02−01−17 カナダ日帰り出張
今日はカナダへの出張。カナダの会社はトロントの北100kmくらいのところにあり、トロント空港からは車で約1時間のところ。大体は前日の夕方に出発をして、翌日の夕方に帰るというパターンが多いのですが、この日は日帰り。

朝の3時50分に起きて、家を4時50分に出ます。空港には5時15分に着いて、6時25分のフライトに乗ると言う、かなり朝がきついスケジュールです。
チェックインを済ませて、荷物検査のゲートをくぐります。早朝ということもあって、殆ど行列はありません。実は例のテロ事件の後、初めてのカナダ出張で、検査がどうなっているのか心配だったのですが、すんなりパス。

あまり心配をする必要はなさそうです。
ゲートに行くと同行のアメリカ人女性は既に待合室で待っておりました。
「こんな朝早く起きるのはきつくない?」
大体のアメリカ人は朝早いのはあまり気にならないのですが、今朝は格別。彼女曰く、
「もう大変!」

アナウンスがあったのでゲートに行くと、何とここで再度手荷物の検査。カバンを全部開けて徹底的に見ます。私の番です。まあ、別に怪しいものを持っているわけではないので、気楽に構えておりました。

カバンの外側のチャックを開けます。キーホルダーを出しました。ン?
私のキーホルダーには3−4cmの超小型ナイフが付いております。「これ、ダメなんですけど。」検査の白人の女性が言います。
「いいよ。置いていく。」

更に今度はカバンの中をごそごそ。洗面用具の小さな袋までチャックを開けます。日帰りでしたが、もし何かの都合で1泊という事になった場合に備えて洗面用具を持っていたのです。
彼女は爪切りを見つけました。この爪切りも多機能になっており、やはり3cmくらいのナイフがついております。
「これもダメなんですが。」
「いいよ。置いてく。」

今度は数珠を見つけました。エー!何でこんなもの入ってるの?本当に私がびっくり!
そうかカミさんが使っていた時に入れたのか。検査の女性は不思議そうに見ています。何て言えばいいのだろう?エーッと、、、、、、、
「私は仏教徒である。これはお祈りの時に使う道具である。」

彼女は頷き、カバンに戻しました。このカバン、書類だけポンポンと入れて、私は何が入っているのか全然チェックをしていなかったのでした。
靴も脱がされて、底を見ておりましたっけ。とにかくフルコースで点検をされました。幸いな事に検査員はアメリカ人にしては非常に礼儀正しい人で、いつものように気分を害するという事はありませんでした。厳しい検査体制は当分続くようです。
帰りは午後4時30分のフライト。会社を2時には出なくてはなりません。ところが会議が長引き、会社を出たのは2時30分。空港まで130km/hで飛ばして、レンタカーを返して、やっとチェックイン。

ゲートに行くと、アレ?出発は5時になっています。遅れたのか。
まあ丁度よかった。ところがしばらくすると更に30分遅れます、とのアナウンス。更に1時間遅れます。つまり4時30分の予定が6時30分になるというのです。

「AC31XX便のお客様、フライトが遅れます。20ドルまでの食事を無料でどうぞ。」
チケットを売店で見せれば唯で軽食を食べる事ができるのです。連れのアメリカ人と何か食べようか、という事になり、売店へ。
ロクなものはありません。

結局特大のホットドッグを注文。彼女はビールを飲むと言うので、私もビールを注文。ところが、店員曰く、ビールは食事には含まれない、ソフトドリンクならOKとの事。わかった、わかった、ビールは自前で払います。
でも何でビールはダメなの? とかブツブツ言いながら彼女とホットドッグを食べていると、とうとうAC31XX便はキャンセルとの事。

アーア、最悪。
で、次の便は9時半、まだ3時間もあります。
「SHIN、どうする?」
「どうするって、待つしかないね」
「じゃ、私に任せなさい。」
彼女はカウンターに行って、9時まで待てない、AA(アメリカンエアーライン)のフライトが6時44分にあるはず、これのチケットを取ってくれ、と交渉をしてACの職員を押し切ります。でもあと40分しかありません。
AAはターミナルが全く別、2kmくらい離れておりシャトルバスに2回乗らなくてはなりませんし、あのややこしい通関、荷物検査をもう一度受けなくてはなりません。

「このままでは乗れない。バスを直ぐに呼んで下さい。それと近道を案内して下さい」
ACの職員はトランシーバーで巨大なシャトルバスを、我々2人のために呼んでくれました。今度はターミナル移動のバス。これがなかなか来ません。

やっと飛び乗って、ターミナル2へ。あれ、通関のところに誰もおりません。エイ、そのまま行ってしまえ。
荷物検査も
「急いでいるのです。乗り遅れそうです。」、の一点張りで、さっさと通過。

やっとAAのゲートにたどり着きました。
「SHIN、まだ10分の余裕があるじゃない?」

乗り換えを交渉して、バスまで呼ばせて、通関をかっとばして、荷物検査を強引にさせて、トロント空港のターミナル1からターミナル2まで30分で移動。これは私一人ではできません。

「君のチャレンジ精神と、強引さには感心するよ。」
「ダメかもしれなかったけど、やってみないとわからないでしょ?」

この日の彼女のやりかたは、大いに勉強になりました。でもオレ一人だったらここまではできないだろうなー。
彼女のお陰で9時前には家に帰ることができました。
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