東京見物−9:08−07
今まで行ってみたいなー、と思っていてなかなか行けなかったところの一つに東京築地市場がありました。今回の日本行きにて、時差ボケで朝早く目が覚めるのを利用して見学に行ってきました。

築地は誰もが知ってのとおり、首都圏の食生活をまかなう流通の一大拠点で、1日に何十億円という規模の魚とか野菜が取引されているところだそうです。
最近は一種の観光地にもなっており、日本に来たガイジンが結構押し寄せているそうで、市場の奥の方まで入っていくので商売のジャマになっているという話しを何かの雑誌で読んだ事もあります。それほど観光的にも人気のあるところ、という事なのです。

築地市場は殆どの土曜日も営業しているので、見学には便利なところです。さーて、どんなところだったか、写真に私のコメントを交えて紹介です。
大江戸線「築地市場駅」

確か東京の地下鉄の中で一番新しい路線ではないかと思います。
駅の壁には錦絵のデザインの絵が描かれており、
名前にふさわしい雰囲気を作っています。

ここを降りると噂どおり、リュック背負ったガイジン(白人)、東京観光案内の本を持ったガイジン(東洋人)なんかがちらほら目に入ります。
築地市場正面

駅を降りて1分で正面に辿り着きます。地図によるとこの右手には浜離宮があります。
またこの写真を撮った背中側には朝日新聞社と国立がんセンターがあります。

セリは朝の5時頃から始まり、8時には魚屋さんとか料理屋さんが卸業者に買いに来るわけですが、これも11時前に終わってしまいます。

本当にこにノコノコ入って行っていいのかなー、今や観光名所とは言うものの、左側の一角はちょっと不安になります。
市場全体見取り図

広さは23万平方mと言いますから、500mX500m弱というイメージでしょうか。相当に広い敷地です。

セリ場とか仲卸がある建物は弧を描いているのが特徴で地図の左側(実は東側になります)には場外商店街というのがあって、一般客はここで買い物をするそうでで、これに対し弧を描いている建物がある場所を場内と呼んでいるようです。

ここにこのような市場ができて70年以上、現在は移転の話しもあって、いろいろと話題になっているようです。
ウワー、スゴイ!!!

正面からそのままズドーンと真っ直ぐに入ってみました。
先ず目に入ったのが今まで見たことのない変わった乗り物、これはターレーと呼ばれるそうです。荷物を牽引したりして、それこそ無数にしかも相当なスピードで走り回っています。
はっきり言って、かなり危険。

ターレー意外にバイクとかトラックもバンバン走っており、このノリはもう日本ではなく、完全に東南アジアって感じです。
仲卸売り場(1)

築地市場で一番面積を占めている水産物部の仲卸売り場に入ってみます。
端から端まで行くのにブラブラ「観光」していきますと20〜30分以上はかかります。
このような通りが10以上ある訳ですからやはりスゴイ規模です。

不思議なのは魚介類が1日約2000トントンという規模で集まっている訳ですが、生臭いニオイが全くしない事です。
実はここは徹底的な衛生管理がされている場所でもあるのです。
仲卸売り場(2)

立派な大きな鯛です。1Kgが900円ですから、非常に安いと言えます。
料理屋さんの板前風のアンチャン、オッサンがいろいろと物色しているのが目に入ります。
もちろん、我々一般人でもお金を出せばきちんと売ってくれるのは言うまでもありません。

この鯛、刺身にしたら何人前くらい取れるかなー、軽く7〜8人前以上は取れるくらいの大きさでした。
一人前1000円として、エーット、、、という計算をすぐにやろうとするのも私のクセであります。
仲卸売り場(3)

これはマグロの部品を売っている仲卸業者です。
部品とはつまりマグロの各部位の事で、「尾の身」とか「アゴ」とか「頭身」とか「ブツ」とかです。

どちらかと言うと、仲卸業者と言うよりも小売りに近いような店の出し方をしておりました。

歩き回っているとこのお店のようにちょっと変わったお店などを発見するので、なかなか楽しい所です。
マグロの解体(1)

やはりマグロはその大きさから目立つ魚です。このお店では捌く寸前の完全な形のマグロが2匹、デーンと置いてありました。

これのセリは早朝の5時頃から行われるそうで、このセリの現場には通常は一般人は立ち入り禁止だそうです。

築地には市場公認のツアーもありますが、2〜3時間くらいのコースで6000円とか8000円もするそうで、私も参加をしようと思いましたが、諦めました。
マグロの解体(2)

