01−12−20 空港の警備
今日はアメリカに帰る日。生活の基盤がアメリカにある現在、アメリカは「帰る」ところなのです。
夜のうちに荷物の整理をして、ホテルから出る7時のリムジンバス乗り込みます。忙しかったけdれど、それなりに充実していた休暇一時帰国。

アメリカにいるからこそ、こうやってたまに来る日本が新鮮に映るのかも。最近特に思うようになっております。
成田に着くと結構な人出で、いつもと変わりません。
義理の妹からの送られていた荷物を受け取り、いつものように荷物の検査ゲートをくぐります。今日は特大のスーツケースともう一個小型のスーツケースの2個を持っております。

「すみませんが中を見させて頂きます。」

税関の職員が荷物の検査を要求します。今まで国際線は50往復以上やっていますが、検査を要求されたのは初めてです。テロの影響でしょうか、仕方ありません。
義理の妹から送られてきたスーツケースは、鍵の番号はえーっと123だったけ。あれ?アンロックになりません。あれ、012だっけ?やはり開きません。

思いつく番号を全部セットしても開きません。税関職員のオネエさんの方を見ると何やら胡散臭そうな目つきで私を見ております。さては義理の妹が番号を変えたのかな?
エーイ、めんどくさい!

「何かでっかいドライバーない?」

私は別の職員にイライラ口調で言いました。かなり横柄な客です、我ながら。すぐに工具箱を持ってきましたので、ドライバーでスーツケースをこじ開けて、はいどうぞ。
税関職員は「これは何?これは何?」としつこく聞いてきます。
実は私はこのスーツケースには何が入っているのか良く知りませんでしたが、「お菓子、お土産。」とつっけんどんに返事。

「これもお菓子ですか?これも?これも?これも?」
「左様。然り。菓子であるぞよ。」

税関のオネエさんもスーツケース一杯のお菓子に呆れ顔で「結構です。」で終わりました。
もう一つのでっかいスーツケースには、実は小型のバッテリーと電子部品が入っていたのでうが、スーツケースの中身を引っ掻き回したにも関わらず、オネエサンは見つける事ができませんでした。

バッテリーと電子部品の基盤、一番怪しまれる物なのですが、ラッキー!

でも日本の税関職員に荷物を引っ掻き回されるのは、全然苦になりません。これをアメリカでやられたらもう切れそうになるくらい頭に来るのですが。
チェックインの後の通関ゲート、これも荷物検査の長蛇の列でした。
シカゴまでのフライトの席は半分以下エコノミーは3分の1以下のような感じでした。
席は15A。これは私が2番目に好きな席で、2階席の一番前の窓側で、隣に誰もいないとまるで個室気分の席なのです。
やはり2週間の疲れが出たのか、12時間、殆ど寝ておりました。

シカゴに着いて国際線のターミナルから3番ターミナルまでいるものようにモノレールで。ターミナルのカウンターはチェックインの客でごった返しております。

私はチェックインは成田で済ませているので、そのままゲートの荷物検査の列に並びましたが、この列もうんざりの長い列。機内持込の荷物の検査と身体検査でいつもの3倍くらいの時間が掛かっております。
検査員はコロンバスでもそうでしたが、なぜか殆どの人が黒人。

どんな検査をするのかじっと見ておりましたら、適当に乗客を選んで、身体検査。身体検査とは50cmくらいの金属探知機の棒で身体を上から下まで触って何か怪しい物を身につけていないかチェックするのです。

テロ事件の前はゲート型の検査装置で引っかかった序客だけに対して行われておりましたが、今回はこれには関係なく、検査員が必要だと思った乗客に対してランダムに行っている様子でした、

検査の対象になっているのは、何故か白人ではない、アラブ系とか、インド系のしかも若い女性。
こりゃ興味本位にやっているな?
かなり露骨な抜き取り検査のようでした。

もちろん私はアラブ系でもなし、女性でもないのでゲート型の探知機をくぐってそれでおしまい。
私の前のインド系の女の子なんか、探知棒であちこちつつかれるので、身をよじっておりました。

コロンバスまでのフライトは予定通り、この日はシカゴの摩天楼がくっきりと窓から見える非常に天気のいい快適なフライトでした。

テロ事件の後の空港は警備の兵隊(州兵の臨時憲兵)がうじゃうじゃ。
それに以前にもまして陸軍の兵隊とか、海軍の水兵とかの軍人さんの姿がやたらと目につきました。
シカゴの通関でびっくりしたのは、通関の職員全員武装していた事。さしずめ成田の通関職員のアンちゃん、ネエちゃんが全員拳銃をぶら下げていると思えば結構です。

この拳銃も日本のお巡りさんあたりが持っている小さな拳銃ではなく、特大の軍用拳銃なのです。頭に当たれば頭蓋骨バラバラ、脳味噌全部が床に飛び散る、という強力な大型拳銃です。

テロ事件の直後、アメリカ政府は日本の空港の警備が甘すぎると言って、2日間ほど日本からのアメリカへの飛行機の乗り入れを許可しませんでした。
警備が甘すぎるというのは空港に武装兵、または武装警官がいない、というのが理由でした。
アメリカは今、兵隊を空港に張り付かせ、武装した税関職員が通関検査を行っている、非常事態の国なのです。

でもいくら警備を強化しても、アメリカを守る事はできないのです。
「なぜ、アメリカがテロの標的になっているのか?」、これを考えない国アメリカ。当分は飛行機の旅は、一般人にとって不便が続きそうです。
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