人でも個人差はあるようで、真夏に膝の上に毛布を置いたり、真夏の外ではとてもじゃないけど、絶対に着ないような上着を事務所の中で着ている人がおります。
これ何とかならないかなー。私はいつも夏になると寒くて仕方がないのです。


何とか4時少し前にコロンバスに到着しました。
そんな訳で、今回も普段は読めない2冊の本を読みきってしまいました。LA出張は読書のできる貴重な時間でもあります。
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