02−02−08 ブラジルに行った先輩
私の前任者はオハイオでの勤務を終えて日本に帰り、平穏無事(?)な生活を送っておりました。年齢は私より4才上、実は高校の先輩でもあります。
その先輩に昨年の夏に日本で会った時、「また転勤の話がある、今度はブラジルだ。」と言っておりました。随分悩んだようですが、結局は行くことを決意、今年の1月に赴任をしました。

ところがメールを発信しても返事はなし、あれ、本当に行ったのかな?
とい事でブラジルに電話をかけてみました。ブラジル人の社員が電話に出て、先輩のSさんはいるとの事、但し今は席にいないとの事。
無事に赴任をしているのがわかりましたので、伝言を残して電話を切りました。
先輩の赴任したところはサンパウロの北、約150kmくらいのスマーレという中都市の郊外。私も4年程前に行った事があります。
ブラジルは世界一に近いのではないかという程、治安が悪い国。サンパウロだけで年間2−3万人の人が殺されているそうで、これは警察が把握している数字ですから、実際はどれだけの殺人があるのか、見当がつかないそうです。

伝言を残してから約1時間後、今度はブラジルから電話が掛かってきました。元気そうなようす。PCをもらったのが今週になってからだそうで、メールの返事が来ない理由に納得。
今はホテル住まいで、現在家の契約を進めているらしいのですが、たっぷりとあと2ヶ月は必要だとの事。

以下、先輩のブラジルはスマ−レ赴任1ヶ月目の感想。私も4年前の出張の時を思い出しながら話を聞ききました。

・車の運転が難しい、とにかく道路が真っ直ぐでないので、どっちの方向に走っているのかわからない。太陽を見ながら走っているけど、南半球なので、太陽の方向が逆。頭が混乱する。2ヵ月後に来る奥さんに「方位磁石」を持ってくるように言ったそうです。

確かに殆どの道は不規則にカーブを描いており、非常にわかりにく。でも私が行った時は、全てブラジルの駐在員の車に乗せてもらったので、不便は感じませんでしたケド。

・殺人がやはり頻発しているそうで、殺人は全くニュースにはならないとの事。

これはオハイオでも同じで、ローカルのラジオを聞いていても警官が殺されたとかはニュースで軽く流していますが、これ以外にも一杯あるはず。でもニュースではあまり聞きません。

・とにかく昼間から、いい年の人間がゴロゴロしている。強盗は真昼間でも堂々とやられているそうです。実質の失業率は25%以上だそうです。

道端で30代くらいの働き盛りの男たちが何人も座り込んで、たむろしているのは、はっきり言って気持ち悪い。このようなグループが、町中に無数におりました。

・日本人はどんなに日焼けしても、どんなに汚い格好をしていても他の東洋人との違いを直ぐに見破られるとの事。不思議。強盗に狙われたら最後。どんなことをしても、防げない。持っているものを全て差し出すしかない。
アメリカのように、安全な地域とそうでない地域がわからない。というとりもごっちゃになっている感じ。

アメリカも強盗は多いのですが、でも危ない場所と、安全な場所がある程度分かれており、危ない所に行かない限りはそれほど問題はありません。(コロンバスでの話)

・食べ物はおいしい。果物、野菜が豊富。でもやはり肉が中心の食事。量も非常に多い。

アメリカと比べたらどこの国の料理もおいしく感じることに、全く異論はありません。でも私の先輩は食べ物がなくても、液体燃料があれば生きていける人なので、どこの国でも問題はないと思います。
先輩は間もなく50歳も半ばに達する人で、息子2人も学校を卒業して就職をしており、いろいろと迷った挙句、奥さんを連れて来る事に決めたようです。
オハイオでもいろいろなエピソードを残していった人なので、きっとブラジルでも話題を作ってくれるのではないかと期待しております。

でも確か、この先輩も命は一つしかなかったハズ。くれぐれも気をつけてください。でもまさか、今度帰任するときにオハイオの時のように、私を指名するのではないでしょうね。困りますよ、これだけは。
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