JAPAN FESTIVAL(日本祭り)
ここオハイオ州コロンバスは日系企業が多く、従って多くの日本人が住んでいます。コロンバスの人口100万人に対して、500人以上は住んでいると思います。もちろん、多いと言っても、そこら中でゴロゴロ見かけるという訳ではありませんケド。
日本の補習校もありますし、田舎にしては何かと、「日本」と縁のある土地柄です。

そのような中で毎年3月に、JAPAN FESTIVALというのが近所の高校で開かれるので、これに行ってみました。
趣旨は、日本の文化(?)を紹介するという事なのですが、まあ堅苦しい事は抜きにしてぶらっと出掛けてみました。

この高校は私の家から、車で3−4分(3kmくらい)のところにあります。
ダブリン高校

大きな高校で、1500人(4学年)くらいの生徒がいるそうです。

日本では考えられないような広い敷地に、建物、グランドがあり、非常に恵まれた環境です。
車が無造作に駐車してあるのは、この日はJAPAN FESTIVALを見学に来た人達の車です。

生徒用の駐車場(こちらは高学年になると車で通学している子が非常に多い)は建物から少し離れたところにあります。
先ず体育館へ

入り口を入って体育館へ行ってみました。
体育館もものすごい立派で、ここでは空手の紹介をやっていました。

紹介しているのはアメリカ人で、かけ声は、「イチ、ニー、サン、、、、」、で日本語でした。子供達が一生懸命やっておりました。

観客席のところに私の会社の社長のHさんが、ナゼか一人でポツンと座っていました。
「こんにちは。」
我が社もこのイベントのスポンサーだったと思います。
紙スキの実演と体験

和紙作りの基本です。
紙というより、中に葉っぱとか、ドライフラワーを入れたりとか、美術工作の一つとして紹介をしておりました。

このアメリカ人の女の子、器用にスイて、あっという間に出来上がり。
子供はこんなに器用なのに、何で大人になるとあんなに不器用になるの?

これもアメリカ人が指導をしていました。日本人はどこへ行った?! JAPAN FESTIVALだろ!
ロクロ回し、別名、「陶芸」

これもアメリカ人による紹介。もう、日本人はどこへ行ったのだー!出てこい、日本人!

私はこの世界は全くわかりませんが、このアメリカ人、ロクロを回して、8年だそうです。
ロクロは電気モーターでビューンと回すものではなく、ちゃんと足で踏んで回すタイプでした。
(モーター使ってたら、文句言ってやろうと思いましたケド。)
ドンブリ、湯飲み(ちょっとでっかすぎるけど)、土瓶もありました。
紙芝居です

もうここまで来ると、日本人を捜すのを諦めました。これもアメリカ人のオバサンによる紹介でした。

ちゃんと自転車の上に乗っけてやっているところが憎い。でも一つだけ足りないものがあります。

そうです。紙芝居をするときは、先ず子供達に水飴とか、スルメとかを買わせて、買った子供だけが紙芝居を見る権利があるのです。(オバサン、知ってるよね?)

残念ながら、子供達は誰もスルメをかじっておりませんでした。
着物の着付け

やはりこれが一番の人気のようで、小学生くらいの女の子でごった返しておりました。

でも金髪の着物姿というのは、やっぱり何か違和感があるなー、オレ。

子供達は着物を着せてもらって、大喜び。順番に写真を撮ってもたらっていました。

ここに来て、やっと日本人に会いました。近所の日本人駐在員のOさんの奥さん、着付けを手伝ってみえました。
紙人形(Paper Doll)

紙だけで精巧な人形を作る実演です。
でもこれって、うんと時間がかかり、作りのは結構大変そうです。
これも結構人気があったように思います。

アメリカ人にはやはりガラスケースに入った、日本人形が非常に人気があり、最初に日本に行くアメリカ人は大半の人がほしがるそうです。

あれ?ここで紹介をしていたオバサン、どこかで見たことがあるぞ。たしかH不動産のBさん、違ったかな?
能の紹介

学校の中には立派な劇場があります。
ここでは能の紹介をやっておりました。

やはりこれもアメリカ人によるもので、能の基本的な事を分かり易く紹介していました。
摺り足で、歩くところなんかなかなかのものでした。
(ちなみに私は能についでは全く知識はありません。)

写真は裃の着付けについて説明をしているところです。
でもバックの松の絵が、何となく、「アメリカ人が描いた。」、って感じがしますね。
版画教室

出来上がっている版に絵の具を塗って、紙を置いて、バレンでこすって、ハイ、出来上がり。

面白かったのは、絵の具を塗るときに、みんな誰も左手で版を押さえないこと。刷毛を持たない一方の手は絶対に机の上に置かない。
どうしてだろう?

みんな一生懸命にやっておりました。これも指導は全部アメリカ人でした。
組紐の紹介

私も実物を見たのは初めてでした。そうかー、こうやって作るのか。

残念ながら、ここはアメリカ人にあまり人気がありませんでした。多分、この紐の用途がわからないからだと思います。

組紐の多くは着物の装飾に使われるのだと思いますが、その紹介が詳しくなかったのが残念。
日本人の子供が描いた絵

みんな伸び伸びと、非常に良く描けていました。
で2−30枚貼ってありました。全部、合格!100点です。
写真は、「これは何を描いてあるのですか。」、とアメリカ人のご婦人が聞いてきた絵です。

「お風呂の絵かしら。日本は大きなお風呂にみんなで入るって聞いています。」

「ちゃう、ちゃう!これはプールでみんなが楽しく遊んでる絵ですよ。ちゃんとパンツはいてるでしょ。」
高校の中の食堂(カフェテリア)

これも立派な食堂です。ここでもカラテの紹介をやっていました。

この日は簡単な昼食を売っていましたので、何かな?と期待をして覗いてみると、ここだけは完璧なアメリカンフード。

JAPAN FESTIVALだろ?
何で焼きそばとか、焼き芋とか、おでんとか、お好み焼きとか、イカ焼きを売らないの?

私は少々、不満でありました。
何か一つでもいいから日本の紹介をして欲しい、と言われたら、私は何を自分でやってみせて、そして紹介ができるか?考えてみました。

書道はダメ(もう何十年も筆を持っていません)、ソロバンも足し算だけしかできませんからダメ、折り紙も鶴と兜だけしかできないからダメ、阿波踊りは少しできますが、素面ではちょっと、、、、これもダメ。
剣道も少しできますが、1人では紹介が難しいので、これもダメ、なーんだ、何もないじゃないか!

JAPAN FESTIVALは、日本人が日本の紹介をするイベントだと思っておりましたが、そうではありませんでした。どちらかと言うと、アメリカ人による、「日本紹介」、という感じでした。

毛筆で、見事な平仮名を半紙に書いて、紹介をしてくれていたアメリカ人、鯉のぼりの作り方を子供達に教えていたアメリカ人、みんな素晴らしかった。
日本を紹介できない日本人の代わりに日本の文芸(?)を紹介してくれたアメリカ人、このイベントを見学して私はこれらのアメリカ人にありがとう、と言いたくなりました。

今からでも遅くない、何か身につけなくては、、、、。
inserted by FC2 system