99ー8ー4 免許証は必要か
久しぶりにメキシコ出張。直通だと4時間くらいで行くのですが、テキサスのダラス空港で2時間ほど乗り継ぎのために待つので、合計6時間の旅。

グアダラハラという、メキシコでは2番目だか、3番目に大きな都市が目的地で、空港に着いて入国審査を済ませると、Iさんが出迎えてくれておりました。Iさんはここに駐在になって約半年。
色白の彼もメキシコの陽射しで、少し赤くなっております。さっそく車に乗って会社へ向かいます。

やはり走っている車、街の建物等、アメリカと比べると格段に見劣りしますが、いつ来てもメキシコは何か親しみを感じます。
「ところで、スペイン語はうまくなった?」
「まあ、すこしずつです。」
という返事。
「全く知らない言葉だから、大変だね。」

英語は男言葉、女言葉の違いはほとんどありませんが、スペイン語にはあるそうで、我々外国人のスペイン語をメキシコ人が聞くと、誰から習ったのか、直ぐにわかるそうです。
(つまり、男から習ったのか、女からならったのか、です。)
スペイン語ができなくて最初に困るのが、運転免許証の取得ではないかと思い、
「国際免許は1年で切れるし、それまでに免許を取らなくてはいけないし、これも大変ダナー。」
と聞くと、メキシコでは基本的に国際免許証は認めていないとの事。
「じゃ、今どうしているの。」典型的なお土産屋さん

彼は黙って、日本の免許証を取り出して、これです、という。東京都発行のバリバリの日本の免許証です。

彼は、スピード違反でパトロールに1回捕まっとも言っておりました。メキシコの運転はちょっと言葉では言い表せない程荒っぽく、すざましいものがあります。

お巡りさんに捕まって、この日本の免許証を見せたら、一瞥して免許証は直ぐに返してくれたそうですが、何やらゴタゴタ言って身柄は放免してくれそうもない。
そこでカンの良い彼、黙ってポケットから20ペソ札を4枚、出したそうです。


それでも、何のかんの言ってくるので、おかしいと感じた彼はしばし考えたそうです。
あつ、そうかという事で更に10ペソを出すと、お巡りさん、にっこりしてパトカーに乗ってどこかへ行ってしまったそうです。
一緒に行った、ジム君。メキシコ人でも十分に通用する雰囲気
実はお巡りさんは3人いて、80ペソだと3人で割り切れないので、丁度3人で均等に分配できる金額が必要だったようで、合計90ペソ、つまり1人30ペソの罰金(この場合、ワイロという言葉はメキシコの名誉のために使いません。)になったという、ウソのような、ホントの話をしてくれました。

後でIさんが、まだ免許証を持っていない事を何かの拍子に、同じく駐在のYさんに話したら、

「何だ、あいつ、まだ買ってないのか。」
という意味深長な事を言っておりました。

ちなみに、彼の持っていた日本の免許証とは、本物の免許証をコピーし、それをラミネートしたもので、本物はいつ没収されるかわからないので、見せないと言っておりました。

メキシコってアメリカ以上に不思議な国です。
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