01−09−29 アメリカの変化
テロ事件に対して軍事行動を起こすことが決まり、毎日のアメリカのニュースを一生懸命聞いておりますが、一般生活は以外と冷静になってきました。
今週は日本の首相が大統領に会いに来た事もあって、やっと「日本」という言葉をニュースで聞くことができました。

以下にいくつか気がついたアメリカの一部を紹介します。
日本が何か非常事態になったとき、これらのアメリカと同じ動きが政府なり、民間なりでとれるか、興味深いところです。私の英語は非常に限られているので、多分大分勘違いもあると思いますが。
*** テレビニュースでは盛んに献血とか、ボランティアの募集をしており、FBIもこんな募集をしておりました。
「求む、中近東の言葉の読み書き、会話のできる人。資格はアメリカ国籍を持つ人。」

国防総省ではなくFBIですから、アメリカ国内のテロ組織の壊滅操作のために急にこのような人材が必要になってきたのでしょう。
日本で何か外国がらみの大きな事件があったら、「求む、人材。XX語に堪能な人。」てな警視庁の広告がテレビに出るか?興味深いところです。

*** オハイオでは州兵の召集が相当規模で始まっています。目的はは空港とか、州政府とか、その他州の重要な施設の警備に当たるそうです。
それに加え、病院の医師とか、看護婦も組織的に緊急体制に入っており、どこどこの病院は一般の診察時間が変更、制限されます、なんてラジオでやっていました。
確か州兵の召集は州知事の権限で簡単に実施できたと思います。

*** 今回の事件で7000人近くの人がなくなったのですが、政府をなじる報道は一切ないように思われます。私はわからないのですが、逆に「政府を批判してはいけない。」という言葉が、多くのニュースキャスターから流れているそうです。
全てのテレビは「America United」、つまり「団結するアメリカ」、という文字をずっと流しております。

*** ここ2週間で、銃がいっぱい売れたそうです。とにかく店頭の銃がなくなりそうになった店もあるそうです。
93歳のおばあちゃんが拳銃だか、ライフルの弾を山ほど買っていった、というのが話題になっておりました。
おばあちゃん曰く、「私の家に敵が来たら、撃ち殺してやる!」、だったそうです。

*** 景気が急に悪化、航空業界なんか10万人以上の人員整理を始めたようで、経済面のダメージも深刻になってきております。
一般的にアメリカ人は大半の個人資産を「株」で持っている人が多く、株の値下がりはアメリカ人にとってものすごい深刻な問題なのです。
これは間接的に知った話ですが、多くのエコノミストが、「個人は株を売るな。じっと耐えよう。今は国難である。あなたの行動で、経済が維持できる。」
と言っているそうです。
テロがあった9月11日以降数日間は、テロ攻撃を日本の「真珠湾攻撃」とダブらせて報道をしておりました。では今は何とダブらせて報道をしているか?
それは1944年の連合軍のノルマンジー上陸作戦です。

つまり第2時対戦でのアメリカ、イギリス、フランスを中心に実施された大作戦で、これの成功により連合軍はドイツに勝ったという事になっている、あの有名な作戦です。

今回のアフガニスタンへの侵攻はつまり、21世紀のノルマンディー作戦だ、と言っております。確かにNATO各国、アフガニスタン周辺各国、オーストラリア、日本まで味方にしての大作戦ですから、そんなイメージになるのでしょう。

でも昨夜のテレビを見ていたら、ノルマンジーの作戦を出しながらも、あのような大々的な戦いではなくなるだろう、というような事をニュースキャスターが言っておりました。
しかしアメリカ一般人はやはり、「連合軍」を非常に強くイメージしているのは間違いありません。テレビではもう既に、「史上最大の作戦」というノルマンジー作戦の映画をやっておりました。

それと日本の軍事評論家とアメリカの軍事評論家の決定的な違い。ズバリ日本の軍事評論家は「兵器評論家」に過ぎないという点です。空挺部隊はどうとか、特殊作戦部隊の兵器はどうとか、そういう話に終始している感じがしてなりません。
アメリカの軍事評論家の話を聞いていると、外交、国家戦略評論家に近く、当然軍事というのは「外交、国家戦略」そのものだから不思議ではないのですが。

「真珠湾攻撃」、「ノルマンジー大作戦」、次のイメージは何になるのかな? 「ベトナム戦争」にならなければいいのですが。
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