東京見物−5
上野公園、電車の窓からいつも眺めておりましたが、実は私はここは一度も行った事がなかったのです。
東京の名所の一つ、上野公園はJR上野駅から歩いて1分、日本帰国の初冬のある日、時間を気にせずぶらりと歩いてみました。

アメリカに住んで6年目、何気ない日本の風景、人までも、今までとは違ったものに見えるのは、自分でも不思議な気持ちがします。
上野公園に隣接する「アメ横」、ここも独特の雰囲気のある世界です。アメ横にも足を伸ばしてみました。建物、地名に少し間違いがあるかも知れませんが、ご容赦。(記憶の範囲なので)
上野駅の正面、東京文化会館

宿の池袋から上野まで20分、駅を降りると東京文化会館です。
12月中旬の天気はいいのですが、低めの気温の初冬。
平日の午前中の上野公園入り口は閑散としています。

コートの襟を立てて、何も持たないで、履きなれた靴をはいて、ブラリブラリ。
大した目的もなく、このような場所をきままにぶらつくのは最高の気分です。
大噴水横のホームレス

西洋美術館を通り過ぎると大噴水がありますが、冬よいう季節のせいでしょうか、噴水は出ておりませんでした。

その横、国立美術館の前のベンチにはズラリ、ホームレスの人達が座っており、我々のような公園を訪れた者が座る余地は全くありません。
右手の林の中には水色のビニールで作った小屋が大量に建てられており、ここが彼らの住まいになっているようでした。

どのようないきさつでこのような生活を送るようになったのでしょうか。いろいろと考えてしまいました。
東照宮

東京都美術館を通りすぎ、上野動物園の入り口を右手に見て進むと東照宮があります。

正面が金色堂で、左手に入り口と書いてあったので入ろうとしたらオジサンに呼び止められました。
300円の拝観料を払えとの事。

どうしようか迷いましたが、300円を払って中に入ってみました。
300円けちって、後悔が残るのもしゃくだし。
国宝、金色堂の中の日本庭園

中に入ってまず目に入るのが日本庭園。残念ながら冬の日本庭園というのは見る価値が半減します。
やはり来るなら春、または秋に限ります。

金色堂の中には家康ともう一人の木像が置いてあるだけで、ただがらんとしたお堂のみ。

さて300円の価値があったかな? どうしても300円にこだわってしまいます。
寛永寺五重塔

300円のことを考えながら東照宮を後にさて、次はどこに行くか。
ふと振り返ると寛永寺の五重塔が見えます。

周りの風景と非常にマッチしたすばらしい構図です。残念ながら写真撮影の腕がイマイチでその感動を写真に残すまでには至りませんでした。

きっと桜の季節、春にここを訪れたならば最高だと思います。でも人出でうんざりかも。
東照宮からこの五重塔までの間、会った人は全部で6−7人でした。

ゆっくりと散策するには今がいいし、でも300円は価値がなかった、云々。

むっつりした顔をして歩いておりましたが、頭の中は以上の内容でした。
桜並木

適当な地図を持たないでぐるぐる歩いておりましたら突然に桜並木通りに出ました。

ここまで来ると人出もあります。桜のシーズンに来れば最高でしょう。

近くに看板があったので、位置を確かめたら、あれ、j西郷さんの銅像の近くではありませんか。

ちょっと方向感覚が狂ってしまいました。不忍池に行く前に西郷さんに挨拶に行くことにしました。
西郷さんの銅像

これがかの有名な上野公園の西郷隆盛の銅像です。この横には彰義隊の墓所もあります。

確か戊辰戦争で、西郷軍と幕府彰義隊がここ上野のお山で戦ったのではなかったかと思います。
(戊辰戦争って鳥羽伏見の戦いも含んだのでしたっけ?これ以上の知識はありません。悪しからず。)

確かに東の方を見ますと、上野のお山というのがよくわかります。JRの高架よりもかなり高く、ビルの4階以上の高さがあります。
不忍池、弁天堂

お山を降りると、不忍池があり、まず弁天堂が目につきます。
池の周りはもうビル街ですが、池は結構大きく都会のど真ん中という感じがあまりしません。

葦も黄色で、完璧な冬景色になっております。
平日ということもあって、若い人はあまり見掛けません。

この池を横断している歩道を歩いてみます。
不忍池からの風景

遠くにはビル群が見え、相当に車も走っているはずですが、ここは静かなものです。

魚釣りをしている人を見掛けませんでしたので、ここは禁止なの?

