シカゴ(1) |
学校の休みを利用して上の娘が来ており、せっかくだからどこかに行こうと言うことになりました。 普段はオハイオの田舎住まい、身も心も田舎者になっている私にとっては、都会に憧れる気持ちは人一倍。行き先はシカゴ、ここはコロンバス丁度から650kmですから車で6時間。手頃です。 でも冬のシカゴに行くと聞いた職場のオハイオ人達は、一同に不思議な顔。 「いったい、あんな寒い所に行って何するんだい?」、から始まって、とにかく理解できないという感想ばかり。日本からは「スケートでもやるの?」、というメールも来る始末。 違うのです。 人間というものはたまには全く環境の違う場所に行って、刺激を与える事が重要なのです。毎日とうもろこし畑を見ながら田舎道を通勤していると、段々と思考も緩慢になってくるのです。(ちょっとオオゲサ。) それと、カミサンと娘の「お買いもの」も大きな目的で、私は運転手兼マネー・スポンサーという役割も演じなくてはならない、「かわいそー」な役割もあるのです。 |
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ありゃー、雪が! いつものとおり朝の7時半頃に家を出発。コロンバスからインディアナ州の州都、インデアナポリスまで真西に向かって2時間半、そこから北北西に向かって3時間でシカゴに着きます。 インディアナポリスからシカゴまでのI−65の途中でかなりの雪が降ってきました。ちょっと危険な状態。それでも120kmくらいで走るのですからスリル満点。 ラジオをつけて天気予報を聞いてみましたが、雪の事は何も言っておりません。これくらいの雪は当たり前なのかな。 でも1時間くらいで雪は止みました。よかったー。 |
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雪だるま2つ、あっ間違い、完全防備の2人 シカゴのダウンタウンの運転は結構というか、相当にわかりにくい。案の定、フリーウエーから下りるのに道を間違え、ダウンタウンの中をウロウロ。 それでも2時前にはホテルに到着。チェックインを済ませて早速町の中を探訪。とにかく寒いのです。マイナス15ー16度Cくらい? マイナス15度C程度はオハイオでも普通なのですが、外を歩くという事がないので、ご覧のような雪だるまみたいな格好をしないと、見物どころではありません。 |
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ミシガン通り沿いのブランドショップ シカゴでのショッピングは大体歩いて回れる範囲にあります。 特にこのミシガン通り沿いには日本でも有名なブランドショップがズラリ。 下の娘だと目の色を変えて店の中に突進していくのですが、上の娘はあまり興味がないらしく、外から見るだけでおしまい。私にとってはウレシイ事であります。 マフラーとかコートで有名なブランドの店に、一軒だけ入ってみました。店の中は日本人のお客ばかり。私がボーっとしている間にコートを一着買わされてしまいました。 |
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ジョンハンコックセンター 高さ343mの100階建ての建物で、シカゴで3番目に高いビルです。94階が展望台、95、96階がレストランになっております。 42階から92階まではアパートにもなっており、下の方はショップもあります。 実はシカゴは2回目で、前回に来たときはここには上っていなかったので今回はエレベーターで96階のラウンジに上ってみました。50秒ほどで、あっというまに96階。 冬の、しかも天気も悪い時期なのに結構な人がおります。大体が観光客風の感じで、親子連れも多くおりました。 ラウンジは残念ながら、窓際の一番眺めのいい席は詰まっており、仕方なく、少し奥の席へ。 飲み物3人前で$18ドルを取られましたが、眺めは抜群。しばらくの間、ここに座って外を眺めておりました。 |
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ラウンジからの眺め ミシガン通りからシカゴループ方面を見たところです。 遠くにシカゴで一番高いシアーズタワーが見えますが、これは更に100m程高い、443mもあります。 写真を撮った一瞬だけ天気が少し良くなり、遠くも見えました。雪で町は白くなっており、外気温度はマイナス17度C。でもラウンジの中はホカホカの暖房。 ここを出たのは夕方の4時半を過ぎており、だんだん暗くなる頃。夜景を見るためでしょうか、ラウンジに来る人も多くなってきました。これくらいの天気であれば、夜景は十分に楽しめると思います。 オハイオのコロンバスから飛行機でシカゴに来るときは、この町の上を丁度旋回しながら着陸するので、同じような景色がもっと上から見ることができます。 遠くに見えるループ地区は近代建築と野外彫刻がたくさんあり、訪れるに値する場所です。 |
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ミシガン通り沿いの路地 やはり真冬のせいでしょうか、ちょっと路地に入ると途端に人通りが少なくなります。 しかし、道路沿いの木という木には電球が灯されており、何とも言えない雰囲気を作っております。 12/26というクリスマス明けの日にもかかわらず、大体の店は開いており、メイン通りは結構賑やかでした。この寒い中でも、ビルの前では黒人がサックスを吹いていたりしておりました。 シカゴは黒人、白人がそれぞれ37ー8%で黒人が多い町です。NY等に比べて意外と東洋人の姿は少ないように感じられました。 |
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ホテル近くの通り ホテルはミシガン通りから少し奥に入った所を選びました。ここは3年前に泊まった事があります。 5時にはすっかり暗くなり、一度ホテルに戻り、部屋からレストランを予約。このレストランも3年前に行ったシーフードレストランです。 ホテルから歩いて30秒のこのレストランは日本の観光案内にも出ておりますが、今回も東洋人は私達だけ。ネクタイなしで入れるギリギリのレベルのレストランです。 前菜、メイン、それにデザート、全て結構な味で、オハイオの田舎ではちょっと味わえません。(探せばあるのでしょうが。) |
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科学産業博物館の正面 実を言うと私は、本当はシカゴ美術館に行ってみたかったのですが、先回行った事があるのと、娘がどうしてもここに来たいというので来てみました。 ホテルのフロントで行き方を聞いて、車で約15分。 ここはシカゴでも人気の観光ポイントで、中は子供にもわかりやすいレイアウトと説明で、たくさんの小学生、中学生が来ておりました。 勿論大人の鑑賞にも十分堪える展示内容です。 場所はジャクソンパークという所にあり、後で知ったのですが、ここの東と南はかなりヤバイ場所だという事です。 |