頭を切り落とし、頭身をそぎ落としているところです。魚自体が大きいので、かなりの量の肉が取れそうな感じです。
のぞき込んでいるのは見学者なのか、買いにきた魚屋さん・料理屋さんなのかわかりませんが、熱心に見ておりました。

ここはブラブラして商売のジャマになると直ぐに、「どけ〜!ジャマだ〜!」、って怒鳴られますが、別にそんな悪気があって怒鳴っている訳ではなさそうなので、こちらもハイハイ、どきますよ、って感じです。
マグロの解体(3)

これは目を見張る巨大マグロです。
横にいたオジサンに重量を聞いて見ましたら200kgだったそうです。確かに大人3人分は軽くありそうな大きさです。

これを2m近くある包丁(?)で切っていく様子は迫力満点です。あまりのダイナミックさにしばらくは見とれておりました。

これを見ただけで今日は築地に来た甲斐があったなー、なんて思ってしまいました。
新鮮です

私は魚を直接捌く事はできませんが、新鮮さを嗅ぎ分ける能力は恐らく、普通の主婦とは比較にならないくらいに鋭いのではないかと思います。見分け方は魚の目の輝きと肌つや、もとい、ウロコのつや(輝き)です。

このいうところで改めて本当の鮮魚を見てしまうと、一部の日本のスーパー、それにコロンバスの魚を見ると、魚ではなくなってしまいます。
こうなご・しらす

鮮魚だけではなく、ほんの少しですが加工されたものも売っていました。これも私にとっては酒の肴です。

ダイコンをすりおろして、こうなごを少し大目に混ぜて醤油をかけるだけで出来上がりです。
栄養のある、口当たりのいい酒の肴で、日本酒に良く合います。

なんのかんの言っても、結局は築地に並べられているものは全て液体燃料注入につながる材料なのですね。
もう少しすると店じまいです

築地の仲卸業者の多くはは大体12時頃には店じまいだそうです。
そう言えば買いに来ている人も段々少なくなってきました。
しかしここを全部見学するのは不可能です。あまりにも広すぎます。
鮮魚関係ではその規模が世界一だというのも頷けます。

こういう場所に来ると本当に飽きません。文句なしに夢中になってしまいます。どうしてかなー、、、。
自分でも不思議です。
青果部(1)

築地は鮮魚を中心に扱う「水産物部」、野菜などを中心に扱う「青果部」、干物類等を扱う「塩干物卸売場」、それに用品とか食堂が並ぶ「魚がし横町」の4つのエリアがあります。

青果部は訪れたときはもう殆ど商売が終わった時間帯でしたが、水産物部のような荒々しい雰囲気はありませんでした。

という訳でもないのでしょうが、水産物部では見掛けなかった小学生の見学者を見つけました。
青果部(2)

そう、タケノコです。
私のイメージより安い感じです。15本〜20本が11500円〜17000円くらいで置いてありました。
やはり卸だからでしょうか。

アメリカでもオレゴン州ではマツタケが山ほど採れて、値段は普通のキノコの値段で買えるそうです。
味は香りがイマイチだそうですが、マツタケだけで腹一杯にした事がある、なんて話しをある先輩から聞いたことがあります。

今度オレゴンに行ってみようかな。
青果部(3)

これはもう殆ど卸ではなく、小売りのイメージです。卸売り売りが終わった時間帯であったのと、入り口付近だったので、こういう感じの店が多かったのかも知れません。

やはりここでも中国産の野菜が結構多く置かれていました。
何だか中国産は築地には相応しくない、という感じがしました。
魚がし横町(1)

築地で仕事をする人が仕事に必要なものを売っている一角です。
長靴とかいろいろな物を売っています。
私は長靴には興味がありません。やはり魚と言えば包丁です。実用的なよさそうな包丁が安く売られていました。

このような包丁は奥の方に並べられており、入り口付近には観光客に売る包丁が並べられておりました。
その横には” US Dollar OK ”なんて書かれていましたのでガイジンも買う人がいるみたいですね。
魚がし横町(2)

