02−03−08 何でオレだけなのだ!!
今週の土日は、翌週の月曜日に行われる会議の準備のため、LAに行ってお仕事。そんな訳で金曜日の夕方のフライトでLAまで。
コロンバスからLAまでの直行便は1日に1つしかなく、今回はこれを利用。大抵はシカゴとかデトロイトとかを経由していくのですが、直行便はやはりラクです。

一緒に行くのはIさんとSさん。久しぶりに日本人だけでの出張です。
コロンバスの空港に着くとIさんは既に来ており、2人でチェックインカウンターに並びます。
私だけはLAで土曜日だけ仕事をして、日曜日はLAから日本に行くことが急きょ決まっておりましたので、Iさんとは違い、スーツケースを持っておりました。

例のテロ事件の後、国内線はこれで4回目、国際線は2回目。相変わらず、荷物の検査は厳しく行われております。
スーツケースは貨物室に入れて運ぶのですが、チェックインカウンターのオバサンが中身の検査をすると言います。
チェックインカウンターの横にはちょっとした囲いがあってそこには大きな机が置いてあり、検査員がおります。チェックインをする前にちらと見たら、検査員は手持ち無沙汰に大あくびをしておりましたので、イヤな予感がしましたが、案の定、引っかかってしまいました。

アメリカの空港のカウンターには日本のカウンターのように、若いきれいな女の子は一人もおりません。
大体がプロレスラーみたいな、ずっと昔のお嬢さんばっかりです。
そのオバサンは私のスーツケースをひょいと持って、検査員に検査をするように言います。

検査員は黒人のかなり間抜けな顔をした男。
ロックを外して、スーツケースを空けて検査開始。
私は着替えとか下着とかは風呂敷に包んでスーツケースに入れます。
この黒人、3つの大きな風呂敷包みを見て、目をパチクリ。
ン?ナンや、これは?てな表情。恐らく風呂敷包みを見るのは初めてなのでしょう。

どうも風呂敷の結び目の解き方がわからない様子。私は黙って見ておりました。
するとその黒人、しばらく考えた末に風呂敷の隙間からでっかい手を突っ込んで中身をゴソゴソ。

3つの風呂敷包みはこうして検査を終えました。靴、スーツは普通に入れてあるので、彼氏もほっとした表情で手で触って検査はおしまい。

風呂敷包みを見た彼の表情、今でも忘れません。風呂敷と言うのは日本人の知恵や!覚えとけ。
今度はゲート入り口での機内持込検査。これはX線検査機で荷物の中身を見ます。
ここは無事通過。検査ゲートは3つあり、どれに行くかが運命の分かれ道。(大げさやなー。)なるべく、ぼさっとした若い検査員のいる検査ゲートに行くのがコツです。

Iさんが選んだゲートは白人のオジサンの検査員。案の定、エライ時間がかかっておりました。
私が選んだのは黒人の若い女の子のゲート。もう、スイスイ荷物を流しております。一応X線検査機のスクリーンを眺めておりますが、多分何も見ていないと思います。

搭乗ゲートに行くとSさんが既におりました。
案内があったので搭乗を開始します。Sさんは何故かファーストクラスにアップグレードしております。どうして?
Sさん、チケットを搭乗ゲートのオバサン(アメリカの空港はオバサンだらけなのです。)に渡すと、そのオバサン、すかさず手荷物の検査をやるようにSさんに言っております。

Sさんはしぶしぶ、これまた搭乗口の横にある荷物検査の机に行って検査を受けておりました。
私の番になりました。そのオバサン、チケットちらと見て、私にも荷物の検査をするように言います。またか!
ここの検査員もやはりプロレスラーみたいなオバサン。私のカバンの中をゴソゴソとあちこち3分以上、引っ掻き回しておりました。

搭乗ゲートで手荷物検査を受けた人数は6人。このフライトに乗った人数は200人くらいおりましたから、約30分の1の人に対して検査をした事になります。
ところが検査を受けた6人のうち4人が東洋人、2人が白人。ざっと見て200人のうち、東洋人は10人足らずで、要するに東洋人を集中的にやっている雰囲気でした。
翌日、LAの副社長と夕食を一緒にした時にこの話をしたら、この人曰く、

「Sさんの苗字はSHINXXXXですよね、あなたの名前はSHINXXですよね。SHIN何とかは、西アジア系に多い名前じゃないかなー。そうだよ、それでやられたのだよ!
私はNYの事件以降、何十回も国内線を利用しているけど、1回も検査された事がありませんよ。」

Sさんも言っておりました。
「同じセクションに、ロシア系の白人のヤツがおりまして、911以降、6回飛行機に乗って、全部荷物のチェックを受けておりまして、カンカンになって怒っております。」

どうも荷物検査をするかどうかの判断はは名前でやっているようです。でもザルみたいなX線検査、名前で適当に抽出しての荷物検査、効果があるとは思えません。

アメリカが何故テロにやられるか、その根本を解決しないで、爆弾を持ち込む恐れがあるから検査を強化する。これは銃があるから銃を持つ、というのと同じの、私に言わせると救いがたい発想なのであります。

ある旅行の本に書いてありました。荷物検査でゴソゴソやられないためには、うんと汚れた下着をばさっと一番上に置いておくのが一番だそうです。今度からやってみよう。
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