01−07−31 アフターファイブの日本
LAから戻った翌々日の7月22日から今日まで2週間の日本出張。
相変わらずのスケジュールでしたが、今回は今までに比較して少し余裕のあるスケジュール。余裕があると宿泊場所をあまり変えず、移動が少なくなるのです。

最初の1週間はアメリカ人と一緒の行動でしたが、行きのフライトは別。アメリカ人が一緒だと何かと行動の自由がきかなくなるので、これはラッキー。

スケジュールの余裕と仕事の出来映えは関係なく、今回は100点満点の60点くらいでギリギリ落第を免れたという感じでした。仕事は相手のある事だし、いろいろなしがらみもあるので、悩んでも解決する事は少ないので悩まない、これが最近の私のやり方です。
今回の出張の前半の大きな部分の仕事が終わったの26日の木曜日。
仕事が終わった後の誘いの電話があちこちから掛かってきたのですが、全部断ってこの日は前の職場の上司との夜のミーティング。
お嬢さんではなく、桶に注目
この元の上司はなかなかの美食家で、まずいものを食べさせられたという経験がありません。
今回も寿司屋で結構な魚をかなりの量を頂き、その後割烹風の居酒屋へ。ここでも生き造りを食べ、おまけにクジラの刺身まで。
クジラの刺身は何年ぶりかで口にしました。つい感激して写真を1枚。

私はクジラ以外にイルカの刺身を食べた事があります。どのようなルートで手に入れたのか、よくわかりませんがとにかく行きつけの店の板前が出してくれました。味はクジラと同じでした。

いろいろと最近の社内の事情を聞かせてくれましたが、このような話はなかなか昼間は聞くことができません。
やはり日本のサラリーマンの世界ではアフターファイブは無視できないのです。このようなやり方に外国人ばかりではなく、最近は日本人の若い世代は反発をするそうで、徐々に変わっていくのかも知れません。

昼間の仕事を通じて、またアフターファイブのコミニケーションを通じて、明らかに私は浦島太郎になっていると感じざるを得ませんでした。
そりゃそうだ、もうアメリカに行って6年目だもんな。
翌日27日の金曜日はこれは社外のIさんとアフターファイブ。
場所は南青山とJR信濃町の中間くらいにある明治記念館のビアガーデンで。ここは随分昔に、本社の同僚と来たことがあります。中の雰囲気はよかったのですが、出てくる料理がイマイチ。いえ、イマサンくらいであまりいい印象が残っておりませんでした。
夜はライトアップされ、なかなかの雰囲気です
第一に上品過ぎた、つまり量が極端に少なかった。大体普通の店の半分か、それ以下。そして値段は約2倍見当。
味は一般的な店と全くかわらず。
但し、広い日本庭園の真ん中に敷物をしいて、琴の演奏を聴かせてくれ、雰囲気は満点でした。

今回もあまり期待しないで行ったのですが、注文した食べ物はまずまずで、値段はやはり高めでしたが、以前のような貧相なものではありませんでした。飲みものは貧相なままでしたケド。
オレは何でこんなに食い物、飲み物にこだわるのだろう。きっとうんといやしいのかも。

今回は琴の演奏ではなく、日本舞踊を見せてくれました。途中で明治神宮の方向から花火が数十発。
私は外出の時は大体デジカメを持ち歩いているのですが、ナゼかこの日は1枚だけしか撮影をしませんでした。あまりパチパチは相手に失礼かと遠慮したのかも知れません。
翌週に会社の帰りの夕方、やはり気になったので撮影をしましたケド。

今年の夏は、連日場所によっては35度を越える猛暑の日本。ところがこの明治記念館の日本庭園のビアガーデンでは全く暑さを感じず、非常に不思議でした。多分庭園の芝生のせいだったのでしょう。

日本に来て初めての涼しい夜でした。社外のIさんは別な面で私をリフレッシュしてくれます。
31日の火曜日は栃木県宇都宮で会社の私の先輩と同僚の3人でアフターファイブ。
先輩のSさんはブラジル駐在が決定している身分。奥さんにも約6年ぶりで会いました。痩せたと言われました。
そうです、朝が早く、夜が遅い非人間的な生活を送っていると人間、痩せるか太るかどちかになるのです。

同僚のもう一人のSさんは埼玉県からの新幹線通勤をやっております。
ですから10時前には帰らなくてはなりません。ドアーツードアーで恐らく2時間弱はかかると思いますが、毎日往復3時間以上4時間近くの通勤は、夏冬それぞれ大変のようです。

行ったところは二人の行きつけのお店。
出された漬け物がおいしかったので、ベタホメしたら店のお母さん帰りに漬け物を持たせてくれました。でも漬け物持ってアメリカに帰る訳にもいかないので、先輩のSさんにプレゼントしました。

やはりこの2名からもいろいろと情報をインプットしてもらいました。良き先輩、同僚というのもはありがたいものです。
アメリカ人を同行した場合、多くの場合は夕食をこれらの人達といっしょにする事になります。
ところが言葉の問題があって、私が意図するアフターファイブはなかなか成立しません。内容は別に秘密にする必要のない事ばかりですから、以前は参加してもらっておりました。

ところが、日本人が予め持っている情報量がけた違いに大きいのが普通なので、日本人同士であれば1分で済む事が10分以上の説明を必要としたり、或いは私レベルの英語表現ではニュアンスが伝わらなかったりで、帰る頃にはお互いがストレスの塊になってしまうのが常でした。

従ってアメリカ人が入ったアフターファイブは軽い冗談の連続になってしまい、ただ酔っぱらうだけの会に終わってしまうのです。
そこで私はある時期から、何も無理にアメリカ人をアフターファイブに引き込むことはないのではないか、という結論になり、現在ではアメリカ人を入れたアフターファイブは行わない事にしております。
アフターファイブは言葉の問題だけではなく、いろいろな要素があり、外国人には参加はムリと言えそうです。

アメリカ人にこんな質問をしてみました。
「本当のアメリカとアメリカ人を知るためにはどうしたらいい?」
答えは
「日曜の朝、町のパブに行ってコーヒーを飲みながらみんなの会話に入ればわかるかも知れない。」

これは何を意味するのか、私にはまだわかりません。多分、アメリカとアメリカ人は外国人にはわからないのさ、と言っているフシがありました。

ですから日本と日本人の事をそんなに知りたいと思っていないアメリカ人を、日本人のアフターファイブに無理に誘わない、というのは別に構わない、と思っているのですが。
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