観光・見学客です。殆どの人は魚がし横町と市場の外にある場外商店街だけに行くようで、私達のように市場の奥深くには行かないようです。

確かにこんなオジサンとかオバサン、それにアベックが仲卸業者の間をうろうろしたら、ジャマで仕方ないですけどね。

市場の中は普通の人が入って行くには少し雰囲気に戸惑うかも知れませんが、あの魚の群れを見ないことには築地に来た価値はありません。
魚がし横町(3)

食堂街です。何だかすごい行列ができている店がいくつもあります。
多分、雑誌か何かで紹介されたのでしょう。若い女の子とかが圧倒的に多い。

中を覗いてみると何の変哲もない鮨屋だったり、海鮮丼屋だったりするのですが、とにかくこの暑い中行列を作っていました。

築地に言ってXXXを食べてきた、って言うのはこの辺りの食堂で食べてきた事を言うのかな?
魚がし横町(4)

私達もお腹が減ってきたので、行列ができていない海鮮丼屋に入ってみる事にしました。
基本的にマグロ(赤身、中トロ、トロ、中落ち、)、ウニ、イクラ、サーモンの4種類を組み合わせていくつもの種類を作っているだけの丼です。

あまり期待しないで入ってみましたが、ごく普通の特徴のない味でした。
値段は1200〜2000円くらいでした。

店内で出された丼の写真を撮ろうとしたら、写真撮るなって言われました。
魚がし横町(5)

何かテレビ番組の撮影をやっている店がありましたので立ち止まってちょっと注目。
どうもこの食堂街を題材にした番組収録のようで、XXXというタレントがいました。(名前忘れました。)

このタレント、そこそこ名前が売れているそうで、カミさんが写真を撮らせて欲しいと頼んだら、ハイハイという感じで撮らせてくれました。

あんまりイヤミを感じない、さらっとした感じのタレントでした。
初めて見る乗り物です

築地市場の中、及びその周辺の公道をを走り回っているこのターレーと呼ばれる、ちょっと奇妙な乗り物、ガソリンエンジンで走るようです。

非常に簡単な構造で、荷台に荷物を載せてバタバタと何十台も走り回っている様子は、一種独特の雰囲気をかもし出しておりました。

でも人ごみの中をあんなに勢いよく走り回って事故はないのかなー。
築地場外商店街(1)

市場に隣接して、ずらっと店が並ぶ通りがあり、一般の人が安心して買い物できる場所になっています。
鮮魚を売っている店はあまりなく、いろいろな水産加工食品が中心です。

どちらかと言えばアメ横の感じで、この日はそれほど混み合っているという訳ではありませんでした。

こういう店を一軒ずつ覗きながらブラブラするのも楽しいものです。
築地場外商店街(2)

これ安い、これおいしそう、これお土産に、という訳でカミさんいろいろと買い込んでおりました。
それにお店の人も営業がうまく、つい買わされてしまう雰囲気でした。

オハイオではこのような場所は皆無ですから、久し振りに味わう買い物の雰囲気かも知れません。

年末とかは買い物客でごった返すのでしょうね。
築地場外商店街(3)

東南アジア系の外国人とか、白人の姿もちらほら見掛けましたので、やはりここも外国人用観光コースの一つに入っているのだと思います。
日本人も歩いている人の3分の1は観光客風の人でしたけど。

お茶とかお菓子とか築地市場とは関係のないものもかなり売っていますので、場内(築地市場はこうも呼ぶらしい)を見学して、ここで買い物をして帰る、というのが観光コースのようです。
新大橋通り

築地から新橋までは歩いて15分くらいですから、本当に東京の中心地にある大市場という事になります。

ここは場内の見学を含めて3時間〜4時間あれば十分で、他のどこにもない独特の雰囲気を味わう事ができます。ぶらっとするには是非お薦めの場所と言えます。

それとこのような場所に来ると、やはり日本に帰ってきたなー、という気になりますから不思議です。
昨年の冬に日本に来た時は山口県下関市方面のブラリ旅の時に唐戸魚市場に行ってみました。唐戸魚市場も大きいなーと思いましたが、築地市場はやはり桁違いでした。
市場は元気のいい、そして少し荒っぽいような雰囲気がありますが、私はこの雰囲気が大好きです。それに市場の中は女性の姿を殆ど見ません。男の世界です。これもある意味でなかなかいい雰囲気です。

今度は何とかして早朝のセリの現場を見てみたいものです。
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