鯉でもいるのかな?鯉こくも食べたいな。でも鯉ってちょっと泥臭いしな。
頭の中はこんな事ばかり考えております。
スケッチをする人

歩道の反対側の池は葦が密集しており、遠くに弁天堂が見えます。

水上音楽堂の前で2人の老人がスケッチを楽しんでおりました。
それぞれ弁天堂を画いておりましたが、一人の方はかなり本格的にやっている画き方でした。

上野公園に入ってから2時間半、休んだのは1回だけ、ずっと歩きづめでかなり疲れてきました。
下町風俗資料館−1

水上音楽堂の先に資料館があったので入ってみました。500円。

金色堂の300円はがっかりだったのですが、ここの500円は如何に。
入ると明治、大正、昭和初期の下町の風俗を紹介するいろいろな展示がありました。

これは昭和初期の庶民の家の「居間」だそうです。振り子の大きな時計は子供の頃、家にありました。
下町風俗資料館−2

明治ビヤホール。左から書いてあるところが何とも言えません。
テーブルの上にはいろいろなゲームが置いてあり、実際に遊ぶ事ができます。

きっと昔の人も一杯やりながらこんなゲームをして楽しんだのでしょう。
壁にはサッポロビールのポスターが貼ってあり、描かれているのは丸髷、着物姿の女性でした。
下町風俗資料館−3:昔のおもちゃの紹介

コマ、竹とんぼ、その他(ちょっと名前は忘れました)の昔の子供が遊んだ手作りのおもちゃがあり、実際にやってみることができます。

このオバサンが遊び方を教えてくれ、若い女の子がいっしょうけんめいやっていました。

「わー、これって体力いるおもちゃネ。おもしろーい!」

バカモン。体力って言葉は、こんな時に使う言葉じゃない、ついオジサンは文句を言いたくなるのであります。
上野公園入り口

あっ、そうかこれが上野公園の正面入り口か。
私はここから「出て」、上野公園を後にしました。

ちょっと寒かったけれど、ブラリブラリと3時間以上、我ながら良く歩くもんだと感心した次第です。

やはりここは桜のシーズンがいいのでしょうが、人ごみが嫌いな私、多分来ないと思います。
アメ横−1

上野公園まできたついでにアメ横見学をしました。
平日の午後1時という事もあってそれほどの人出はありません。

しかし威勢のいい掛け声があちこちから聞こえてきます。買い物をする予定は全くありませんが、ここもブラリと歩いてみて楽しいところです。
アメ横−2

マグロ切り身のたたき売り。思わずうんと近くまで行って、見とれてしまいました。

中トロのでっかい切り身が3000円!次々に売れて行きます。買い手はどうも、小料理屋か何かをやっている、女将さん風の女性。
そうか、ここで仕入れて店で5切れ1000円で出すのか。

「はい、3000円、3000円。もうイイヤ!、エイ、2500円、2500円!」、急に値下げしておりました。
アメ横−3

この男性、大豆を10袋くらい買っていきました。やはり一般家庭用に買っている雰囲気ではありませんでした。

私はこのような食料品が安いのか、高いのか詳しくはない方ですが、それでも大きな袋に入ったピーナッツとかが500円、なんてのを見ると「安い」という気がします。

値段の安さと品揃えの豊富さは、アメリカのスーパーもかなわない感じです。
アメ横−4へ

アメ横は食料品だけではありません。衣類とか、ブランドのハンドバック、時計、その他電気製品以外は何でもあるという感じです。

但し、やはりブランド品はべらぼうに安いという訳ではなさそうで、安く売っている物はそれなりに見る目が必要だと聞いた事があります。

何でこんな物まで売ってるの?という店もあり、見るだけで「楽しい」のは事実です。
昼食に上野で食堂に入りましたが、値段の割りにおいしいものを食べる事ができました。
高くて、まずい店も多い東京。この界隈は過去に何度も来ましたが、味で裏切られた事は一回もありません。

上野、アメ横近辺は不思議な魅力を持つエリアです。
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