99−9−2 会社の名前言えよ! |
電話が鳴る。 「こんにちは!ごきげんいかが?ジャックトンプソンですが。荷物いつ頃に持っていったらいいですか。」 ん?ジャックトンプソン?誰だ? アメリカ人はまず名前を名乗ります。 これが困るのです。 どうしてかと言いますと、例えば上のように電話が掛かってくるとこれは先週に買った家具の配達の連絡で、店の名前は殆どの場合、言いません。 |
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ですから、私の場合、しばらく考えて、 「ABCで買った、棚の配達の事ですか?」 と聞き返す訳です。 「そうです。大きな荷物です」 とまた、訳のわからない返事が返ってきます。 この場合、私はABCというお店で、サイドボードを買ったのですが、自分で運べないのでそのお店に配達を頼んだのですが、ABCはどこかの配達業者に配達を依頼するので、その配達業者は、誰がどこの店で買ったのかは関係はなく、只、頼まれた荷物をX地点からY地点に運ぶだけなのです。 保険屋もそうです。 「こんにちは。スティーブノックスです。」 再び??です。 「XXXXの件でお話したいのですが。」 XXXXXは早口で聞き取れない。しばらくやりとりして、何だ、アルト保険の火災保険の更新の事か、と気付きます。 |
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アメリカでは個人が中心で、その人が属している会社というのはあまり、表面に出ません。職業を聞くいて、これに対する答えは日本人は 「何々という会社に勤務しております。」 と答えますが、アメリカ人は会社の名前は言いません。 「会計のマネージャです」とか、「エンジニアで何々の設計をやっています。」とかいう答えを必ずします。 それと会社でも他の部門に何かを問い合わせしたときに、その担当がいないので、わからない、という答えがよく返ってきます。 誰か代わりの人が答えてくれたり、やってくれるというケースはあまりありません。多くの場合、その担当者が出てくるまで、待たなくてはなりません。 これはどういう事かと言いますと、その仕事はその担当者個人の「持ち物」に近い存在で、余程の事がない限り、この他人の「持ち物」に手は触れません。これはその担当者の上司であっても、同じで、担当者の仕事を勝手に代行するという事は緊急以外しません。 |
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アメリカは組織ではなく個人の社会なのです。 でも家具の配達はせめて 「ABCから依頼された家具の配達の件ですが。」 と最初に言ってほしいな。 ジャックだの、ジョンだのオレには関係ないよ。 |
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