01−07−10 ロックアウト |
朝がきました。いつものように寝ぼけ眼で外に出て新聞を取りに行きます。アメリカの新聞配達はポストに入れてくれるとか、そのような気の利いた事はやってくれません。敷地の中にポーンと投げてあるのです。 ですから新聞は「拾う」ものなのです。 新聞を「拾って」玄関に戻り、ドアーを開けようとしたらドアーが開きません。 やってしまいました!! 自動ロックのドアーがきいて、鍵なしで外にほっぽりだされたのです。 |
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時間は朝の6時。 まだ近所の住人は誰も起きておりません。幸いパジャマを着ておりますが、鍵がないとどうしても家に入れません。 さあ困った。 ![]() 2年程前にこれと同じ事をカミサンがやってしまい、家からとぼとぼと30分も歩いて一番近い駐在員の家まで助けを求めに行った事があります。この時は会社に電話がかかってきました。 「家に入れない」 これがあってからしばらくの間、バックヤードのデッキの下に鍵を隠してありました。ひょっとしたらあるかも知れない。 私はバックヤードに回り約30分も鍵を探しましたが、やはりありません。 パジャマ姿で右手に新聞を持って家に入れない。もう、惨めこの上なしです。 仕方がない、お隣に電話を借りよう。お隣は私よりも朝が遅いようで、7時頃に起き出します。申し訳なかったのですが チャイムを鳴らしました。 6カ月前まではアメリカ人が住んでいたのですが、お隣は幸いにも日本人です。 「オートロックがかかって家に入れなくなてしまいました。電話を貸して下さい。」 と言ったものの、誰に電話を掛ければいいのだろう。第一親しい日本人、アメリカ人の電話番号を書いた手帳は家の中。さあ再び困りました。 Sさんがたまたま私の知っているKさんの電話番号を知っていたので、そこに電話を掛けるとKさんは既に家を出たとの事。幸い携帯電話を持っていたので、奥さんがその番号を教えてくれました。 「Sさんオートロックがかかってしまい、家に入れなくなった。誰かアメリカ人に知恵を借りてくれない?」 車を運転中のKさんは快く受けてくれました。 Sさんは会社に着いてから彼のアメリカ人秘書のJ女史に、事情を話してくれ、錠前屋を呼んでくれました。 |
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私はSさんお家のリビングルームで待つこと1時間。 奥さんが朝食まで準備をしてくれ、パジャマ姿で上がり込んだ私は遠慮なく出された朝食を頂きました。やがてSさんは出勤、まだ錠前屋は着ません。 Sさんの奥さんは 「外出するので鍵は後で返して頂ければ結構です。」 双子の娘さんを連れて外出してしまいました。 何もする事がない私は、うとうとと居眠り。突然大きなクラクションが私の家の方から聞こえたので飛び起きると大きな車が止まっております。車には「KEY SMITH」大きく書かれております。 外に出るともう鍵は開けたとの事。どうやって開けたのか、見たかったなー。 料金は56ドル。ちょっと高い気がしましたが、まあ仕方ありません。現金で払いました。 この日は朝から大事な会議があったのですが、出席できず。結局会社に着いたのは11時すぎになっておりました。 |
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会社に行くと、アメリカ人はみんな知っておりました。彼らはこのような話は電光石火、直ぐに伝わります。 何人かのアメリカ人が、 「SHIN、鍵はいらないか?」 とキーホルダーをチャラチャラさせて、ニヤニヤしております。全く別のセクションのアメリカ人からもからかられました。 日本人の駐在員とかも、 「SHINさん、どんな格好で外にいたのですか。これが今朝の一番の話題の重要ポイントでした。パジャマでしたか?クマとかチューリップの柄の。それとも寝間着でしたか。それともまさかパンツ1枚じゃなかったでしょうね。」 と言われる始末。 これが真冬のマイナス20度とかの時だったら大変でした。でも一応まともなパジャマ姿で、本当によかった。 誰もまだ起きていないアメリカの住宅地で、パジャマ1枚で新聞を片手に持った日本人のオジサンが家の周りをウロウロしていた。こりゃ、絵になりませんね。 |
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