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人間のスライス 囚人だった黒人の女性を1cmごとにスライスしたホルマリン漬け。信じられないのですが本物です。 色は全体に茶色に変色しておりますが、スライスを両側からガラスで押さえてあるので、変形はしておらず、内蔵もよく見えます。 ホルマリンは少し濁っており、上には油のようなものが浮いており、ちょっと気持ち悪い。 白人の高校生くらいの女の子2人が、これに顔をべったりくっつけてぺちゃくちゃやっておりました。 私は顔をべったりくっつける気持ちにはなれませんでした。 |
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展示パネル 博物館の中は非常に広く、75の部門に別れており、それぞれ本物或いは精密に作られた模型で展示説明がされております。 私は「アメリカの生活(商業と文化)」の部門に興味を持ちました。特に1900年初頭の映画館、医院、郵便局、その他のコーナーはワシントンのスミソニアン程ではありませんが、良く作られており、感心しました。 アメリカお得意の航空機産業の部門では、本物のB−727が館内に宙吊りにされ、子ども達の人気を集めておりました。 |
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人間の胎児の成長過程 これも本物の胎児が受精1週間後から37週間目くらいまでをホルマリン漬けにしたものです。 (どうもここの博物館は、ホルマリン漬けが好きみたい。) 長さ数ミリから数十cmまでに成長する姿を実物で見せている訳ですが、やはり私は人間のスライスと同じくあまり気持ちのいいものではありませんでした。 日本でも一般の博物館で、これと同じような展示はあるのかしらん? ケダモノ、あっ間違い、白人と我々日本人とでは生命というものに対する考え方が、どうも違うようです。 |
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潜水艦の艦橋 どの博物館に行っても、アメリカは軍のPRというか、軍の展示がありますが、これもそのひとつ。 航空母艦の発艦、着艦のオペレーションにどのような技術が使われておりとか、ごらんのような潜水艦にはどのような技術が使われているとか、詳しく説明されております。 面白かったのは、年々海軍の予算がどのように減っているか、グラフで説明されている展示でした。 こんな逆風の環境の中、合衆国海軍はがんばっているのであります、というような事が書かれてありました。 |
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焼き肉 オハイオにでは食べることのできないものの一つに、あの火でジュージュー焼く形式の「焼き肉」があります。 博物館を3時半に出て、シカゴの北西にあるアーリントンハイツという場所に向かいました。ところが、たった20マイルに3時間を要する大渋滞に巻き込まれてアーリントンハイツのホテルに着いたのは夜の8時前。 チェックインの後、焼き肉屋へまっしぐら。 で3人だから、5皿くらいかな?と日本の感覚で頼んだら、山ほどの肉。確実に1皿は多かった。 最後は歯を食いしばって食べましたが、ギブアップ。心残りではありましたが、少し残してしまいました。 |
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ホテルの朝 又もや雪です。 今日は正月の食料とかを買い込んで、コロンバスまで戻る日です。こりゃ、参ったなー。 ホテルは朝食付で、シカゴのダウンタウンのホテルの半額で、しかも快適。でも私は昨夜の焼き肉の食べ過ぎで、コーヒーを少し飲んだだけ。 アメリカのホテルは普通、人数に関係なく部屋数で料金が決まりますから、1人で泊まっても3人で泊まっても同じ料金です。 たまに1人10ドル程度の追加を要求するホテルもありますが。 |
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あの有名な元「Y」の店 シカゴには本格的な日本食とかを売る店があり、実はここで買い物をするのも今回の目的の一つだったのです。 場所はホテルから車で3分。昨夜の焼き肉屋が4分。この辺り一帯は日本人が多く住んでおり、日本レストランとかもたくさんあります。 シカゴ・オヘア空港までも15分くらいで行けるので、大変便利な場所です。 9時開店で、9時30分には店の中に入っておりました。 |
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日本のスーパーより広い 店の中は食料品売場が中心で、本屋、弁当屋、土産物屋、パン屋(アメリカのパンは、普通は、腹が立つくらいまずい)、屋台村、その他が一つの屋根の下に入っております。 写真の食料品売場は、日本の大型スーパー並の規模で、品揃えも日本と全く同じ、いえ、日本以上かも知れません。 それにカミサンに言わせると、うんと安いという事らしいですから、シカゴの日本人は恵まれております。 ここでどっさり買い物をして、車に積み込み、再びオハイオまで650kmをすっ飛ばして帰りました。 |
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シカゴはNY、LAと並んでの大都会であり、摩天楼発祥の地だけあって、建物もしゃれております。 但し犯罪の多い都市であるのも事実で、私達も博物館からの帰りに道を間違い、日焼けの濃い人達が住むエリアのど真ん中に入ってしまいましたが、やはり行動には十分に注意を必要とする都市です。 3ベッドルームの家が売りに出ているのを日本スーパーの張り紙で見ましたが、40万ドル。どのレベルの家か、土地勘がないのでよくわかりませんでしたが日本人用に、あるレベルでの安全が見込まれた地域の物件なのでしょう。つまり住宅に関しては、オハイオの2倍以上の値段がする、というのが印象でした。 年に1回か2回くらいは行ってもいい所です。でももう冬には行きたくありません。寒いし、雪で運転は神経使うし。 カミサンと娘は車の中で、菓子を食べたり、居眠りしたり。私も1回そんな旅してみたい。 |
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